文:ラリーズ編集部
<ITTFチャレンジ・ベラルーシオープン 2019年10月30日~11月3日>
10月20日に終了したポーランドオープン以来の国際大会となるベラルーシオープンが30日から開幕する。今大会もポーランドオープンと同じく、獲得ポイントの少ないITTFチャレンジのため、世界ランキング上位の選手の参加は少ない。日本選手にとっては、是が非でも上位に進出したい大会となる。今回は男女の試合の見どころをそれぞれ紹介する。
男子見どころ
写真:スウェーデンOPの宇田/提供:ittfworld
日本勢はシングルス・ダブルス合わせて10選手がエントリーしている。中でも注目は、宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)だ。
宇田は現在、ワールドツアー3大会連続で本戦出場を果たしており、8月のチェコオープンではシード選手を倒して1回戦を突破。また、10月20日に行われたTリーグでは初のシングルスでの出場も果たすなど、着実に力を付けてきている。今大会は、シングルスで日本男子では最高の第7シードを獲得。好調を維持したまま勝ち進み、表彰台に登ることはできるか。
また、宇田は戸上隼輔(野田学園高校)とのダブルスでも出場しており、こちらは第3シードを獲得している。しかも、このペアは5月のクロアチアオープンで優勝を果たした実績があり、パートナーの戸上も10月のドイツオープンの予選でチャイニーズタイペイのレジェンドである荘智淵(チュアンチーユエン)を倒すなど、確かな力をつけてきている。幼い頃から同世代のトップの座を常に競ってきた、ライバル同士の2人。上位進出、そしてその先の優勝を期待せずにはいられない。
日本勢の他には、ボヤン・トキッチ(スロベニア)、邱党(チュウダン・ドイツ)、エマニュエル・ルベッソン(フランス)、クリスチャン・プレテア(ルーマニア)といった、世界ランキング2桁台の実力者たちが揃っている。特に邱党は、強豪国ドイツから今年の世界選手権でシングルスに出場し、ジャパンオープンでは男子ダブルスで準優勝するなど、最近メキメキと実力をつけてきている若手の注目株だ。
彼らをどのように攻略していくのか、日本勢の戦いに注目したい。
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女子見どころ
日本勢はシングルス・ダブルス合わせて6選手がエントリーしている。中でも注目は、早田ひな(日本生命)だ。
早田は、今年のITTFチャレンジで3度優勝しており、ワールドツアーでも8月のブルガリアオープンから4大会連続で本戦に進出するなど、確かな実績を残している。今大会では第2シードを獲得しており、優勝候補の1人だ。また、2週間前のポーランドオープンでは、勢いある中国の若手選手に苦杯を嘗めさせられて、準々決勝敗退に終わっているだけに、今大会にかける思いも強いだろう。
写真:チェコOPの橋本帆乃香/提供:ittfworld
ダブルスでは、橋本帆乃香(ミキハウス)/塩見真希(ミキハウス)ペアに注目したい。橋本/塩見ペアは2週間前のポーランドオープンで優勝を勝ちとっており、非常に勢いがある。ITTFチャレンジ2大会連続優勝を達成できるのかが注目だ。
日本勢のライバルとなるのは、ウー・ユエ(アメリカ)、倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)、チャン・リリー(アメリカ)あたりか。中でも、倪夏蓮は元中国代表の肩書きを持ち、現在の世界ランキングは40位と、56歳になった今も第一線で活躍する、まさに鉄人だ。また、ペンホルダーに粒高ラバーを使う“ペン粒”という珍しい戦型も彼女の特徴の一つだ。彼女を攻略することが、上位進出のためには必須になる。