文:ラリーズ編集部
<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月3日(日)帯広市総合体育館>
3日、帯広市にてノジマTリーグの試合が行われ、首位を走る木下マイスター東京(以下、KM東京)と、3位の岡山リベッツ(以下、岡山)が対戦した。前回までの対戦成績は2勝2敗と、首位のKM東京を苦しめてきたのが岡山だ。今回の対戦もヴィクトリーマッチ(Tリーグ独自の1ゲームマッチの延長戦)までもつれ込んだが、カットマンの侯英超(KM東京)が殊勲の勝利をあげ、KM東京が連敗を4で止めるとともに、勝点を33に伸ばした。どっちに転んでもおかしくはなかった激闘を振り返る。
KM東京 VS 岡山 各マッチの解説
1番:水谷隼/田添健汰 1-2 上田仁/森薗政崇
第1マッチのダブルスに出場したのは、岡山が上田仁/森薗政崇の定番ペア。ここを何としても取りたいKM東京は水谷隼/田添健汰のペアで対抗した。
上田のストップ(2バウンドするように短く止める技術)、森薗のチキータ(ボールの少し横をとらえる台上技術)と、得意なレシーブで優位に立った岡山ペアが大事な第1ゲームを先制した。第2ゲームも3-0と岡山ペアがリードを広げたが、ここでKM東京ペアがタイムアウトを取得。このタイムアウトが功を奏し、KM東京ペアに徐々に流れが傾き出した。台上では分が悪いと判断した水谷/田添ペアは、積極的に長いラリーに持ち込み、勝負を最終ゲームに持ち込んだ。
Tリーグのダブルスは3ゲームマッチかつ、最終ゲームは6-6から始まる。この第3ゲームの短期決戦を支配したのは岡山だった。チキータをするようなモーションを一度入れることで、うまくロングサービスを誘った森薗がレシーブエースを決めるなど、駆け引きの面でも上回り、11-8で勝利を収めた。
2番:侯英超 3-0 吉田雅己
シングルスに望みを託したKM東京からはカット主戦型の選手として前日の試合でも勝利を収めたベテラン・侯英超が出場。対する岡山からは吉田雅己が起用された。立ち上がりから侯が強烈なバックスピンのかかったカットで吉田を翻弄する。吉田の意識が下回転に向いたところで、無回転のボールを交えながらミスを誘うという、侯のベテランの戦術が光る。
まさに魔術師のようなカットで侯が3-0のストレートで圧倒した。ベテラン・侯の活躍により、チームマッチは1-1の同点に。岡山・吉田は終始攻略の糸口を見出すことができず、悔しさを滲ませた。
3番:水谷隼 3-0 上田仁
ハーフタイム後の第3マッチには、水谷(KM東京)と上田(岡山)が登場した。前日に戸上隼輔(T.T彩たま)に敗れている水谷は、序盤から気合十分なプレーを披露。様子見するようにプレーをすることも多い第1ゲームから、水谷が積極的な攻撃を見せ、幸先よく1ゲームを先制した。
第2ゲーム以降も水谷の攻撃が面白いように決まり、上田を圧倒。全日本選手権でV10を決めた決勝戦を彷彿させる高速プレーでストレート勝利を決めた。これで岡山は後がなくなった。
進化した水谷の高速プレーを見よ!
4番:松平健太 2-3 イサンス
後がない岡山は韓国卓球界を引っ張るイサンスに望みを託した。対するKM東京は松平健太で対抗する形だ。
互いに世界トップレベルのバックハンド技術を誇る選手であるが、イサンスの精度が若干上回り、第1ゲームを奪った。しかし、実力的にも拮抗した両者の試合は1ゲームを交互に奪い合う形で、結局は最終ゲームまでもつれ込んだ。
6-6からの短期決戦は9-9までスコアが進む接戦になったが、最後は松平の台上プレーがわずかにオーバーし、イサンスが嬉しい勝利をつかんだ。これで勝負はヴィクトリーマッチにもつれ込むことが決定した。
5番:侯英超 1-0 イサンス
ヴィクトリーマッチにコールされたのは、KM東京が侯、岡山がイサンスだった。1本目から長身を活かしたスーパーカットを見せた侯が着実にポイントを重ね、値千金の勝利をつかんだ。Tリーグに参戦する選手にとって、侯は新たな驚異としてその存在を知らしめたことだろう。
KM東京はこの勝利で勝点を33に伸ばし、連敗を4でストップ。首位をキープした。試合後のインタビューで水谷は「久しぶりの勝利を帯広であげられて嬉しい。声援が力になった。プレーオフで優勝できるように頑張りたい」と気持ちを語った。
スコア詳細:KM東京 3-2 岡山
水谷隼/田添健汰 1-2 上田仁/森薗政崇◯
9-11/11-8/8-11
◯侯英超 3-0 吉田雅己
11-5/14-12/11-6
◯水谷隼 3-0 上田仁
11-5/11-3/11-5
松平健太 2-3 イサンス◯
7-11/11-7/7-11/11-8/9-11
◯侯英超 1-0 イサンス
11-9