写真:大藤沙月(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 初戦白星の大藤沙月「五輪を意識したのはここ2、3年」坂本竜介コーチ「五輪を目指している」<卓球・WTTチャンピオンズ横浜2026>
2026.08.07
文:ラリーズ編集部
<2026WTTチャンピオンズ横浜 日時:8月4日〜9日 場所:横浜BUNTAI(神奈川県)>
6日、WTTチャンピオンズ横浜は3日目を迎え、女子シングルス1回戦では世界ランキング11位の大藤沙月(ミキハウス)が、同34位のアンナ・ハーシー(ウェールズ)と対戦した。
ともに両ハンドで攻撃を仕掛けていき、質の高いラリー戦を繰り広げる。ハーシーも戦術転換で1ゲーム取るが、終始安定感と威力のバランスで得点に繋げた大藤が勝利した。
試合後、大藤とベンチに入った坂本竜介コーチが報道陣の囲み取材に答えた。
大藤沙月(ミキハウス) コメント
── 試合お疲れ様でした。振り返ってみていかがですか?
大藤:苦しい展開から1点取ったので、自分にとってもすごく自信になった試合でした。
(ハーシー選手とは今回で)3回目の対戦になるので、相手の手の内もある程度分かっていたんですけど、前回の試合よりもサービスやレシーブをすごく対策しているなと感じたので、前回より苦しい試合になったと思います。
── 第3ゲームの相手のタイムアウトの後、相手が戦い方を変えてきたと思います。そこから第4ゲームはどう切り替えましたか?
大藤:1ゲーム取られたところでも、全然気にせずに切り替えてできました。
相手が戦術を変えてきたのは「そうだよな」という感じなんですけど、そこに(第3ゲームでは)自分がしっかり対応できなかったので、第4ゲームはその辺を念頭に置きながら試合しました。
── 第4ゲームのサービスもかなり良かったと思います。サービスはどういったことを考えていましたか?
大藤:相手が(自分の)サービスに慣れているのは前提で、色々なサービスを色々なコースに出すことを意識して試合していました。
── 今日の試合全体を通じて良かったこと、反省点についてあれば教えてください。
大藤:良かった点は、1試合目でも思ったより自分の体が動いていて、練習してきたことが出せたところです。
反省点は、サービスから3球目攻撃の部分でもっと攻められる部分がたくさんあったので、そこの見極めをしっかり練習していきたいと思います。
── WTTチャンピオンズの優勝経験はあると思いますが、日本開催のチャンピオンズで何か感じるものはありますか?
大藤:いつもは日本語の声援は聞こえないので、いつもよりちょっと緊張します(笑)。
応援してもらえるのはすごく嬉しいんですけど、そういうときに少し力が入ってしまうので。でも、声援を力に変えて頑張りたいです。
写真:大藤沙月(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部
── 今シーズンWTTで結果が出てきていると思いますが、大藤選手としてはこの結果は自信につながっていますか?
大藤:自信にはなっているんですけど、本当に強い選手がたくさんいるので、「誰に勝った」「誰に負けた」というのは気にせずに、1試合ずつ自分のプレーをしようと心がけています。
── 昨年から今年にかけては、技術的に向上しているのか、メンタル的に整ってきたのか、どういった感覚を持たれていますか?
大藤:まず一番心がけていたのは体作りです。この半年間はトレーニングを増やしているので、身体の強さにも自信がついているかなと思います。
── 卓球を始めたころの話もお聞きしたいのですが、3歳頃にお父さんがきっかけで卓球を始めたと聞きました。
大藤:お父さんが自分の地元のクラブチームのコーチをやっていたので、お兄ちゃんと一緒に自然に行くようになりました。
── 「五輪に出たい」と思い始めたのは何歳頃で、どんなきっかけがあったのでしょうか?
大藤:小学1年生で全日本バンビでベスト16に入ったんですけど、小学2年生で2位になったので、そこで親がすごく熱が入って「五輪だ!」みたいなことを言われてて(笑)。
当時は五輪が何かもわかっていなかったんですけど、五輪の映像をテレビで見て「すごくかっこいい舞台だな」と思って、自分も目指すようになりました。
── そのぼんやりとしていた五輪を現実的に目指そうとなったのはどのタイミングですか?
大藤:現実的に目指そうと思ったのは、ここ2、3年ぐらいの話です。しっかり目指してはいたんですけど、どういうものかわからない世界だったので。でも、今自分がこういう立場に来て、五輪出場の目標はすごく(現実的に)感じています。
写真:大藤沙月(ミキハウス)/撮影:ラリーズ編集部
── 2回戦への意気込みをお願いします。
大藤:次の相手はまだ決まってないんですけど、どちらもあまり対戦したことのない選手なので、まずはしっかり自分のプレーを出せるように練習したいなと思います。
── 日本のみなさんにどういったプレーを見せたいですか?
大藤:去年は自分が見せたいプレーがあまりできなかったので、今年はもっといいプレーが出せるように頑張りたいです。
坂本竜介コーチ コメント
── 現在の大藤選手の状態は、坂本さんから見ていかがですか?
坂本コーチ:先週はブラジル(WTTスターコンテンダーサン・ジョゼ・ドス・カンポス)とTリーグもあったんですけど、以前よりも状態は落ちちゃっていました。
でも、そこでまた修正して、横浜に来てからはだいぶ調子を上げられました。なので、今日のプレーはいつも通りのことができていたと思います。
── 坂本さんがコーチに就いてからスタイルを模索している中で、昨年あたりに対戦相手に慣れられて停滞する期間もあったと思いますが、その辺はどう捉えていますか?
坂本コーチ:「慣れられた」というのは、逆に言うと「認知された」ということなので(仕方ないかなと)。その中でまたさらにレベルアップして、常に変化を求めてやってきました。
以前に比べると攻撃と守備を上手く融合できていて、そのおかげで今シーズンは結果が出ている感じですね。全体的なレベルも年々上がってきているんえすが、攻守のバランスはだいぶ良くなってきたなと思います。
── WTTチャンピオンズ重慶で王曼昱選手に1回戦でストレート勝ちしたと思いますが、あの1勝はどう捉えてますか?
坂本コーチ:大きかったですね。(王曼昱選手は)なかなか日本人が勝ててない選手ですし、7年前の上位にもっと強い選手がいた中の王曼昱選手と、今の中国トップになっている王曼昱選手とでは違うので。
その後3大会連続で優勝できたので、あの試合で王曼昱選手に勝ったのは大藤にとっても自信になったと思います。
── 現在は、世界ランキング女子トップ20に日本勢が7名いると思いますが、今後の大藤選手としてはWTTに出てポイントを上げていくことが最優先と考えていますか?
坂本コーチ:もちろんそうです。それがもう一番ですね。五輪を目指してやっていて、そのためにはWTTでポイントを稼いでランキングを上げなきゃいけないので、最優先はもちろんWTTになります。
もちろんTリーグでもプレーしますが、WTTで勝って、世界選手権や五輪につなげていくために世界ランキングのポイントを稼ぐことがメインになりますね。
僕も大藤もエリートではないので、とにかく数をこなして経験を積んで、死に物狂いでどんな種目でもしがみついてやっていこうという話はしています。なので、女子ダブルスや混合ダブルスにも積極的にエントリーしているので、今やれることを悔いが残らないようにやることしか考えてないですね。
── プレー以外で、例えば性格的な部分とか人柄の面で大藤選手の成長を感じた場面はありますか?
坂本コーチ:よく喋るようになったんじゃないですか。前より明るくなったところはあると思います。
逆に言うと、私が教えるようになって2年半ですけど、2年半前の大藤あまり知らないんで(笑)。最初よりはかなり口数が多くなった感じがするので、明るくなったんじゃないかなと。
前よりも明るくなって、他の選手ともたくさん話すようになりましたし、そのおかげでいろんな選手と練習もやりやすくなった部分があるので、そういう意味では成長なんじゃないですかね。
女子シングルス1回戦
〇大藤沙月(ミキハウス) 3-1 アンナ・ハーシー(ウェールズ)
12-10 / 11-7 / 9-11 / 11-5






