文:ラリーズ編集部
<2019世界卓球選手権大会・個人戦(ハンガリー・ブダペスト) 2019年4月21日~4月28日>
26日、世界選手権の男子シングルス準々決勝が行われ、丹羽孝希(4月度世界ランキング8位・24歳)=スヴェンソン=が梁靖崑 (同9位・22歳)=中国=と対戦した。
日本にとって世界選手権男子シングルス40年ぶりのメダルをかけた試合であったが、ゲームカウント3-4で敗戦を喫し、丹羽は8強で大会を終えた。
最初のポイントは丹羽が好ラリーを制し、幸先の良いスタートを切るが、相手もパワーのあるフォアハンド攻撃で応戦。第1ゲームからデュースにもつれ込んだが、このゲームはパワーを活かした梁が取得した。
1ゲームを追いかける丹羽は、相手のロングサーブに苦戦するも、自身のサーブからの展開で食らいつく。8-10とリードされている場面でも、サーブからの連続得点でデュースに持ち込み、第2ゲームを取得。ゲームカウント1-1と並んだ。
第3ゲームは、丹羽のサーブに対して相手がストップで対応。丹羽はこのストップレシーブに苦しみ、再び1ゲームを追う展開になった。これで流れが相手に渡ってしまったか、続くゲームは大量点差で落とし、丹羽は後がなくなった。
第5ゲーム、会場にはファンの“コーキ”コールが響く。ゲーム序盤はリードを奪われた丹羽であったが、声援の力を借りて8-8と追いついた。この場面でここまで負けていた打ち合いの展開でポイントを奪取。その次のポイントを、利き手と反対の右手に持ち替えて打球するファインプレーで取得した丹羽が、ゲームカウントを2-3にし、反撃の狼煙をあげた。
丹羽のファインプレーに一段と大きくなる“コーキ”コール。会場の雰囲気を味方につけた丹羽が続くゲームも奪い、勝負を最終ゲームに持ち込んだ。
最終ゲーム、流れは丹羽にあったかと思われたが、5連続失点でチェンジコート。ここから丹羽は点差を詰めることができず、惜しくもフルゲームで敗れた。
丹羽孝希、試合後のコメント
丹羽は試合について「非常に悔しい。3-3で僕に流れが来た。会場の声援が僕の味方をしてくれてシモンが勝った時と同じ雰囲気だったので行けるかなと思った。最終ゲームはチームジャパンとして40年ぶりのメダルを意識してしまった。1-3の時のように無心でプレーすればよかった。相手は最終ゲームにミスが少なくなった。常にメダルを取り続けている国の意地を感じた」とコメント。
東京五輪に向けては「中国選手には0-4,1-4で負けることが多いが今日は3-4。今後に活きてくる。中国オープンもこの世界選手権と同じぐらい大事だと思っている。ワールドツアーが10試合くらい続くので、そこで勝って東京五輪のシングルス2枠を取りたい」と力強く語った。
試合のスコア
<男子シングルス 準決勝>
丹羽孝希 3-4 梁靖崑(中国)
10-12/12-10/8-11/4-11/11-9/11-7/5-11