文:ラリーズ編集部
<天皇杯・皇后杯 平成30年度全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)丸善インテックアリーナ大阪>
全日本卓球選手権大会、最終日、男子シングルス準決勝で、水谷隼(木下グループ)が木造勇人(愛知工業大)をゲームカウント4-1で破り13年連続となる決勝進出を果たした。
水谷vs木造 各ゲームの解説
第1ゲーム、木造が積極的な攻撃で先制し一気に5-1と水谷をリードする。木造のカウンターも冴え、11-5の大差でゲームをものにした。
第2ゲーム、1ゲーム目は様子見をすることも多い水谷。2ゲーム目は木造の返球パターンを読み、バックサイドのボールをフォアでの回り込みドライブで攻撃。守備範囲の広い水谷の返球に、木造もミスが増え、水谷がこのゲームを取り返した。
第3ゲーム、水谷はチキータレシーブを中心に組み立て、ラリーに持ち込む。乱打戦は木造も得意とするところであるため、9-9まで接戦になるも、最後は水谷がロングサーブから高い身体能力を活かしてボールに飛びつき粘り勝ち。このゲームを取りゲームカウント2-1とリードした。
第4ゲーム、木造も守りでは勝てないため、フォアでの回り込み攻撃を増やすが、水谷の堅守の前にミスが増える。水谷は徐々に声も出始め、調子も上がってきたようだ。水谷はレシーブでもチキータだけではなく、ツッツキを木造に軽く打たせて次球をカウンターで狙う戦術を取るなど余裕を持ったプレーを披露。まさに日本の大黒柱の貫禄ともいえるプレーで木造を圧倒する。
第5ゲーム、木造は、ラリーでは互角に打ち合うものの、流れは水谷がキープし続ける。4-2と水谷リードで愛工大ベンチがタイムアウトを取った。タイムアウト明けのポイントはバックハンド対バックハンドのつ差し合いから水谷が木造の空いたフォアサイドをノータッチで抜く。華麗な得点に会場から大きな拍手が起こった。
ラリーでも優位にたった水谷。10-2と大差でマッチポイントを握るが、そこからミスが重なり10-5とするとタイムアウト。一度体勢を立て直す。水谷はタイムアウト明けのポイントを失ったものの、最後はチキータで得点し、決勝進出を決めた。
水谷、木造の試合後コメント
試合後、水谷は「バックハンドの調子が良かった。逆にフォアが悪かったので自分ができることをやった。若手の突き上げの中で悔しい思いをしているが、まだまだ壁でいたい。(決勝では)僕が優勝しても彼(大島)が優勝しても嬉しいのでいい戦いがしたい。」とコメントした。
敗れた木造は「最初はずっとチャレンジャーという気持ちで良かったが、2ゲーム目以降は攻め急ぎすぎて凡ミスが増えてしまった。最後は出し切るしかないと思い悔いのないようにプレーした。水谷さんを見て緊張しているのが分かり、チャンスがあったが掴めなかった。3ゲーム目9-9を、取り切れなかったのが敗因」と試合を振り返った。
また「今大会は今まで勝てなかった人に勝てて自信になったし、大舞台で試合ができたのもいい経験、これを活かしたい。ダブルス優勝、シングルスもベスト4に入れた。2020への思いはある、2019は勝負の年。一戦一戦頑張りたい」と前を向いた。
水谷はこれで13年連続決勝進出となり、決勝ではダブルスパートナーでもある大島祐哉(木下グループ)と対戦予定だ。水谷は史上初の10度目の優勝まであと1勝となった。
全日本卓球2019 男子シングルス準決勝
写真:木造勇人(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部
木造勇人(愛知工業大) 1-4 水谷隼(木下グループ)
11-5/8-11/9-11/6-11/6-11