＜卓球・ITTF世界ユース選手権大会2025　日程：2025年11月23日〜30日　場所：クルジュ＝ナポカ（ルーマニア）＞

11月23日〜30日にかけてルーマニアのクルジュ＝ナポカにてITTF世界ユース選手権大会2025（以下、世界ユース）が行われ、全種目で優勝者が決まった。

本記事では、世界ユースで話題となったトピックスを5つ紹介する。

川上流星が金メダル

写真：川上流星（星槎横浜高）/提供：ITTF

U19男子シングルスでは、16歳の川上流星（星槎横浜高）が金メダルを獲得した。準々決勝では世界ランキング33位のフラビアン・コットン（フランス）、準決勝では同51位の温瑞博（ウェンルイボー・中国）をともにフルゲームの末に下して決勝進出。決勝では吉山和希（岡山リベッツ）との日本勢対決を制し、頂点に立った。

写真：川上流星（星槎横浜高）/提供：ITTF

今大会の川上はU19男子団体での金メダルも含め、計4つのメダルを獲得。U19男子シングルスでの金メダルは、前身の世界ジュニアで2016年に張本智和が獲得して以来、9年ぶりの快挙となった。

※なお、世界ユース・世界ジュニアでの男子シングルス金メダル自体は2021年の松島輝空（U15男子シングルス）以来となるが、前身の世界ジュニアではU19とU15のカテゴリー分けがなかったため、U19での金メダル獲得で記載しています。

写真：吉山和希（岡山リベッツ）/提供：ITTF

また、吉山も決勝で敗れはしたものの、準々決勝で世界ランキング66位のユリアン・チリタ（ルーマニア）、準決勝で李和宸（リホチェン・中国）を破る見事な戦いぶりで銀メダルを掴んだ。

日本が団体で金メダル2つ獲得

写真：U19男子日本代表/提供：ITTF

U19男子団体では、川上流星、吉山和希、渡部民人（JOCエリートアカデミー/星槎）、中野琥珀（野田学園高）のメンバーで挑んだ日本が、準決勝までの喪失マッチわずか1という圧巻の内容で決勝へ進出。決勝ではインドにストレートで快勝し、金メダルを獲得した。

写真：U15女子日本代表/提供：ITTF

また、U15女子団体に村松心菜（ミキハウスJSC）、石田心美（石田卓球N⁺）、髙橋青葉（木下アカデミー）、瓜生日咲（木下アカデミー）のメンバーで臨んだ日本は、準決勝で宿敵・中国をストレートで撃破。決勝では韓国にマッチカウント3–1で勝利し、優勝を飾った。

なお、日本が団体戦で金メダルを2つ以上獲得したのは、前身の世界ジュニアの2016年大会以来となる。なお、U19女子団体も日本は決勝で中国に肉薄したが、惜しくも銀メダルとなった。

U15女子シングルスでコハル・イタガキが優勝

写真：コハル・イタガキ（ドイツ）/提供：ITTF

U15女子シングルスでは、コハル・イタガキ（ドイツ）が金メダルを獲得した。

イタガキは、現在はドイツ・ブンデスリーガのケーニヒスホーフェンのヘッドコーチを務める板垣孝司氏を父に持つことでも知られており、準決勝で村松心菜をフルゲームで撃破。決勝でも祝启慧（中国）をゲームカウント4–2で下し、堂々の優勝となった。

U15男子団体でイタリア代表が快進撃

写真：ダニーロ・ファーゾ（イタリア）/提供：ITTF

U15男子団体では、イタリアが躍進を遂げた。準々決勝の日本戦、準決勝の中国戦では、エースのダニーロ・ファーゾ（イタリア）がそれぞれ2勝を挙げる大活躍を見せ、チームを決勝へと導いた。決勝では惜しくもチャイニーズタイペイに敗れたが、見事な戦いぶりで銀メダルを獲得した。

中国勢が団体で苦戦

写真：温瑞博（ウェンルイボー・中国）/提供：ITTF

今大会、中国勢は団体で決勝に進出できないカテゴリーが目立った。U19男子は準々決勝でチャイニーズタイペイに敗れ、U15男子は準決勝でイタリア、U15女子も準決勝で日本に敗れている。

中国の強さは依然として健在だが、他国の実力が確実に追いついてきていることを象徴する結果となった。

ITTF世界ユース選手権大会2025最終結果

U19男子シングルス

第1位：川上流星（星槎横浜高）
第2位：吉山和希（岡山リベッツ）
第3位：李和宸（リホチェン・中国）、温瑞博（ウェンルイボー・中国）

U19女子シングルス

第1位：覃予萱（チェンユーシュアン・中国）
第2位：縦歌曼（ゾンゲマン・中国）
第3位：小塩悠菜（JOCエリートアカデミー/星槎）、アンナ・ハーシー（ウェールズ）

U19男子ダブルス

第1位：郭冠宏（クオガンホン）/徐絃家（チャイニーズタイペイ）
第2位：川上流星（星槎横浜高）/吉山和希（岡山リベッツ）
第3位：チアゴ・アビオドゥン（ポルトガル）/ユリアン・チリタ（ルーマニア）、温瑞博（ウェンルイボー）/李和宸（リホチェン・中国）

U19女子ダブルス

第1位：ミア・グリーゼル（ドイツ）/アンナ・ハーシー（ウェールズ）
第2位：覃予萱（チェンユーシュアン）/縦歌曼（ゾンゲマン・中国）
第3位：葉伊恬/呉映萱（チャイニーズタイペイ）、ハナ・ゴーダ（エジプト）/ヴェロニカ・マティウニナ（ウクライナ）

U19混合ダブルス

第1位：李和宸（リホチェン）/覃予萱（チェンユーシュアン・中国）
第2位：ユリアン・チリタ（ルーマニア）/アンナ・ハーシー（ウェールズ）
第3位：川上流星（星槎横浜高）/青木咲智（四天王寺高）、金佳温（キムガオン）/崔娜炫（チェナヒョン・韓国）

U19男子団体

第1位：日本
第2位：インド
第3位：韓国、チャイニーズタイペイ

U19女子団体

第1位：中国
第2位：日本
第3位：韓国、チャイニーズタイペイ

U15男子シングルス

第1位：于海洋（中国）
第2位：周冠宏（中国）
第3位：陳凱程（チャイニーズタイペイ）、MA Yeongmin（韓国）

U15女子シングルス

第1位：コハル・イタガキ（ドイツ）
第2位：祝启慧（中国）
第3位：村松心菜（ミキハウスJSC）、Divyanshi BHOWMICK（インド）

U15男子ダブルス

第1位：周冠宏/于海洋（中国）
第2位：Gorkem OCAL/Kenan KAHRAMAN（トルコ）
第3位：大野颯真（木下アカデミー）/平塚健友（遊学館ジュニア）、鄭旻修/陳凱程（チャイニーズタイペイ）

U15女子ダブルス

第1位：祝启慧/劉子菱（中国）
第2位：石田心美（石田卓球N⁺）/村松心菜（ミキハウスJSC）
第3位：ジョセフィーナ・ニュウマン/コハル・イタガキ（ドイツ）、許玴玪/金珉舒（韓国）

U15混合ダブルス

第1位：Thitaphat PREECHAYAN/Kulapassr VIJITVIRIYAGUL（タイ）
第2位：于海洋/祝启慧（中国）
第3位：周冠宏/劉子菱（中国）、LEE Hong An/MOHD Dania（マレーシア）

U15男子団体

第1位：チャイニーズタイペイ
第2位：イタリア
第3位：韓国、中国

U15女子団体

第1位：日本
第2位：韓国
第3位：中国、インド