"皇帝"健在 ボルが8度目の欧州王者に輝く<卓球・ヨーロッパ選手権> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:ティモ・ボル/提供:ittfworld

大会報道 “皇帝”健在 ボルが8度目の欧州王者に輝く<卓球・ヨーロッパ選手権>

2021.07.07

文:ラリーズ編集部

<卓球 ヨーロッパ選手権 2021年6月22~27日>

6月22日~27日に、ヨーロッパ選手権個人戦が行われ、男子シングルスでティモ・ボル(ドイツ)、女子シングルスでペトリッサ・ゾルヤ(ドイツ)が優勝した。

>>衰え知らずのドイツの皇帝 38歳ティモ・ボルが7度目優勝<卓球・ヨーロッパTOP16カップ>

皇帝・ボルが通算8度目の戴冠

男子シングルス決勝では、ティモ・ボルとドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)の東京五輪ドイツ代表対決となった。


写真:ティモ・ボル/提供:ittfworld

第1ゲームはオフチャロフが11-9で制し、好スタートを切ったが、そこからボルが第2~4ゲームを連取して勝利に王手をかける。何とか挽回したいオフチャロフだったが突破口を掴むことはできず、第5ゲームもボルが勝利。ゲームカウント4-1でボルが通算8度目のヨーロッパ王者の称号を獲得した。

男子シングルス順位

優勝:ティモ・ボル(ドイツ)
準優勝:ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)
3位:マティアス・ファルク(スウェーデン)、マルコス・フレイタス(ポルトガル)

ゾルヤがドイツ代表対決を制す

女子シングルス決勝には、ペトリッサ・ゾルヤ(ドイツ)とシャン・シャオナ(ドイツ)が勝ち上がり、男子シングルスと同じく東京五輪ドイツ代表対決となった。


写真:ペトリッサ・ゾルヤ/提供:ittfworld

ゾルヤとシャンは今大会ダブルスのペアも組んでおり、お互いのプレーは知り尽くしている。それだけに熱戦が予想されたが、試合は第1~第3ゲームをゾルヤが連取する一方的な展開となった。シャンも意地で第4ゲームを奪うが、第5ゲームではゾルヤが11-2と圧巻の試合運びを見せて、勝利。ゲームカウント4-1でゾルヤがヨーロッパ王者に輝いた。

女子シングルス順位

優勝:ペトリッサ・ゾルヤ(ドイツ)
準優勝:シャン・シャオナ(ドイツ)
3位:マルガリタ・ペソツカ(ウクライナ)、エリザベタ・サマラ(ルーマニア)

快進撃を見せたロシアペアが驚きのV

女子シングルス決勝には、Lev KATSMAN/Maksim GREBNEV(ともにロシア)ペアとヤコブ・ディアス(ポーランド)/セドリック・ヌイティンク(ベルギー)ペアが勝ち上がってきた。


写真:Lev KATSMAN(写真右)・Maksim GREBNEV/提供:ittfworld

Lev KATSMAN/Maksim GREBNEVペアは今大会、マティアス・ファルク/クリスティアン・カールソン(ともにスウェーデン)ペアや、ベネディクト・デューダ(ドイツ)/邱党(キュウダン・ドイツ)ペアといった、実力者を次々と退ける快進撃を続けてきた。決勝でも、ヤコブ・ディアス/セドリック・ヌイティンクペアに危なげない試合運びを見せ、ゲームカウント3-1で勝利。優勝の瞬間には、ラケットを床に落として抱き合い、喜びを爆発させた。

男子ダブルス順位

優勝:Lev KATSMAN/Maksim GREBNEV(ロシア)
準優勝:ヤコブ・ディアス(ポーランド)/セドリック・ヌイティンク(ベルギー)
3位:ティアゴ・アポロニア/ジョアン・モンテイロ(ともにポルトガル)、Adam SZUDI/Nandor ECSEKI(ともにハンガリー)

東京五輪代表ペアが同胞対決を制す

女子ダブルス決勝には、ペトリッサ・ゾルヤ/シャン・シャオナペアとニーナ・ミッテルハム/サビーネ・ウィンター(ともにドイツ)ペアが勝ち上がってきた。


写真:ペトリッサ・ゾルヤ(写真左)とシャン・シャオナ/提供:ittfworld

両ペアともドイツ国籍の同胞対決となった決勝戦。ミッテルハム/ウィンターペアが第1ゲームを制するも、第2ゲームはゾルヤ/シャンペアが奪い、そこからゲームの取り合いが続く展開に。最終第5ゲームでも接戦が繰り広げられるが、ゾルヤ/シャンペアが11-8で勝利し、ゲームカウント3-2で女子ダブルス優勝を決めた。この優勝により、ゾルヤは今大会単複で2冠を達成した。

女子ダブルス順位

優勝:ペトリッサ・ゾルヤ/シャン・シャオナ(ドイツ)
準優勝:ニーナ・ミッテルハム/サビーネ・ウィンター(ドイツ)
3位:ステファニー・ロエウイリーテ(フランス)/ユアン・ジャナン(フランス)、ガンナ・ガポノワ(ウクライナ)/Tetyana BILENKO(ウクライナ)

“名将の愛息”がダブルスの名手を完封

混合ダブルス決勝には、邱党(キュウダン・ドイツ)/ニーナ・ミッテルハムペアとルボミール・ピシュティ/バラボラ・バラージョバー(ともにスロバキア)ペアが勝ち上がってきた。


写真:邱党(写真奥)/ニーナ・ミッテルハム/提供:ittfworld

邱党は、Tリーグ・木下アビエル神奈川の監督を務める邱健新(キュウジェンシン)氏の息子。ドイツ代表として数々のワールドツアーに出場している実力者だ。そして、対戦相手のルボミール・ピシュティは森薗政崇(BOBSON)とのダブルスでワールドツアー優勝を果たしたこともある、ダブルスの名手。接戦が予想されたが、結果は邱党/ミッテルハムペアが3-0でストレート勝ち。大舞台での勝負強さを見せ、邱党/ミッテルハムペアが混合ダブルスチャンピオンに輝いた。

混合ダブルス順位

優勝:邱党/ニーナ・ミッテルハム(ドイツ)
準優勝:ルボミール・ピシュティ/バラボラ・バラージョバー(スロバキア)
3位:エマニュエル・ルベッソン/ユアン・ジャナン(フランス)、シモン・ゴジ/プリティカ・パヴァデ(フランス)

ヨーロッパ選手権 男子シングルス結果


写真:男子シングルス表彰式/提供:ittfworld

決勝

〇ティモ・ボル 4-1 ドミトリ・オフチャロフ
9-11/11-6/11-9/11-8/11-8

準決勝

〇ティモ・ボル 4-2 マティアス・ファルク
13-11/12-10/11-6/9-11/9-11/11-7

〇ドミトリ・オフチャロフ 4-2 マルコス・フレイタス
11-9/8-11/9-11/14-12/11-8/11-9

ヨーロッパ選手権 女子シングルス結果


写真:女子シングルス表彰式/提供:ittfworld

決勝

〇ペトリッサ・ゾルヤ 4-1 シャン・シャオナ
11-7/11-3/11-9/4-11/11-2

準決勝

〇ペトリッサ・ゾルヤ 4-2 エリザベタ・サマラ
11-4/14-12/9-11/7-11/11-8/11-6

〇シャン・シャオナ 4-0 マルガリタ・ペソツカ
11-6/11-9/11-7/11-4

ヨーロッパ選手権 男子ダブルス結果


写真:男子ダブルス表彰式/提供:ittfworld

決勝

〇Lev KATSMAN/Maksim GREBNEV 3-1 ヤコブ・ディアス/セドリック・ヌイティンク
12-10/11-8/8-11/11-7

準決勝

〇Lev KATSMAN/Maksim GREBNEV 3-2 Adam SZUDI/Nandor ECSEKI
9-11/11-9/7-11/11-7/11-7

〇ヤコブ・ディアス/セドリック・ヌイティンク 3-0 ティアゴ・アポロニア/ジョアン・モンテイロ
11-8/11-6/11-5

ヨーロッパ選手権 女子ダブルス結果


写真:女子ダブルス表彰式/提供:ittfworld

決勝

〇ペトリッサ・ゾルヤ/シャン・シャオナ 3-2 ニーナ・ミッテルハム/サビーネ・ウィンター
7-11/11-7/10-12/11-8/11-8

準決勝

〇ペトリッサ・ゾルヤ/シャン・シャオナ 3-1 ステファニー・ロエウイリーテ/ユアン・ジャナン
7-11/11-9/11-8/11-6

〇ニーナ・ミッテルハム/サビーネ・ウィンター 3-1 ガンナ・ガポノワ/Tetyana BILENKO
10-12/11-6/11-7/11-8

ヨーロッパ選手権 混合ダブルス結果

決勝

〇邱党/ニーナ・ミッテルハム 3-2 ルボミール・ピシュティ/バラボラ・バラージョバー
11-9/11-8/11-6

準決勝

〇邱党/ニーナ・ミッテルハム 3-2 エマニュエル・ルベッソン/ユアン・ジャナン
14-12/11-7/4-11/5-11/13-11

〇ルボミール・ピシュティ/バラボラ・バラージョバー 3-2 シモン・ゴジ/プリティカ・パヴァデ
11-7/9-11/7-11/13-11/11-4

邱党インタビュー


写真:邱党(キュウダン・ドイツ)/撮影:伊藤圭

>>名将の愛息・邱党「欲しいのは世界ランキングじゃない」見据えるのは2024年パリ五輪