文:ラリーズ編集部
<天皇杯・皇后杯 2025年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月21~26日 場所:東京体育館(東京)>
26日、2025年全日本卓球選手権大会は大会最終日を迎え、男子シングルス準決勝が行われた。
張本智和(智和企画)は、松島輝空(木下グループ)の圧倒的な攻撃の前にゲームカウント1-4で敗れ、去年に続く全日本連覇はならなかった。
試合後、張本が報道陣の質問に答えた。
張本智和、試合後のコメント
写真:張本智和(智和企画)/撮影:ラリーズ編集部
試合を振り返って
1-4というスコア以上に厳しい試合でしたし、タイムアウトを取ってギリギリ1ゲーム取るのが精一杯だったので、本当に彼のパフォーマンスが素晴らしかったです。
僕も調子は決して悪くなかったですし、ラッキーなボールもありながらこのスコアで敗れてしまったというのは、反省しなきゃいけないなと。
元々バックハンドが上手い選手なんですけど、今日は1ゲーム目から回り込みのフォアドライブを仕掛けてきて、それが全て決まっていたので、そこで少し出鼻をくじかれました。
全体的な流れが相手が攻めている構図になってしまったので、会場の雰囲気というか、今日のこの1コートのこの雰囲気を、彼のものにしてしまった。
今日は防戦一方になってしまい、攻撃力があったとしても戦術がはまらないといけないので、攻撃力を活かせるような戦術を身につけないといけない。
今日は松島選手のサービスレシーブに穴がなかったです。彼のサービスの多様さっていうのは武器ですし、何度も追いつけそうで追いつけなかった。松島選手は特にフォアハンドの強化をしてきて、ラリーでも今日は勝てなかった。
この敗戦をどう捉えているか
今日は内容的にも圧倒的負けてしまったので、そういう意味では悔しさももちろんありますけど、技術的な負けというのを試合をしながら肌で感じました。
悔しさもありながら、でも認めるところは認めながら、技術的な問題をまた練習して、次の大会に臨みたいと思います。
日本のエースとして、若手の台頭をどう捉えているか
全日本で僕が水谷(隼)さんとやっているときの雰囲気を思い出しながら、試合をしていました(全日本卓球2018)。
あのとき、全体的には水谷さんの方が僕より上でしたが、全日本の一瞬だけは僕が上回ったと思います。
将来のある選手っていうのは、こういう機会が遅かれ早かれやってくるので、今日はそのタイミングだったのかもしれません。
去年一年間、彼は殻を破れそうで破れなかったので、今日その殻を破った時点で、今年一年間は彼の年になるかもしれないなと。
それをきっかけにできるかどうかは、彼次第なので、チャレンジしてほしい。
次のシンガポールスマッシュ以降の彼の活躍を見守りながら、ライバルなので阻止しなきゃいけないわけでもありますけど、やっぱり、彼はその選ばれた数少ない1人だと。
松島輝空選手はどんな選手か
4つ年下で、普段は弟のような可愛い存在ですけど、試合では全く可愛さはなく(笑)、圧倒的に年上のようなプレーをされてしまいました。
普段は、性格的にも面白さもありますし、卓球に対する真摯さもある魅力的な人間だと思います。
普通に年齢から考えると、僕のほうが先に引退するので、現役10年、20年と過ごしていく中でまた勝ち負けを繰り返しながら、団体やダブルス、練習や試合を含めて、彼との卓球人生を楽しんでいきたいと思いますね。
森薗政崇さんがベンチに入った
今大会急遽でしたけど、一緒に戦ってくれて感謝しています。
初めてベンチに入ってもらったんですけど、普段の練習から卓球の話はよくしてるので、その延長戦上で、今日の試合、対戦相手、戦術の作戦を練ることができました。
今後も選手同士としても、選手、コーチとしても長い付き合いになると思うので、また2人で色々な経験で話しながら高め合えたらいいなと。
森薗さんはほんとにベンチで一緒に声を出してくれて、僕が試合中元気ない時でも僕を励ましてくれる。今日も何度も盛り上げてくれました。
写真:森薗政崇(BOBSON)が今大会はベンチに入った/撮影:ラリーズ編集部
この全日本を振り返って
全日本は毎年毎年、初戦から厳しい試合で、結果優勝できたりできなかったりです。
ここ6、7年で優勝は2回しかできないですけど、年々松島選手のような若い選手が強くなって、またベテランにも粘り強い選手がたくさんいるので、簡単には優勝できないです。でも毎年、1月の全日本に向けて合わせていきたい。
もちろん毎年優勝目指してるので、今年は獲れなかったっていう意味ではリベンジをしたい気持ちは変わらないですが、その前に今年は世界卓球があるので、世界卓球でメダルを取るっていうことが、今年の目標で、また来年は来年で全日本を目指したいです。
写真:張本智和(智和企画)/撮影:ラリーズ編集部
全日本は特別ですか
やっぱり特別ですね。緊張感、雰囲気、全日本では全日本でしか得られない喜び、歓喜がありますね。
今年は逃してしまいましたが、まだ10年、20年卓球をやっていくので、すべて獲れるかはわかりませんが、毎年1月は期待しながら臨みたいと思います。
このあと、妹の張本美和選手が決勝戦
兄妹優勝はここでなくなっちゃいましたけど、妹が初優勝を取ることが最優先だと思う。
もう自分は試合終わりましたし、決勝戦はしっかり観客席で応援しようと思います。もちろん絶対優勝してほしいなと思います。
男子シングルス準決勝
張本智和(智和企画)1-4 松島輝空(木下グループ)
11-13/11-9/7-11/11-13/7-11