文:ラリーズ編集部
<卓球・第19回アジア競技大会卓球競技代表候補選手選考会 日時:4月9~10日 場所:赤羽体育館>
10日、第19回アジア競技大会卓球競技代表候補選手選考会が終了し、男子は吉村真晴(愛知ダイハツ)、女子は平野美宇(木下グループ)がそれぞれ優勝。シングルスと団体の2種目で代表権を獲得した。
吉村、決勝で熱戦をものにする
吉村は予選リーグ第3試合で松下大星(クローバー歯科カスピッズ)との”愛知工業大”OB対決を4-1で決勝に勝ち上がった。
写真:吉村真晴(愛知ダイハツ)/撮影:ラリーズ編集部
決勝では2度のフルゲームを制して勝ち上がってきた戸上隼輔(明治大)との”野田学園”OB対決となった。決勝は第4ゲーム終了時点で3-1とリードするも、第5、6ゲームをデュースで取られる苦しい展開になった。
しかし、試合後に「第3ゲームを取られて諦めかけたが、格上の戸上に対してどう崩すかを考えた」とコメントしたように、経験値を生かした相手のミスを誘うプレーで最終ゲームを取って優勝を勝ち取った。
戸上、優勝まで一歩及ばず
戸上は予選リーグ3試合目の及川瑞基(木下グループ)戦を含めて3試合中2試合をフルゲームの末勝ち上がった。
写真:戸上隼輔(明治大)/撮影:ラリーズ編集部
決勝でもフルゲームとなり優勝まであと一歩に迫ったが、吉村から最後の1ゲームを取り切れず悔しい敗戦となった。ラリー戦では強さを見せたが、台上技術やサーブレシーブで差をつけられて勝負所を落としてしまった。
及川、松下が団体代表に
反転式ペンを使う松下は第3試合で吉村に負けたが、1日目に横谷晟(愛知工業大)をストレートで下していたため2位となり、25歳で悲願の代表入りを決めた。
写真:松下大星(クローバー歯科カスピッズ)
及川は第3試合で戸上に敗れて及川、曽根翔(愛知工業大)、 吉山僚一(愛工大名電高)の3人が1勝2敗で並ぶ混戦となったが。しかし、戸上戦でもフルゲームに持ち込んで得失ゲーム差で上回った及川が2位となり団体代表に内定した。
平野、圧巻の優勝
平野美宇(木下グループ)は全勝同士の戦いとなった佐藤瞳(ミキハウス)との第3試合を制して決勝に進出した。
写真:平野美宇(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
決勝では急成長中の木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)との戦いとなり接戦が予想されたが、第1~3ゲームを連取すると第4ゲームを11-1で奪い貫録を見せつけて優勝を決めた。
平野は日本生命から木下グループに移籍後初の大会となった大会で優勝した。試合後に「男子選手とも練習でき、卓球に集中できる環境が整っていたことが勝因だった」とコメントしたが、木下グループとしての今後の活躍が期待される。
木原、伊藤を倒し2位に
木原は伊藤美誠(スターツ)に対して伊藤も「実力で負けた」とコメントする程充実した試合内容を見せて4-2で決勝に進んだ。
写真:木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)/撮影:ラリーズ編集部
特に、バック対バックの異質同士のラリー戦を多くものにしており、試合後には「素直に嬉しい」と伊藤を倒した喜びを口にした。
決勝は平野の勢いに飲まれてストレート負けとなったが、今後の活躍が楽しみだ。
伊藤、佐藤は世界卓球に続き団体代表内定
伊藤は第3試合で木原と対戦するも、木原の猛攻を受けきれず予選リーグ2位に終わった。
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
「調子が悪いわけではなく、実力で負けた」と完敗を認めた伊藤は団体の代表には内定しており、これから東京五輪金メダリストの意地を見せて復活できるか注目だ。
佐藤は優勝した平野に対して2ゲームを奪い食い下がるも、最後は平野に押し切られた。しかし、予選リーグ2勝1敗で2位となり世界卓球に続いて団体の代表権をつかみ取った。
シングルスのみがパリ五輪選考ポイント付与対象で、優勝者には今年の大会の中で最も高いポイントが設定されているためシングルスが特に重要な代表権となっている。
男子結果
シングルス代表
吉村真晴(愛知ダイハツ)
団体代表
吉村真晴(愛知ダイハツ)
戸上隼輔(明治大)
及川瑞基(木下グループ)
松下大星(クローバー歯科カスピッズ)
写真:及川瑞基(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
女子結果
シングルス代表
平野美宇(木下グループ)
団体代表
平野美宇(木下グループ)
木原美悠(JOCエリートアカデミー/星槎)
伊藤美誠(スターツ)
佐藤瞳(ミキハウス)
写真:佐藤瞳(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部