写真:混合団体ワールドカップ入賞チーム/提供:ITTFWorld
大会報道 日本は過去最高の銀メダル 中国は3大会連続の金メダル【卓球・混合団体ワールドカップ2025トピックス3選】
2025.12.08
文:ラリーズ編集部
<卓球・混合団体ワールドカップ2025 日程:2025年11月30日〜12月7日 場所:成都(中国)>
11月30日〜12月7日にかけて中国の成都にて混合団体ワールドカップ2025が行われ、優勝チームが決まった。
本記事では、混合団体ワールドカップ2025で話題となったトピックスを3つ紹介する。
中国が3大会連続の金メダル獲得
写真:中国チーム/提供:ITTFWorld
今年で3回目の開催となった混合団体ワールドカップでは、中国が3連覇を達成した。ステージ1では落としたゲーム数はわずか1という圧倒的な強さを見せた。
そして、続くステージ2でも中国は全勝で勝ち進み、準決勝の韓国戦は合計ゲームカウント8-3で勝利。決勝の日本戦も合計ゲームカウント8-1という圧巻の強さを見せ、金メダル獲得を決めた。
写真:王楚欽(ワンチューチン)/孫穎莎(スンイーシャ・中国)/提供:ITTFWorld
今回の混合ワールドカップは、今年4月に混合団体が正式種目に採用されたことを受け、日本をはじめ各国が主力級の選手を揃えた大会となった。特に日本は張本智和(トヨタ自動車)や張本美和(木下グループ)、早田ひななど五輪選手を揃えてきていたこともあり、その日本に2試合とも勝利で終えられたのは大きな収穫であっただろう。
日本が過去最高の銀メダル
写真:日本チーム/提供:ITTFWorld
今回で3回目の出場となった日本。第1回大会では決勝リーグで韓国、中国に敗れ、ドイツとの3位決定戦に勝利して銅メダルを獲得。第2回大会では若手中心のメンバーで挑み、ステージ2でアメリカ、フランスに勝利するも、最終的にステージ3へと進むことができず、5位で終えていた。
写真:張本美和(木下グループ)/提供:ITTFWorld
今大会には、パリ五輪に出場した張本兄弟や早田、戸上隼輔(井村屋グループ)、篠塚大登(愛知工業大)のパリ五輪代表に加え、松島輝空(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)、大藤沙月(ミキハウス)というメンバーで参戦。ステージ1を全勝で突破すると、ステージ2では中国、フランスに惜敗するも2位で突破した。
準決勝ではドイツに合計ゲームカウント8-3で勝利し、決勝では宿敵・中国と対戦。第1マッチ、第2マッチをともに0-3で落とした日本は、第3マッチで張本智和が意地を見せて1ゲームを奪うも、合計ゲームカウント1-8で中国に敗れた。
現時点でのベストメンバーで挑んだ日本だったが、今回も中国の壁を崩すことはできなかった。しかし、混合団体はまだ新しい種目で、オーダーの組み方や試合戦術にはまだまだ改善の余地があるだろう。
2028年のロサンゼルス五輪まで約2年半、混合団体を戦える機会はそう多くはないかもしれないが、選手の成長に加えて、日本代表には混合団体ならではの戦い方・勝ち方を見つけていってもらうことを願うばかりだ。
張本智和への理不尽な対応が大きな話題に
写真:張本智和(トヨタ自動車)/提供:ITTFWorld
日中関係の悪化が連日取り沙汰されるなかで行われた今大会。その余波は、何の関係もない卓球の試合にも影響を及ぼした。
ステージ2の中国香港戦では、張本智和が黄鎮廷(ウォンチュンティン)と試合をしている最中、観客席から張本に向けて明らかな侮辱と言える発言がなされ、周囲の観客もその発言に対して声をあげて笑っていた。そして、同じくステージで2の韓国戦では、試合前の選手紹介で張本の名前だけが呼ばれない一幕もあった。
さらにフランス戦では、張本が失点すると歓声があがり、得点をすればブーイングが起きたり観客が静まり返るなど、張本にとっては試合に集中できない状況となっていた。
写真:観客は地元・中国の人たちが多く集まった/提供:ITTFWorld
これらの出来事がすべて日中関係の悪化が原因とは断言できないが、少なからず影響を与えていることに間違いはない。卓球に限らず、スポーツの場に政治の話題を持ち込むことがいかに愚かなことであるか、今大会で我々は再認識させられた。
混合団体ワールドカップ2025最終結果
金メダル:中国
写真:中国チーム/提供:ITTFWorld
銀メダル:日本
写真:日本チーム/提供:ITTFWorld
3位:ドイツ
写真:ドイツチーム/提供:ITTFWorld
4位:韓国
5位:フランス
6位:クロアチア
7位:中国香港
8位:スウェーデン






