文:ラリーズ編集部
<第54回全国中学校卓球大会 日時:8月22日~25日 場所:高知県立県民体育館>
25日、高知県立県民体育館で行われていた第54回全国中学校卓球大会は最終日を迎え、全種目が終了した。今大会は、年代別ナショナルチームやJOCエリートアカデミー、木下アカデミー所属の猛者も参加するこれまで以上にハイレベルな大会となった。
男子学校対抗総括
男子学校対抗の優勝を飾ったのは、愛工大名電中となった。前回大会は準々決勝で野田学園中に敗れ、ベスト8となっていたが、今大会は決勝戦で再び野田学園中と優勝争いを繰り広げた。
写真:岩井田駿斗(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部
1番で岩井田駿斗(野田学園)が、2番で持田陽向(愛工大名電)がそれぞれ白星を挙げる。続くダブルスでは、月原弘暉/浅里巧真(愛工大名電)ペアが日野湊介/松山侑聖(野田学園)と最終ゲームまでもつれ込む熱戦となった。
2度のデュースを含む激闘を月原/浅里ペアが制し、愛工大名電中が優勝に王手をかける。しかし、4番で中野琥珀(野田学園)が原井敢田(愛工大名電)相手に3度もデュースを含む熱戦で勝ち星を挙げ、勝負はラストに託される。
最後は郡司景斗(愛工大名電)が3-0で勝利し、愛工大名電中がリベンジを達成。14回目の優勝をつかみ取った。
男子学校対抗決勝
愛工大名電 3-2 野田学園
佐々木雄大 0-3 岩井田駿斗〇
〇持田陽向 3-1 南優翔
〇月原弘暉/浅里巧真 3-2 日野湊介/松山侑聖
原井敢田 2-3 中野琥珀〇
〇郡司景斗 3-0 永峰佳麒
女子学校対抗総括
女子学校対抗の決勝に進んできたのは、木下アカデミーの選手が集う星槎中と、連覇を狙う四天王寺中の2校となった。星槎中はここまで明徳義塾中、貝塚第二中と強豪を次々と破ってきている。
写真:髙森愛央(四天王寺)/撮影:ラリーズ編集部
試合は、1番で櫻井花(星槎)が白星を挙げ、星槎中が先制する。しかし2番で髙森愛央(四天王寺)がゲームカウント1-2から逆転し、1本をつかむ。1-1で迎えたダブルスでは、藤本和花/村山結来(星槎)ペアがゲームカウント0-2と窮地に追い込まれるも、逆転で勝利する。
2-1と星槎中が優勝に王手をかけたところで、4番では牧野美玲(星槎)が3-0のストレートで白星を挙げた。星槎中が3-1で勝利し、優勝を飾った。
女子学校対抗決勝
星槎 3-1 四天王寺
櫻井花 3-0 植田杏
髙橋青葉 2-3 髙森愛央
藤本和花/村山結来 3-2 新谷莉央/渡会宥
牧野美玲 3-0 井上真夕
男子シングルス総括
写真:渡部民人(星槎)/撮影:ラリーズ編集部
男子シングルスの決勝戦に登場したのは、前回大会準優勝の渡部民人(星槎)と、佐々木雄大(愛工大名電)だ。渡部は準決勝で岩井田に、佐々木は栁本進太郎(明徳義塾)に勝利しての決勝を迎えた。
試合は、序盤から渡部が試合の主導権を握り、第1ゲームを11-2で先制する。一方の第2ゲームは両者の譲らぬ攻防が繰り広げられる。接戦となったが、渡部が逃げ切り優勝に王手をかけた。
逆転の糸口を見つけたい佐々木であったが、渡部の勢いは止まらず。最後は11-4で渡部が制し、前回の準優勝を超えての初優勝をつかみ取った。
女子シングルス総括
女子シングルス決勝では、前回大会ベスト4の竹谷美涼(貝塚第二)と、牧野の2名が対戦した。竹谷は準決勝で小塩悠菜(星槎)に、牧野は大野紗蘭(中間東)にそれぞれ勝利している。
序盤から竹谷と牧野による熱戦が繰り広げられる。第1ゲームは竹谷が制すが、第2ゲームは牧野が取り、ゲームカウントは1-1と並ぶ。第3ゲームでは竹谷の戦術が功を奏し、11-4で奪う。このまま竹谷が連取するかと思われたが、第4ゲームで牧野が接戦をものにし、勝負の行方は最終ゲームに委ねられた。
両者総力を尽くして戦うが、最後は竹谷が11-7で最終ゲームを取り、初優勝が決まった。
全種目の最終成績は以下の通り。
男子学校対抗最終成績
優勝
愛工大名電中(愛知)
準優勝
野田学園中(山口)
第3位
中間東中(福岡)
明徳義塾中(高知)
女子学校対抗最終成績
優勝
星槎中(神奈川)
準優勝
四天王寺中(大阪)
第3位
益田中(島根)
中間東中(福岡)
男子シングルス最終成績
優勝
渡部民人(星槎)
準優勝
佐々木雄大(愛工大名電)
第3位
岩井田駿斗(野田学園)
栁本進太郎(明徳義塾)
ベスト8
郡司景斗(愛工大名電)
岡本翼(星槎)
中城瑛貴(勝山)
持田陽向(愛工大名電)
女子シングルス最終成績
優勝
竹谷美涼(貝塚第二)
準優勝
牧野美玲(星槎)
第3位
小塩悠菜(星槎)
大野紗蘭(中間東)
ベスト8
新谷莉央(四天王寺)
内藤ひかり(和洋国府台)
髙森愛央(四天王寺)
樋口美空(山陽学園)
全国中学校卓球大会とは?
「全中」と呼ばれる全国中学校卓球大会は、大学生の全日学・インカレ、高校生の高校総体(インターハイ)と並んで学生卓球の頂点を決める大会である。
試合は男女団体と男女シングルスの計4種目で行われる。団体は4シングルス1ダブルスを6人で戦う重複不可のシステムとなっている。出場選手は各ブロックの予選を通過した学校や選手に加え、開催地代表枠と、日本卓球協会の推薦枠が存在する。
なお、今大会から「参加者は、都道府県中学校体育連盟加盟の中学校もしくは地域スポーツ団体等(地域クラブ活動)に在籍し、校長および都道府県中学校体育連盟会長が参加を認めたものとする」としてクラブチームの参戦も認められるようになった。