文:ラリーズ編集部
<ヨーロッパ選手権団体戦 日程:9月28日~10月3日 場所:クルジュ=ナポカ>
9月28日~10月3日、ヨーロッパ選手権団体戦がルーマニアのクルジュ=ナポカで行われ、東京五輪銀メダリストのティモ・ボル、ドミトリ・オフチャロフが不在の男子ドイツ代表が決勝でロシア代表を破り、通算10度目の優勝を達成した。
フランチスカが2点取りで優勝を決める
男子団体決勝の舞台には、ドイツとロシアが勝ち上がってきた。ドイツは今大会、大黒柱のボルとオフチャロフを欠きながらもグループリーグを全勝で通過し、決勝トーナメントも危なげなく勝ち進んできた。
写真:パトリック・フランチスカ/提供:ETTU
決勝戦は1番シングルスでベネディクト・デューダがMaksim GREBNEVに敗れロシアが先制するも、2番シングルスでフランチスカがLev KATSMANにフルゲームの末、勝利。3番シングルスでは邱党(キュウダン)がウラジミール・シドレンコを3-1で下し、ドイツが優勝に王手をかける。
迎えた4番シングルスには再びフランチスカが登場。相手は1番シングルスで勝利を挙げていたMaksim GREBNEV。2ゲームを先取後フルゲームデュースまで粘られる苦しい展開となるが、最後は15-13でなんとか競り勝ち、マッチカウント3-1でドイツの10度目の優勝を決めた。
写真:Maksim GREBNEV/提供:ETTU
また、敗れはしたものの、準決勝でマティアス・ファルク擁する強豪のスウェーデンを撃破したロシア代表は、今大会最もサプライズを提供したチームと言える。決勝出場3選手の平均年齢が19.7歳で、Maksim GREBNEVやLev KATSMANらドイツ・ブンデスリーガでしのぎを削る選手が多いロシア代表は、今後ヨーロッパの新興勢力となり得るか。
フランチスカ 試合後コメント
「ロシアは今大会素晴らしい活躍だった。彼らはとても若く、非常に高いポテンシャルを秘めている。僕らは今日の試合でベストなパフォーマンスを発揮しなければならないと分かっていた。おめでとう、ロシア!彼らには輝かしい未来が待っているだろう。だから、僕らはそんな彼らに勝てて今はとても幸せだよ。僕らは少し本命視されていたからね。僕らにとってより良い決勝戦となったと思う」
ヨーロッパ選手権男子団体 結果
写真:男子ドイツ代表/提供:ETTU
1位 ドイツ
2位 ロシア
3位 デンマーク、スウェーデン
ミッテルハムがツインエースを撃破
女子団体決勝には、ドイツとルーマニアが勝ち上がってきた。ドイツは今大会、東京五輪代表のペトリッサ・ゾルヤが欠場。男子同様主力を欠きながらも、選手層の厚さを見せ、決勝まで勝ち進んできた。
写真:ニーナ・ミッテルハム/提供:ETTU
1番シングルスでは、先日のヨーロッパトップ16で優勝したニーナ・ミッテルハム(ドイツ)と、ベルナデッタ・スッチ(ルーマニア)が対戦。このカードは奇しくもヨーロッパトップ16準決勝の再戦となり、リベンジに燃えるスッチが第1、第3ゲームを制し、勝利に王手をかける。しかし、ミッテルハムは第4ゲームを奪うと、最終第5ゲームも逆転の末に勝利。フルゲームの熱戦を制して、ドイツに貴重な1勝をもたらした。
写真:ベルナデッタ・スッチ/提供:ETTU
続く2番シングルスはサビーネ・ウィンター(ドイツ)が勝利。3番シングルスはドデアン・モンテイロ(ルーマニア)が制し、マッチカウント2-1となった4番シングルスに再びミッテルハムが登場する。相手は、スッチと並ぶルーマニアのエース、エリザベタ・サマラ。先に2ゲームを奪われる苦しい展開になるが、1番シングルス同様逆転勝利。ミッテルハムの2点取りの活躍で、ドイツがヨーロッパ王者に輝いた。
ミッテルハム 試合後コメント
「まさか再びスッチと対戦するなんて思ってもいなかった。彼女はとても危険な選手だし、個人的に彼女のようなプレースタイルの選手と再び対戦するのは難しいと思っていた。試合の序盤は彼女が勝っていたけど、私も修正し、勝つためのカギは総じてメンタルの強さだと思っていた。(最終ゲームで)5-9とリードされて諦めかけたことは覚えているけど、そこからどうやって勝ったのかは説明できないわ。ただひたすら、一点ずつ取ることに集中していただけ」
ヨーロッパ選手権女子団体 結果
写真:女子ドイツ代表/提供:ETTU
1位 ドイツ
2位 ルーマニア
3位 ポルトガル、フランス
邱党インタビュー(2019年9月公開)
写真:邱党(キュウダン・ドイツ)/撮影:伊藤圭