写真:林詩棟(リンシドン・中国)/提供:WTT
大会報道 中国トップの林詩棟、梁靖崑が揃って敗退 中国の新鋭が劇的Vで初タイトル<卓球・WTTコンテンダーマスカット2026トピックス3選>
2026.01.25
戦型:右シェーク裏粒
<卓球・WTTコンテンダーマスカット2026 1月19~24日 場所:マスカット(オマーン)>
1月24日、WTTコンテンダーマスカット2026(以下、WTTマスカット)は大会最終日を迎え、全試合が終了した。
本記事では、WTTマスカットで話題となったトピックスを3つ紹介する。
梁靖崑が初戦敗退
写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/提供:WTT
世界ランキング7位の梁靖崑(リャンジンクン・中国)は、今大会男子シングルスの第2シードとして出場。第1シードの林詩棟(リンシドン・中国)とともに優勝候補と目されていたが、1回戦で世界ランキング46位の黄友政(ファンユージェン・中国)に敗れた。
前提として、黄友政は弱い選手ではない。昨年の国際大会では張本智和(トヨタ自動車)や篠塚大登(愛知工業大)に勝利し、1週間前のスターコンテンダードーハでは戸上隼輔(井村屋グループ)を下してベスト8まで勝ち進んでいる。しかし、以前の梁靖崑なら負けるような相手ではないことも事実だ。
昨年の梁靖崑はシンガポールスマッシュ準優勝、ワールドカップ3位、世界選手権銅メダルと、前半戦はこれまで通りの活躍をしていた。しかし、世界選手権以降は国際大会で表彰台から遠ざかっている。
今シーズンに入ってもチャンピオンズドーハでは準々決勝で林詩棟に、スターコンテンダードーハでは初戦で周启豪(ジョウチーホウ・中国)に敗北。そして今大会での初戦敗退と、その状況は悪化する一方だ。
梁靖崑は今の中国代表ではベテランの部類に入るが、まだ29歳。決して老け込むような年齢ではない。何とかして再浮上のきっかけを掴めるか。
林詩棟がヨルジッチに惜敗
写真:ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)/提供:WTT
梁靖崑と同じく優勝候補筆頭と目されていた林詩棟は、準々決勝で世界ランキング15位のダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)に敗れた。
林詩棟も梁靖崑ほどではないが、昨シーズン終盤から成績は振るわない。スウェーデンスマッシュ準優勝、ファイナルズ香港3位など、要所で活躍はしているものの、チャンピオンズ横浜では2回戦敗退、チャンピオンズマカオでは準々決勝敗退と、中国トップ選手に求められる「安定感」は欠いている。
そして、今シーズンもチャンピオンズドーハでは準決勝で敗れ、スターコンテンダードーハでは3回戦で敗れた。
もちろん、林詩棟はまだ21歳の若手選手だ。成績が安定しなくても仕方がないと言えば仕方がない。
しかし、林詩棟はただの21歳の若手選手ではない。世界ランキング1位の王楚欽(ワンチューチン・中国)に次ぐ世界ランキング2位の選手で、中国代表の実質的な2番手なのだ。
だからこそ、結果が出なかったときの落胆の大きさは、その他の選手とは比べ物にならない。
その重圧に打ち勝つのは並大抵のことではないだろう。しかし、林詩棟はまだまだ若い。まさに今が踏ん張り時だ。
中国の新鋭・温瑞博がWTT初タイトル
写真:温瑞博(ウェンルイボー・中国)/提供:WTT
梁靖崑と林詩棟の敗退と、暗いニュースの多い中国男子において、温瑞博(ウェンルイボー・中国)は唯一の希望と言えるかもしれない。
この18歳の中国の新鋭は男子シングルスで強敵を次々と退け、見事自身初のWTTシングルスタイトルを獲得した。
特にパトリック・フランチスカとの決勝は圧巻だった。温瑞博は先に3ゲームを連取するも、フランチスカに3ゲームを取り返され、最終第7ゲームもデュースにもつれるかなり苦しい展開に。しかし、温瑞博は最後まで攻撃の姿勢を貫き、会心の勝利を掴み取った。
2年前のWTTマスカットで17歳にして準優勝に輝いたときは、「数か月以内にWTTのタイトルを獲るだろう」と言われていた温瑞博。しかし、昨シーズンは結局一度もタイトルに恵まれず、ラストイヤーとなった世界ユースでも日本の川上流星(星槎横浜)に苦杯を喫した。
思い通りにいかないシーズンを過ごした温瑞博だったが、今シーズンは初陣となったスターコンテンダードーハでいきなり準優勝。ブレイクの兆しを見せたなかで、今回見事優勝を掴み取った。
馬龍(マロン)、樊振東(ファンジェンドン)が国際大会から退いて以降、林詩棟や梁靖崑に代表されるように、中国男子は安定感を欠いてきた。そんななか、今シーズンは温瑞博が中国男子の起爆剤となるかもしれない。






