【卓球】伊藤「決勝だと思って戦った」"みまひな"対決、伊藤が制し2年連続の決勝へ<全日本卓球2019・女子単> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:伊藤美誠(スターツSC)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 【卓球】伊藤「決勝だと思って戦った」“みまひな”対決、伊藤が制し2年連続の決勝へ<全日本卓球2019・女子単>

2019.01.20

文:ラリーズ編集部

<天皇杯・皇后杯 平成30年度全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)丸善インテックアリーナ大阪>

20日、最終日を迎えた全日本卓球選手権大会で女子シングルス準決勝第1試合が行われ、伊藤美誠(スターツSC)が早田ひな(日本生命)を4-0で下し、2年連続の決勝進出を決めた。

第1ゲーム、伊藤がラリー戦でストレートコースを狙い、一気に4点を離す。早田も得意としている巻き込みサーブを伊藤のフォア前(フォアサイドの浅めのコース)とバックロング(バックサイドの深いコース)に散らすが、伊藤は丁寧に対応し、レシーブでも優位に立つ。大事な第1ゲームはサーブ・レシーブを支配した伊藤が先取した。

第2ゲーム、早田はレシーブを変更。攻撃的なレシーブであるチキータするのではなく、伊藤のバックに深い下回転のレシーブをすることで伊藤の意表を突いた。加えて、伊藤の得意技であるフリック(払い)を使わせないように、少し台から出るハーフロングサーブで伊藤に打たせて、そのボールをカウンターで狙う戦術を選択した。

徐々にサーブ・レシーブでも対抗できるようになってきた早田だったが、ここは伊藤がラリーで粘り、伊藤がゲームを連取した。

第3ゲーム、早田が連続してロングサーブで仕掛ける。強い攻めの気持ちが見える早田。しかし、伊藤は柔軟に対応する。早田の回転のかかったドライブを変化ラバーである表ソフトを貼ったバックハンドで受け止め、返球しにくいナックル回転で返し、早田にラリーの主導権を握らせない。

伊藤リードの6-4、早田の強烈なバックハンドが決まったタイミングで伊藤サイドが早くもタイムアウト。ここが勝負どころと見極めたか。タイムアウト後のポイントは伊藤が奪い、伊藤がその後も早田のミドルを上手く狙い、優位にラリーを進める。最後は伊藤がレシーブで強烈なフォアハンドスマッシュを打ち、決勝進出に王手をかける。さすがはダブルスのパートナーということもあり、伊藤は早田のサーブがどこに来るのか読めているようだ。

第4ゲーム、伊藤は試合の中で一番効果的であったフォア前への短い下回転サーブを中心にサーブを組み立てる。早田は得意のチキータを封じられ、リズムに乗れない。

2-2とした場面で、早田がネットインしたボールを拾い、伊藤のドライブを台から離れて、粘って得点。会場から大きな拍手が巻き起こった。ここから早田が連続ポイントで伊藤を追い越すと、伊藤も負けじと食らいつき、ここからシーソーゲームの様相に。7-7としたところで伊藤が渾身のレシーブで2点を奪い、点差を離し一気に勝負を決める。最後は伊藤のブロックが早田のミスを誘い、勝利した。

伊藤は試合後「苦しい試合だった。とにかく目の前の1ポイントをどう取るのかに集中した。これが決勝だと思って、絶対に勝つという強い気持ちで戦ったのがよかった。(早田は)パワーがあるのでパワー勝負では厳しい。自分らしいプレーで行こうと思った」とコメントした。

一方の早田は「ベスト4で30%嬉しいが70%悔しい。勢いだけでは勝てないということを痛感したし、伊藤選手の勝負強さを改めて感じた。表(ソフトラバー)の伸ばしてきたり来なかったりするボールに対応できなかったが、ラリーでは勝てた。伊藤選手は低い下回転サーブに対してもフリックしていくからそれがすごい」と振り返った。

伊藤は2年連続3冠を目指し、決勝で、森さくら(日本生命)と木原美悠(JOCエリートアカデミー)の勝者と対戦する。好調の伊藤、このまま連覇なるか。

全日本卓球2019 女子シングルス準決勝


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

伊藤美誠(スターツSC)4-0早田ひな(日本生命)
11-7/11-9/11-7/11-9