文:ラリーズ編集部
<ITTFワールドツアー・ハンガリーオープン 2020年2月18日~2月23日>
大会5日目となった22日、女子シングルス準々決勝が行われ、平野美宇(日本生命)がドイツの36歳ベテランカットマン、ハン・イン(ドイツ)にゲームカウント3-4で敗れた。Tリーグでも活躍しているハンが準決勝への切符を掴んだ。
平野美宇、ハン・インの老獪なテクニックに屈する
写真:ハン・イン(ドイツ)/提供:ittfworld
試合はミスのないカット打ちに加えて、ミドル攻めからの広角な攻めを見せた平野がハンを大きく突き放して素晴らしいスタートダッシュをかけた。ループドライブとスピードドライブの速さの緩急に加えて、ボールの深さにも緩急をつけた平野が1ゲーム目を奪う。
しかし、続く2,3ゲーム目はハンが後陣からでもフォアへの決定打を引き返したほか、カットでも粘りを見せ平野のミスを誘う。加えて変化のわかりづらいツッツキで追い打ちをかけ2ゲームを連取した。
平野としては苦しい流れとなった4ゲーム目、変わらずなかなかハンを打ち抜けないまま先にタイムアウトを取らされる。しかし、その後は1ゲーム目に見せたカットの頂点前を捉えるドライブと、ナックル性のドライブでチャンスを作り、思い切ったスマッシュでそこから2ゲームを奪い返した。
続く6ゲーム目、平野のカット打ちの質は下がらず、厳しいミドル攻めからハンを崩し続ける。5-4とハンがリードしている場面で状況を打開しようとしたハンがタイムアウト。このタイムアウトが功を奏して平野のミスを誘って6ゲーム目を制し、勝負の行方は最終7ゲーム目へ。
最終ゲーム、すべて決定打になってもおかしくない強打を連打し、平野が1点目を奪う。その後も遅いループドライブや、打点に変化をつけながらハンを揺さぶり、チャンスボールを見逃さずにスマッシュを放つも一進一退の攻防が続く。5-4で平野がリードし、チェンジコート。
その後も1点を奪い、このまま振り切るかと思われたが、ここからベテランの意地を見せたハンがとにかく平野の決定打を拾い続ける。打ち抜けないことがプレッシャーとなった平野は逆転され、最後のスマッシュがネットに突き刺さり、ゲームセット。死闘を制することはできなかった。
詳細スコア
平野美宇 3-4 ○ハン・イン(ドイツ)
11-4/9-11/9-11/11-9/11-8/5-11/9-11