張本智和が14歳最後の大会で元世界王者を破り優勝<ライオン卓球ジャパンOP荻村杯・男子6/10(日)結果>


<LION卓球ジャパン・オープン荻村杯 北九州大会、2018年6月6日〜10日、北九州市立総合体育館>

LION卓球ジャパン・オープン荻村杯は6月10日に大会最終日を迎え、男子シングルスに前日絶対王者・馬龍を破った張本智和(5月度世界ランキング10位・JOCエリートアカデミー)が準決勝に登場した。

準決勝では韓国のエース・李尚洙(同8位)にゲームカウント4-2で勝利し、見事決勝進出を決めた。

決勝では元世界チャンピオンの張継科(同102位・中国)と対戦し、フルゲームデュースの死闘を制して勝利、2017年のチェコオープン以来、ワールドツアー自身3度目の優勝を飾った。

男子ダブルスは、鄭栄植/李尚洙(韓国)が梁靖崑/周愷(中国)を3-1で下し、優勝を果たした。

卓球ジャパンオープン(6/10)男子シングルス決勝トーナメント準決勝

準決勝第1試合はティモ・ボル(同4位・ドイツ)が棄権のため、張継科の不戦勝となった。

準決勝第2試合に張本が登場し、韓国の李尚洙と対戦した。2018年2月のチームワールドカップでは、張本がゲームカウント2-3で敗れている。

前日9日に、リオ金/世界卓球2連覇中の絶対王者・馬龍(同2位・中国)に勝利した張本は、1ゲーム目からトップギアだった。切れ味鋭いバックハンドが冴え渡り、1ゲームを先取する。しかし、対する李尚洙も韓国卓球界を支える選手である。エンジン全開の張本をもってしても、ゲームカウントは1-1のイーブンに戻された。

リードを奪いたい張本は3ゲーム目も積極的に攻める。先手を奪いたい李尚洙のミスをうまく誘い、張本が3ゲーム目を奪った。張本が得意とするサーブもじわじわと効き始め、続くゲームも取得し、ゲームカウント3-1と決勝進出に王手をかけた。

しかし、吹っ切れた李尚洙の強烈なバックハンドが張本を襲う。張本をもってしてもフルスイングのボールは抑えきれず、5ゲーム目は奪われた。続くゲームも序盤は、この流れを止められず0-5と大きく離される。フルゲームで前回苦杯をなめている張本はなんとしてもこのゲームで勝負を決めるため、懸命なプレーで5-5と追いつく。接戦になったがそのまま11-9で押し切り、見事決勝進出を決めた。

卓球ジャパンオープン(6/10)男子シングルス決勝トーナメント決勝

決勝戦は張本(14歳。2016年世界ジュニア王者)と張継科(30歳。2011年、13年世界卓球2連覇、ロンドン五輪金メダル)の対戦となった。張本は前週の中国オープンで張継科をストレートで下したばかりだ。

張本は序盤から積極的なレシーブで攻め込むが、張継科も元世界チャンピオンの意地で食らいつく。第1ゲーム、張本が9-10とリードを奪われた場面で、張継科の渾身のバックハンドに撃ち抜かれ、先制を許した。第2ゲームは張継科の安定感の前に、張本がミスを重ねてしまい、ゲームカウント0-2となった。

第3ゲーム、張本はストレートへのバックハンドを巧みに使い、有利な展開を増やすことに成功する。張本は9-5とリードを広げたが、9-8まで迫られた。張本がこの場面でタイムアウトを有効に使い、なんとか11-9とリードを守りきり、1ゲームを奪い返した。このゲームで張本は息を吹き返し、続く第4ゲームもキレのあるプレーを連発し、11-4と圧倒した。

第5ゲームは、張本がハリパンチ(張本の必殺技で、窮屈な体勢から繰り出されるフォアハンドのカウンタースマッシュ)を2本決めるなどのファインプレーを決めるも、デュースでゲームを失ってしまう。ゲームカウント2-3と、張本は後がなくなった。追い込まれた張本はこれまで以上に積極的なプレーに展じ、勝負をファイナルゲームに持ち込んだ。

運命のファイナルゲーム、1点目を張本が取ると、会場のボルテージも最高潮に。張本が得点を重ねるたびに応援の熱量は増していく。6-2でリードしたところからまさかの5連続失点で逆にリードを奪われる。その後7-9と苦しい展開になるも、冷静なプレーで9-9へと持ち込んだ。この場面で先にマッチポイントを握ったのは、張継科だった。しかし、張本も思い切ったプレーで10-10に追いつく。そして次のマッチポイントは張本に訪れたが、ここでは決めきれない。再び張本がマッチポイントを握ると、ここで勝負有り。張本がフルゲーム13-11の死闘を制して、見事に優勝を飾った。最後の得点時には、会場中が割れんばかりの声援に包まれた。

張本は前日の準々決勝で現・世界チャンピオンの馬龍に、決勝で前・世界チャンピオンの張継科に勝利を上げ、日本の地でのワールドツアータイトルを掴み取った。張本は6月27日に15歳の誕生日を迎える。14歳最後の大会を嬉しい優勝で締めくくった。

リオで腰を痛めてから世界の舞台から遠ざかっていた張継科は、優勝には至らなかったものの、第一線への復活の兆しを見せる形となった。

優勝後のコメント

張本智和「組み合わせを見て馬龍選手と当たると分かってから、優勝するなんて考えてもなかったので素直に嬉しい。世界選手権の悔しさ(準々決勝で韓国に敗れた)があったので、今大会はそれを晴らすために頑張ろうと思っていただけあって満足している。だけど、来年の世界選手権で金メダルを獲得することが目標なので、それまでは気を緩めずに頑張って生きたい。」

張継科「まずは勝った張本選手に『おめでとう』と言いたい。そして張本選手の成長も本当に嬉しいし、張本を擁する強豪国、日本に対して敬意を評したい。僕が国際大会の舞台に復帰して来たのは東京五輪に出るためだと思っているので、まだどこを強化してゆくのかは決まっていないが、今後待ち受ける大会のために今回の総括を進め、前に進歩して行きたい。」

先月の香港オープンから国際大会に復帰した張継科だが、「以前より試合を楽しみ、その試合の価値を実感できるようになった。」と心の面の余裕ができたことも話しており、今後さらなる進化が期待される。

卓球ジャパンオープン(6/10)男子結果

シングルス

<準決勝>
張継科(中国)不戦勝 ティモ・ボル(ドイツ)
※相手棄権のため

張本智和(JOCエリートアカデミー) 4-2 李尚洙(韓国)
11-5/10-12/11-4/11-5/5-11/11-9

<決勝>
張本智和(JOCエリートアカデミー) 4-3 張継科(中国)
9-11/8-11/11-9/11-4/10-12/11-7/13-11

ダブルス

<決勝>
鄭栄植/李尚洙(韓国) 3-1 梁靖崑/周愷(中国)
11-6/5-11/11-9/11-5

文:ラリーズ編集部
写真:

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