早田ひなが勝ち続けられるワケ リーグ最多11勝の日本生命エースは"研究家" | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 早田ひなが勝ち続けられるワケ リーグ最多11勝の日本生命エースは“研究家”

2020.12.23

文:ラリーズ編集部

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 12月23日(水)>

Tリーグ女子の試合が行われ、日本生命レッドエルフ(以下、日本生命)がトップおとめピンポンズ名古屋(以下、名古屋)との激戦を制した。1ゲームの延長戦であるビクトリーマッチ(VM)にもつれ込んだが、日本生命のエース、早田ひなが試合を決めた。

これで日本生命は今季8勝目、一方の名古屋は開幕から未だ勝ち星のない9連敗となった。

赤江がシングルスで今季初出場


写真:前田美優・赤江夏星ペア(日本生命)/提供:©T.LEAGUE

Tリーグは1番ダブルスが早期決着の3ゲームマッチだ。ダブルスを取れるかどうかで試合の流れが決まる。

日本生命は開幕から全試合起用のエースダブルス前田美優/赤江夏星ペアが、名古屋からは前回対戦で日本生命ペアを下した鈴木李茄/井林茉里奈ペアが登場した。今回の対戦では、日本生命ペアが圧倒し、ゲームカウント2-0で勝利した。赤江は「しっかり対策してきた」と前回の反省を活かし、完勝に繋げたことを明かした。


写真:敗れた鈴木李茄・井林茉里奈ペア(名古屋)/提供:©T.LEAGUE

また、赤江は、第3マッチでシングルス今季初出場を果たした。ここまでフル稼働していた于梦雨(ユモンユ)が寝違えたため、試合当日の朝に出場を告げられたという。

「出ると聞いたときはびっくりしたのと緊張しました」と思い返したが、試合では堂々の戦いぶりを見せた。敗れはしたもののリオ五輪団体銀メダリストのハン・イン(名古屋)を相手に1ゲームを奪った。


写真:赤江夏星(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

「試合中の対応力が今後の課題。Tリーグではファンの方もたくさんいらっしゃるので、自分も応援される選手になっていきたいと思っています」と今後の課題と抱負を語った。

早田ひなが2点取り


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

日本生命はエースの早田が第2マッチとVMで勝利した。

第2マッチでは、ルーマニアのサウスポー、エリザベタ・サマラ(名古屋)と対戦した。「サマラ選手も思い切ってやってきた。でも最後1本をしっかりしのげるなど、メンタル面の強さが良かった」と早田は自身の試合を評価した。


写真:エリザベタ・サマラ(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE

その後、第3、第4マッチで赤江、陳思羽(チェンズーユ)が敗れ、1ゲームの延長戦であるVMに試合はもつれ込んだ。相手はドイツのカットマン、ハン・イン(名古屋)。試合は、最後まで落ち着いて攻め切った早田が11-8で奪い、日本生命に今季8勝目をもたらした。


写真:ハン・イン(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE

早田は「先日(ハン・インには)ゲームオールで負けていた。(今回は)1ゲーム勝負だったので、すべての戦術を出し切るつもりで自分らしく落ち着いてプレーできてよかったです」とVMを振り返った。

なぜ早田ひなは強いのか


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

今回の2勝で早田は今季11勝。シングルスマッチ勝利数トップを走る。早田の強さはどういう部分にあるのだろうか。日本生命の村上恭和総監督はエースをこう評価する。

「身体能力もあるが、強さの秘訣は戦術を研究する研究家であること。(負けたあとに)同じ戦い方をしない。対戦相手が決まればビデオを見てすぐに研究している。(VMで対戦した)ハン・イン選手には前回負けているので、サーブ出す位置、ドライブで攻める位置を変えたり、攻撃されないようにバックに攻めたり良いプレーを出していた」。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

指揮官は早田の更なる飛躍に期待を寄せている。「(昨年は)怪我もしたし、五輪争いの遠征もあったし、苦しい場面をたくさん経験してきた。今はまた新しい目標に向かってスタートしている。また強くなれるのではないか」。


写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

早田本人は「日本生命レッドエルフは、常にベンチは明るくて、オフの日は一緒にご飯行ったりもする。オンとオフをしっかりわけるので、気持ちの切り替えも上手くいっている」とチームの雰囲気の良さを好成績の要因として語る。

「スタッフやサポートの方々が、選手のことを考えてくれる。準備やケアでたくさんお世話になっているので、とても感謝しています。今年は残り2試合。ファンのみなさんの応援を力に変えて頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」。

チームを引っ張るエースは、裏方のスタッフとファンへの感謝の言葉でヒーローインタビューを締めくくった。


写真:勝利した日本生命レッドエルフメンバー/提供:©T.LEAGUE

トップおとめピンポンズ名古屋 2-3 日本生命レッドエルフ

鈴木李茄/井林茉里奈 0-2 〇前田美優/赤江夏星
4-11/6-11

エリザベタ・サマラ 1-3 〇早田ひな
5-11/11-10/10-11/7-11

〇ハン・イン 3-1 赤江夏星
8-11/11-5/11-5/11-9

〇リン・イエ 3-1 陳思羽
9-11/11-5/11-10/11-6

ハン・イン 0-1 〇早田ひな
8-11

早田ひなインタビュー


写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部

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赤江夏星インタビュー


写真:赤江夏星/撮影:ハヤシマコ

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