写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 「30歳過ぎても、無名校出身でも」登録者300万人超卓球YouTuberが掴んだ悲願の“1勝”<第78回東京卓球選手権大会>
2026.03.24
文:ラリーズ編集部
<TOKYO OPEN 2026 第78回東京卓球選手権大会 日程:3月17日~22日 場所:京王アリーナTOKYO(メイン・サブ) >
20日、第78回東京卓球選手権大会は大会4日目を迎え、男子シングルス3回戦にチャンネル登録者300万人を超える大人気YouTuber「卓キチちゃんねる」として活動する中西淳(平野卓球センター)が出場。渡邉崚(専大北上高)にゲームカウント0-3で敗れた。
試合後、中西に話を聞いた。
中西淳(平野卓球センター)コメント
―― 久しぶりの全国大会ということでしたが、いかがでしたか?
中西:前回出たときはまだサラリーマンをやっていて、東京で初めて予選を通過したんです。そのときは達成感がありすぎてしまって、結局本戦はボコボコにやられるという経験をしました。なので、今回は本気で頑張って勝とうと思って大会に挑みました。
仕事を辞めてYouTubeに専念して、山梨に引っ越ししたタイミングから全国大会の予選にはずっと出続けていました。でも、全日本社会人、全日本、東京選手権と、全部ギリギリ通過できないという状況がこの数年間ずっと続いていて。YouTubeは伸びているけど、「このままじゃダメだ」「もっと頑張れよ」って自分に感じるようになって。
写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
なので、言い訳せずに真剣に卓球と向き合おうと去年から思い始めて、毎日練習するか、練習できない日は必ずトレーニングすることを決めました。ただその分、YouTubeと卓球のストレスで爆食いして、ちょっと太ってしまったんですが(笑)。
それでも1年間真剣に向き合った結果、予選を通過して久しぶりに東京選手権に挑めることになって、そこからさらにめちゃくちゃ練習して今大会に臨みました。今回、一般の部で勝てたことは本当に良かったです。
常に卓球を広めたいという思いでネタ系の動画をたくさん投稿しているんですが、それと同時に「自分みたいな中学始めの無名の選手でも頑張れば全国の舞台で勝てる」ということ姿を見せることで、視聴者の方にも「俺にもワンチャンあるんじゃないか」と思ってもらいたいなと。
―― 初戦は途中まで苦しい展開でしたが、粘っての大逆転でしたね。
中西:フォアのロングサービスを狙って出したんですが、見事に逆を突かれるようなストレートにノータッチレシーブを食らって(笑)。
もともとツッツキとストップが自分の武器なんですが、普段の練習やオープン戦の環境は台がボロボロだったりボールが歪んでいたりしてイレギュラーが起きやすいので、ツッツキが必ず1試合で何本か得点できていたんです。でも、1ゲーム目はツッツキが1本も効いてくれなくて、ツッツキしたら終わりという状態で。
写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
その時点では正直諦めていたんですが、ベンチの「頑張れ」という応援もあって、「負けるなら振って負けろ」と思って開き直って声を出してプレーすると、さっきまでミスしていた球がネットインやエッジで入ってくれるようになって。その後、5ゲーム目になってからツッツキや粘りが少し効くようになってきました。
ラッキーもありながら勝てた試合ではあったんですが、初めて東京選手権で1勝できて本当に嬉しかったです。
―― そのまま勢いで挑んだ3回戦が渡邉選手との試合でした。
写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
中西:やばかったです(笑)。渡邉選手の名前は知っていたんですが、前情報を調べすぎると緊張してしまうかと思って、あまり調べないままコートに立ちました。ただ、僕が他の大会でめちゃくちゃボコボコにされていた橋本一輝選手を倒して上がってきていたので、ノーチャンスかなと(笑)。
それでも、「まずは楽しむ、その次にミスをしないようにする」と決めて試合に入ったんですが、まずサービスがすごかったですね。弾道も切り方もナックルに見えるのに、下回転が意味が分からないくらい切れていて(笑)。
自分のサービスになったときも、ボールが少しでも台から出ると確実にチョリって(ドライブをして)きますし、バックで入れに来てくれたと思ったらボールに回転が予想の3倍くらいかかっていて。サービス、ストップ、ツッツキ、チョリ、全部見た目より3倍くらい回転がかかっていて、もうずっと手品を受けているような感覚でした(笑)。でも、それがとにかく楽しかったです。
プロ選手と練習や練習試合をすることもあるんですが、本番の試合でしか味わえない感覚でした。ツッツキで切っても、深く差しても、打点を早くしても全部通用しなかったですし、ぶち抜かれまくったんですけど、本当に楽しかったです。
―― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
中西:自分としては、目標を決めてしまうとそれしか見えなくなって視野が狭まってしまったり、達成できなかったときにメンタルが落ち込んでどんどん悪い方向に向かってしまう経験があるので、実は明確な目標設定というのをあまり決めていなくて。
基本的には「今この瞬間を頑張る」というのを常に意識していて。YouTubeも卓球もそのことを意識していたら、数字や結果が後からついてきた、という感覚でずっとやってきました。なので、今後の展望と言われると、「今を頑張り続ける」というくらいしかないんです。
強いて言うなら、YouTubeでは卓球をやっていない人や初心者の方、卓球を辞めてしまった方にまた興味を持ってもらえるようなネタ動画を上げ続けながら、長尺の動画では卓球プレーヤーとしてガチな部分も見せていきたいと思っています。最近はあまり練習動画を出していなかったんですが、実はめちゃくちゃ練習していて、今回もその結果で勝てたと思っています。
30歳を過ぎても、無名校の出身でも頑張れるんだということを、卓球に興味を持ってくれた人にも、卓球をやっている人にも伝えたくて。いろんな層の方に喜んでもらえる活動を続けていければいいなと思っています。
写真:中西淳(平野卓球センター)/撮影:ラリーズ編集部
本当に日頃から練習に付き合ってくださる方、一緒に撮影してくださる方、応援してくださるファンの方、本当にいろんな方に支えてもらって今の自分があります。今後も落ち込むときもあると思うんですが、とにかく今を頑張ってまいります。今後も応援していただける方、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。








