戦型:右シェーク裏粒
<VICTAS杯 第28回伊丹ホープスオープン卓球大会 日程:12月13日、14日 場所:伊丹市立伊丹スポーツセンター、伊丹市立緑ヶ丘体育館(兵庫県)>
12月13日、VICTAS杯 第28回伊丹ホープスオープン卓球大会が開催され、男子のホープス、カブ、バンビの部が行われた。
伊丹ホープスとは
「伊丹ホープス」の愛称で親しまれている本大会は、今年で28回目を迎えた全国規模のオープン大会。北は仙台から南は沖縄まで全国各地のホカバ年代の選手がエントリーしている。
ホカバ年代の大会だと毎年8月に開催される「全日本ホカバ」が有名だが、この伊丹ホープスも負けていない。出場者のなかには全日本ホカバで上位に進出した選手も大勢おり、誰でも参加ができるオープン戦ながらそのレベルはかなりのものだ。
写真:平野美宇(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
実際に、伊丹ホープスの歴代優勝者には、平野美宇、森さくら、戸上隼輔、松島輝空ら、後の日本代表になった選手も多い。そのため、ホカバ年代の選手の間では、「トップ選手になるための登竜門の大会のひとつ」とも言われている。
写真:開会式に参加する選手/撮影:ワダハルキ
さらに、この伊丹ホープスが他のオープン戦と異なるポイントは、バンビの部のベスト8までの選手には、次年度のHNT(ホープスナショナルチーム)選考基準合宿の参加権が付与されるのだ。
通常、HNT合宿には、先述の全日本ホカバを始めとした全国規模の公式大会で上位に入らないと参加はできない。そのため、バンビ年代の選手にとっては、本大会はHNT合宿の選考会の側面も持っているのだ。
白熱の試合が開幕
そんな伊丹ホープスは、全日本ホカバ同様、学年によってホープス、カブ、バンビの3つの部門に分かれており、予選リーグを戦った後に、決勝トーナメントが行われる。
ただし、全日本ホカバでは予選グループの1位のみ決勝トーナメントに進めるのに対して、伊丹ホープスでは3位まで順位別のトーナメントが設けられている。そのため、基本的には「予選で負けたらすぐに帰宅」ということにはならない。これは、公式大会とは違うオープン戦の良さだろう。
写真:相原志綸(Y.Y LINK)/撮影:ワダハルキ
そして、いざ予選グループが始まると、会場のあちこちで「よー!」「やー!」という得点時の叫び声が聞こえ始めた。
なかでも、バンビの部はHNT合宿の参加権がかかっていることもあり、ベンチや観覧席にいた保護者からも熱い声援が多かったように思えた。
写真:吉野るた(たなかクラブ)/撮影:ワダハルキ
試合開始は午前9時過ぎだったが、参加者が200名を超えていたこともあって予選リーグだけで午前は終了。お昼を回ったころに順位別のトーナメントが始まった。
順位別トーナメントでは1位トーナメントはもちろん、2位トーナメント、3位トーナメントでも数多くの熱戦が繰り広げられた。
写真:仲本楓翔(関西卓球アカデミー)/撮影:ワダハルキ
そして、ホープスの部の決勝には、今年の全日本ホカバで準優勝に輝いた仲本楓翔(関西卓球アカデミー)と、ベスト8の三宅直斗(ばらの町卓球場)が勝ち上がってきた。
写真:三宅直斗(ばらの町卓球場)/撮影:ワダハルキ
ともに小学生離れしたラリー戦を得意としているだけあって、試合は序盤から激しい打ち合いの展開に。しかし、試合は終始、三宅が主導権を握ったまま進み、第3ゲームこそデュースにもつれるも、3ゲームを連取した三宅が勝利。見事、優勝に輝いた。
写真:ホープスの部1位トーナメントを制した三宅直斗(ばらの町卓球場・写真左)と準優勝の仲本楓翔(関西卓球アカデミー)/撮影:ワダハルキ
なお、今回の結果から、新たに男女合計9名(男子6名、女子3名)の選手が、来年度のHNT合宿の参加権を獲得した。過去には伊丹ホープスからHNT合宿に参加し、NT入りを果たした選手もいるため、今回参加権を獲得した選手たちの今後の活躍にも期待が集まる。
運営は伊丹卓球協会
このように多数の選手が参加して大きな盛り上がりを見せた伊丹ホープスだが、運営は地元・伊丹の伊丹卓球協会が務めている。通常、この手の全国規模の大会では都道府県卓球協会が運営に入ることも多いが、伊丹ホープスは創立当初から伊丹卓球協会が運営を続けてきた。
しかも、実際に運営業務に入っているスタッフは数名規模だと言うのだから驚きだ。
写真:開会式であいさつをする下司さん/撮影:ワダハルキ
「2年前までは大会の組み合わせを決めたり、トーナメント冊子を作ったりなど、諸々の業務はほとんど私ともう一人の人間で行っていました。今は合同会社ThreeStarに組み合わせ作成を委託し、選手の保護者の方や協会役員にも助けていただいていますが、それでも業務量は多いですね(笑)」
こう語るのは、大会を運営する伊丹卓球協会理事長/下司剛広(しもじたかひろ)さん。そんな下司さんも、普段は別の仕事をしながら空いた時間を使って卓球協会の仕事をこなしていると言う。
写真:伊丹卓球協会の方々/撮影:ワダハルキ
まさに、“手作り”のオープン戦と言える伊丹ホープス。これからも伊丹ホープスが、全国の小学生にとっての夢舞台であり続けてほしいと、帰りの電車に揺られながら切に思った。
なお、次回大会は2026年12月12日(土)~12月13日(日)で開催予定となっており、新たに中学生の部の新設も検討されているという。
ホープス男子
1位トーナメント
写真:三宅直斗(ばらの町卓球場)/撮影:ワダハルキ
1位:三宅直斗(ばらの町卓球場)
2位:仲本楓翔(関西卓球アカデミー)
3位:木原寿馬(ALL STAR)、柴田優星(STライトニング)
2位トーナメント
写真:榎田一翔(綾部紫遊クラブ)/撮影:ワダハルキ
1位:榎田一翔(綾部紫遊クラブ)
2位:加藤瑛大(SK)
3位:栗田廉斗(美崎クラブ)、吉川友晴(TS平松)
3位トーナメント
写真:川田健人(長井ジュニア卓球スポーツ少年団)/撮影:ワダハルキ
1位:川田健人(長井ジュニア卓球スポーツ少年団)
2位:下山悠太(礼武道場)
3位:片岡傑(TRY ANGLE)、薮内怜(Crossover)
カブ男子
1位トーナメント
写真:門野進之介(Y.Y LINK)/撮影:ワダハルキ
1位:門野進之介(Y.Y LINK)
2位:李天佑(Dream卓球クラブ)
3位:萬田晴也(STライトニング)、相原志綸(Y.Y LINK)
2位トーナメント
写真:加藤遥馬(緑橋卓球場)/撮影:ワダハルキ
1位:加藤遥馬(緑橋卓球場)
2位:渡邊颯一郎(レインボー)
3位:宇野結理(東広島スカイジュニア)、大上新太(神楽)
3位トーナメント
写真:髙木琉晴(はばたキッズ)/撮影:ワダハルキ
1位:髙木琉晴(はばたキッズ)
2位:吉野明琳(たなかクラブ)
3位:趙芸陽(伊丹ジュニア)、福島悠太(吉岡SC)
バンビ男子
1位トーナメント
写真:中村虹希(はやぶさクラブ)/撮影:ワダハルキ
1位:中村虹希(はやぶさクラブ)
2位:氏平尚志(TCマルカワ)
3位:足立将登(神戸TC)、柴田煌心(STライトニング)
2位トーナメント
1位:唐銘浩(個人)
2位:布施優翼(布施卓球場)
3位:吉野琉太(たなかクラブ)、坂場郁斗(岸田クラブ)
3位トーナメント
1位:今里航己(綾部紫遊クラブ)
2位:坂本奏佑(はばたキッズ)
3位:米倉悠貴(竹取クラブ)、吉村来夢(Habi Table)








