【完全保存版】ジャパントップ12女子 全試合結果まとめ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

大会報道 【完全保存版】ジャパントップ12女子 全試合結果まとめ

2019.03.09

石川佳純(全農)

3月2日、3日に「LIONカップ 第23回ジャパントップ12卓球大会(兼2019年世界卓球選手権日本代表選考会)」がカメイアリーナ仙台にて行われた。

大会初日(2日)は、2019年4月21日~28日にブダペストで開催される世界卓球選手権(以下、世界卓球)代表の1枠をかけ、芝田沙季・早田ひな・加藤美優・森さくら・笹尾明日香・安藤みなみ・木原美悠・長﨑美柚の8名によるトーナメントが行われ、見事、加藤美優が最後の1枠を勝ち取った。

大会2日目は世界卓球代表者5名(石川佳純・伊藤美誠・平野美宇・佐藤瞳・加藤美優)によるトーナメントが行われ、石川が2年ぶり4度目の優勝を飾った。

近年、卓球王国である中国に肉薄する強さを見せる卓球日本女子。この2日間のハイレベルな激闘を振り返る。

初日(3月2日)

【準々決勝】
この日は優勝者のみが世界卓球シングルス代表に内定するという注目の試合。ポルトガルオープンで優勝したばかりの早田ひなや、全日本選手権で準優勝に輝いた木原美悠らが出揃った。12月の一次予選会終了後から、各々がこの日のために調整を重ねてきた。まさに意地とプライドをかけた戦いである。

昨年の世界卓球(団体)では強化本部からの推薦で代表入りするも、出番なく終わった長﨑。人一倍強い出場への思いをぶつけ、フルゲームで芝田を破った。

芝田沙季(ミキハウス)

1次予選会を3位で通過した森は4-1で全日本学生選抜優勝者の笹尾明日香を退けた。ほとんどのゲームでポイントでは競っていたが、持ち前の咆哮とパワーあふれるプレーで勝ち切った。

笹尾明日香(早稲田大学)

加藤美優は1次予選会に続いて安定感のあるプレーで、専修大学主将の安藤みなみに4-2で勝利。

安藤みなみ(専修大学)

そして注目の集まった、2月のポルトガルオープン優勝で勢いに乗る早田と、14歳木原の試合は4-2で早田に軍配が上がる結果に。早田が巻き込みサーブからの威力ある両ハンドで、最後まで攻め抜いた。

木原美悠(JOCエリートアカデミー)

【準決勝】
続く準決勝では、森が豪快な両ハンド攻撃で4-2で長﨑を破った。一方で10-5とマッチポイントを握った早田ひなに、最後まで諦めなかった加藤が逆転勝利。気持ちでつかみ取った勝利である。

森さくら(手前・日本生命)/長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)

早田ひな(日本生命)

【決勝】
そして、勝者のみが世界卓球2019への切符を手にすることができる決勝戦は初戦からエンジン全開で勝ち上がってきた森(日本生命)、昨年のジャパントップ12優勝者の早田に逆転勝ちし流れに乗る加藤(日本ペイントホールディングス)の対戦となった。
お互いに勝ちたい気持ちが前面に表れていたが、加藤が自身の名がついたミユータ(ボールの横を捉えながら返球する台上テクニック)を駆使しながら試合を押し切り、見事に世界卓球への切符を掴みとった。

森さくら(日本生命)

加藤は試合後の会見で、「早田さんは本当に強くて、追い詰められてもうダメだと思ってからは力が抜けて練習通りのプレーができた。これまでオリンピックを目指してきて、もう諦めようかと思ったが、まだあきらめない、チャンスがあると思った。」と語り、加藤にとっては気持ちの面でも大きな変化につながる勝利だったようだ。

加藤美優(日本ペイントホールディングス)

2日目(3月3日)

【準々決勝】
大会2日目は既に世界卓球代表の決まっている石川・伊藤・平野・佐藤に加えて、前日に優勝した加藤が参戦し日本一を争う。世界的に見てもトップレベルにいる日本女子の試合に注目が集まった。

まずは前日に優勝して勢いに乗る加藤が登場し、その相手は今大会唯一のカットマン(台から距離を取り、バックスピンをかける打法での返球を軸に守備的に戦うスタイル)の佐藤瞳。その勢いは止まらず、佐藤の攻めを冷静にブロックし、チャンスボールが来るまで粘る戦術で加藤が4-2で準決勝へと駒を進めた。

佐藤瞳(ミキハウス)

【準決勝・3位決定戦】
準決勝では伊藤と平野の注目の”みうみま”対決が実現。両者は元々ダブルスを組んでいたこともあり、お互いに球質や性格などを知り尽くしており熱戦が期待された。試合は伊藤が積極的な攻めで3ゲームを連取し、勝利に王手をかける展開に。しかし、ここから平野も意地を見せゲームカウントは3-3、最終ゲームに勝負が持ち込まれた。最後は伊藤が戦術の引き出しの多さをみせ、決勝進出を決めた。

平野美宇(日本生命)

一方で、昨日から4連勝で流れに乗っている加藤と2年ぶりの出場となった石川の試合は4-2で石川の勝利。第1ゲームを加藤が先取し主導権を握ると思われたが、そこから石川がしっかりと対応し、加藤の勢いを止めた。

3位決定戦は平野と加藤の対決に。他の試合は7ゲームマッチだが、3位決定戦だけは5ゲームマッチで行われた。平野は巻き込みサービス(手首を内側に巻き込むようにして逆回転をかける)、加藤はしゃがみ込みサービス(サーブを打つ際に、しゃがみこみながら回転をかける)を中心に戦い、フルゲームにもつれた接戦を平野が制し、3位入賞を決めた。

平野美宇(奥・日本生命)/加藤美優(日本ペイントホールディングス)

【決勝】
そして迎えるは決勝戦、世界ランキング4位・石川と7位・伊藤という日本の上位2人による対決に。石川は台から距離を取ってラリーに持ち込む作戦で第1,2ゲームを連取。そこから伊藤の強気の攻めでゲームカウント2-2の振り出しに戻るも、大事な場面で相手のミスを見逃さなかった石川が4-2で伊藤を破り、2年ぶり4回目の優勝を飾った。

伊藤美誠(スターツSC)

石川は試合後に「今日は最初から最後まで勇気をもってプレーしようと思っていた。良いプレーができてよかった。現地やテレビで応援してくれる皆さんや、いつも応援してくださる方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」と試合を振り返るとともにファンへ感謝の言葉を送り、笑顔で今大会を終えた。

石川佳純(全農)

スコア詳細

初日

【準々決勝】
芝田沙季(ミキハウス) 3-4 長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)〇
7-11/11-4/11-8/5-11/11-6/6-11/3-11
笹尾明日香(早稲田大学) 1-4 森さくら(日本生命)〇
8-11/11-8/1-11/8-11/9-11
〇加藤美優(日本ペイントホールディングス) 4-1 安藤みなみ(専修大学)
11-6/9-11/11-4/13-11/11-8
木原美悠(JOCエリートアカデミー) 2-4 早田ひな(日本生命)〇
6-11/11-9/8-11/4-11/11-7/7-11

【準決勝】
長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園) 2-4 森さくら(日本生命)〇
11-8/10-12/11-3/4-11/7-11/8-11
〇加藤美優(日本ペイントホールディングス) 4-3 早田ひな(日本生命)
4-11/4-11/11-9/11-7/7-11/11-8/13-11

【決勝】
森さくら(日本生命) 1-4 加藤美優(日本ペイントホールディングス)〇
7-11/11-9/5-11/8-11/6-11

2日目

【準々決勝】
〇加藤美優(日本ペイントホールディングス) 4-2 佐藤瞳(ミキハウス)
11-6/4-11/11-3/9-11/11-9/11-3

【準決勝】
平野美宇(日本生命) 3-4 伊藤美誠(スターツSC)〇
10-12/5-11/4-11/11-6/11-9/11-7/8-11
〇石川佳純(全農) 4-2 加藤美優(日本ペイントホールディングス)
4-11/11-5/11-6/11-13/11-8/11-5

【3位決定戦】
加藤美優(日本ペイントホールディングス) 2-3 平野美宇(日本生命)〇
14-16/11-4/8-11/11-8/8-11

【決勝】
〇石川佳純(全農) 4-2 伊藤美誠(スターツSC)
11-5/11-9/11-13/2-11/11-9/12-10

文・写真:ラリーズ編集部