文:ラリーズ編集部
<東京五輪卓球競技 7月24日~8月6日 場所:東京体育館>
27日、東京五輪の卓球競技4日目の男子シングルス4回戦に張本智和(木下グループ)が登場。ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)にゲームカウント3-4で敗れた。
張本が“スロベニアを東京五輪に導いた男”と対戦
張本は、前日26日に初戦となる男子シングルス3回戦に挑み、林兆恒(リンチャンフン・中国香港)にゲームカウント4-1で勝利し駒を進めてきた。
写真:張本智和(木下グループ)/提供:ITTF
対するヨルジッチは、3回戦でイングランドのエース、リアム・ピッチフォードを下している22歳だ。また、2020年1月の東京五輪団体予選のインド戦では、サイチヤン・グナナセカラン、カマル・アチャンタとインドを代表する実力者を打ち破り、スロベニアを東京五輪男子団体戦出場に導いた。
写真:ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)/提供:ITTF
両選手は直近、2018年のチェコオープンで対戦しており、張本が4-0で完勝しているが、ヨルジッチは今急成長中とどのような試合になるか注目が集まっていた。
張本、ベスト8ならず
ヨルジッチは、コースのわかりづらいバックサービスから打点の早い両ハンドドライブで張本を攻め立てる。特にヨルジッチのバックドライブは、威力が強烈でコースもわかりづらく、張本も手を焼き、ヨルジッチが先にゲームポイント。しかし、少し荒さの見えるヨルジッチのミスを逃さず、張本がデュースで1ゲーム目を先取した。
第2ゲーム、ヨルジッチがリードする展開で進む。万全の体勢で打つヨルジッチのドライブには威力があり、さすがの張本も対応に苦しむ。張本は第2ゲームを9-11で落とすと、第3ゲームも3-11と連続で落としてしまう。
写真:ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)/提供:ITTF
第4ゲームも1-4とリードされ、ベンチの倉嶋洋介監督がタイムアウト。何とか流れを引き戻したい張本は、じわじわと追い上げ、8-8とついに追いつく。デュースにもつれ込むが10-10から張本がサービスエース、レシーブエースと2連続得点でゲームカウントをタイに戻した。
第5ゲーム、この試合初めて張本が先にゲームポイントを握り、11-8で奪取。第6ゲームも序盤張本がリードするも、ヨルジッチが息を吹き返し、試合は最終ゲームへ。運命の最終ゲーム、一進一退の攻防が続くも、ヨルジッチに軍配。張本はベスト16で姿を消した。
ただ、張本にはまだ男子団体が残っている。メダルへの望みを懸け、張本は男子団体に臨む。
男子シングルス4回戦
張本智和 3-4 〇ダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)
12-10/9-11/3-11/12-10/11-8/7-11/8-11
張本智和、試合後のコメント
振り返り
自分と同じバックハンドの強い選手で、五分五分かなと思ったんですけど、今日はバックハンドの方が威力があって、そこで主導権を握れなかったので、フォアハンドも自信を持って打てなかったかなと思います。
4ゲーム目のタイムアウトから流れはちょっと変わったんですけど、やはり6ゲーム目の1,2本リードで取り切れなかったのが、7ゲーム目ちょっと厳しいなというのは感じてたので、自分の流れのうちに勝ちたかったというのはありました。
怪我の影響
昨日の試合中も右手は痛くなかったですし、昨日は乗り越えたので、ほんとに今日ヨルジッチ選手との1対1の勝負で、相手の方が上だったなと思います
初めての五輪は
楽しくも怖かった。普段の思い切ったプレーができずに、負けるときはいつもそうなので。後悔はそこまでないですね。ちゃんと出しきれない中でも出し切ったと思うので、本当に相手が強かったです。
自分が日本選手団で初めて負けてしまったので、この借りは団体で返したいと思います。
張本智和インタビュー
写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ