取材・文:ラリーズ編集部
<全農杯 2025年全日本卓球選手権大会(ダブルスの部) 日程:2025年1月30~2月2日 場所:スカイホール豊田(愛知)>
30日、2025年全日本卓球選手権大会は大会1日目を迎え、男子ダブルスの部は2回戦までが終了した。
2回戦で松山祐季(クローバー歯科カスピッズ)/木造勇人(関西卓球アカデミー)ペアにゲームカウント1-3で敗れた伊藤楓真/平岡稜真(札幌大学)ペアは、現在大学4年。学生最後の全日本を終え、試合を振り返った。
写真:伊藤楓真(写真右)/平岡稜真(札幌大)/撮影:ラリーズ編集部
伊藤楓真/平岡稜真(札幌大学)ペア コメント
試合を振り返っていかがですか
伊藤:相手は強い選手なので、自分たちの思い通りにはいかないなって思っていたんですけど、2人で「頭をよく使おう、技術はしかたない部分もあるから、とにかく考えて試合運びをしよう」と話しました。
結果、自分の待っていたボールが来てカウンターが入ったり、点数を取れる部分は多くて、自分たちの凡ミスは少ない試合運びができたんで、それは良かったなと思いました。
平岡:組み合わせを見たときは絶望しました(笑)、有名な選手だったので。
でも、自分たちがこれまでやってきたことを信じてプレーしました。おそらく、相手も本調子ではない部分もあったと思うんですけど、この4年間で2人でやってきたことで通用した部分もありました。
最後の最後にいい経験ができたと思っています。
写真:松山祐季(クローバー歯科カスピッズ)/木造勇人(関西卓球アカデミー)ペア/撮影:ラリーズ編集部
札幌大学の4年間でどう成長しましたか
伊藤:自分は高校生のときは団体戦にも出たことがなくて。高校3年のインターハイは、ちょうどコロナで試合がなくなった世代でした。
そこから札幌大学に入って、ありがたいことに1年生からレギュラーとして出れて。そしたら試合でも意外と勝てて、そのまま好調を保ったまま4年生までやってこれた感じです。高校生のときよりは、頭を使う卓球ができるようになったのかなと。
大学生の卓球はラリーが続くことが増えるので、3球目の先の5球目、7球目まで考えるようになって、試合運びも1ゲーム目のラブオールから終わりまで、高校生のときよりもしっかり考えるようになったと思います。
4年間の部活で、卓球以外で成長は感じますか
伊藤:高校時代は副キャプテンで、大学ではキャプテンになったんですけど、人をまとめないといけない場面が多かったので、他の人のために頭を使って行動に移す力はついたと思います。
平岡:僕は、卓球よりも人間的に成長できたんじゃないかと思っています。高校生のときは、がむしゃらに練習して「自分がメイン」っていう気持ちで過ごしていました。
けど、大学生になってから、社会人になってからのことを考えて、「自分以外の周りのこともしっかり面倒見れるように」と意識してきました。俯瞰して自分を見れるようになった気がします。
大学生なので、いろんな誘惑や遊びがあるなかでも、みんなが変な方向に行かないように伊藤と一緒に引っ張っていければいいと思ってやってきました。
写真:伊藤楓真(写真右)/平岡稜真(札幌大)/撮影:ラリーズ編集部
札幌大学卓球部の後輩たちにひとこと
伊藤:後輩たちはまだ、ちゃらんぽらんの部分が多いので、僕ら二人がいないとまとまらないのではと、ちょっと不安です(笑)。
けど、しっかりものを言える小野というキャプテンがいるので、小野を中心にみんなで支えていってほしいですね。
平岡:大学生は高校生よりも自由な時間があって、いろんな誘惑があると思うんですけど、そこに流されず、自分の中に軸を持って生活してもらえればいいかなと思っています。
人のためになること、さらに自分のためになること、人間性を磨きながら成長してほしいです。
札幌大学卓球部に関しては、「他より環境が良い」と言ってもらえますが、結局自分次第だと思います。もちろん、強い選手は集まってるんですけど。
ただ、僕たちが4年間やって、全日本も出れて、格上の選手にも競ることができた。だから、後輩たちにも腐らずに諦めずに、がむしゃらにやってもらえたらなとは思います。
今後の進路は
伊藤:僕は札幌の一般企業に就職して、卓球はその仕事が落ち着いてからクラブチームに入ろうか迷ってるところですね。とりあえず、今のところは卓球は続けない方向です。
平岡:僕もここで一区切りという感じで、札幌の一般企業に就職させていただきます。卓球は、今はやろうかなっていう方向でいるんですけど、社会人で慣れない部分もあると思うので、慣れてきたら少しずつとは思っています。
4年間やりきりましたか
伊藤:はい、もうやりきれました。本当にずっと楽しかったです。
平岡:同じくです。
写真:伊藤楓真(写真右)/平岡稜真(札幌大)/撮影:ラリーズ編集部