文:ラリーズ編集部
<ノジマTリーグ2019/20シーズン 12月7日(土)愛知県武道館>
7日、11月24日ぶりに行われた女子の試合では木下アビエル神奈川(以下木下)とTOP名古屋(以下名古屋)が対戦した。試合前、昨シーズン2位の木下は3位、対する名古屋は最下位とやや遅れをとっていた。
世界ジュニアで優勝した長﨑美柚や木原美悠といった若手を主力に据える木下と、森田彩音、梅村優香、笹尾明日香の現役大学生3人が中心の名古屋の対決は3-2で木下が勝利した。
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木原美悠、驚異の2点取りでチームの危機を救う
写真:木原美悠(木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE
第1マッチ、木下からは世界ジュニア優勝ペアの長﨑美柚/木原美悠ペアではなく、浜本由惟/長﨑美柚のペアを起用。長﨑や木原をシングルスで起用するためだろう。対する名古屋は大学でもペアを組んでいる梅村優香/森田彩音ペアが登場。
強烈なチキータから先手を取る木下ペアVSストップやツッツキなどの巧みな台上プレーで先手を取らせない名古屋ペアは、互いに試合の序盤から持ち味を発揮する。1ゲーム目の終盤から抜群のコンビネーションでラリー戦を制した名古屋ペアが1ゲーム目を先取するが、続く2ゲーム目は木下ペアが多彩なサーブで名古屋ペアのレシーブを乱し、ゲームを上手く進めた。最終ゲームはサーブから先手を取った名古屋ペアが、木下ペアの猛追を振り切り、貴重な先制点を挙げた。
続く第2マッチでは、15歳の前陣速攻プレーヤー木原 VS 36歳カットマンのハン・インの対照的な選手の対決となった。変化の読みづらいカットは無理せずつなぎ、チャンスボールは積極的にスマッシュで畳みかける木原が安定感抜群のプレーを見せる。ハン・インも2ゲーム目から執拗に木原のフォアを攻めて1ゲームを返すも、力及ばず木原のテクニックの前に屈し、前半をマッチカウント1-1で折り返した。
ハーフタイムを挟んで迎えた勝負の第3マッチは、ゼン・ジャン対エリザベタ・サマラの外国人選手対決。ともにパワーのある選手で、男子選手並みの迫力あるプレーが多く見られた対戦となった。実力が伯仲した両者の試合は、ゲームカウント2-1でサマラがリードして迎えた4ゲーム目でゼンに8-4でリードされる展開に。そこからサマラが高い集中力を見せ、ゼンに1点も与えずに強打で圧倒し、逆転で勝利を収める。
第4マッチは世界ジュニアチャンピオンの長﨑と、3年前の全日本ジュニアでその長﨑を破っている笹尾明日香の対戦となった。笹尾はバック面の表ソフトラバーと威力のあるフォアハンドの球質の差で長﨑を苦しめるが、長﨑が終始威力と安定性を兼ね備えた両ハンドドライブと、サーブで勝利を掴み、後がなくなった木下の窮地を救った。
マッチカウント2-2となったため、ヴィクトリーマッチに突入。木下からは木原美悠が、名古屋がハン・インが登場し、第2マッチの再戦となった。第2マッチと同様に木原が安定したカット打ちと、ツッツキ・ストップでハンを前後左右に翻弄し、序盤から大きくリード広げる。ベテランの意地を見せたいハンは揺さぶられたボールに対しても食らいついて厳しいコースを狙い、じわじわと木原のミスを誘う。9-7で木原リードの場面からハンが驚異の粘りを見せてデュースまで持ち込んだ。最後は15歳とは思えない貫録を見せた木原が、ハンの攻撃にも焦らずしっかりと守り切って勝利した。
スコア:木下アビエル神奈川 3-2 TOP名古屋
写真:ハン・イン(TOP名古屋)/提供:©T.LEAGUE
浜本由惟/長﨑美柚 1-2 ○梅村優香/森田彩音
7-11/11-6/9-11
○木原美悠 3-1 ハン・イン
11-5/10-11/11-10/11-7
ゼン・ジャン 1-3 ○エリザベタ・サマラ
11-10/9-11/9-11/8-11
○長﨑美柚 3-0 笹尾明日香
11-5/11-8/11-6
○木原美悠 1-0 ハン・イン
12-10
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