文:寺西ジャジューカ
<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 2月18日(月)高砂市総合体育館>
2月18日、高砂市総合体育館で木下マイスター東京(以下、KM東京)と琉球アスティーダ(以下、琉球)の試合が行われた。前の試合(2月16日)の岡山戦で0-4のストレート負けを喫したKM東京のホームゲームである。ちなみに、今日のKM東京には水谷隼がおらず、琉球も丹羽孝希が不在だ。
木下マイスター東京 VS 琉球アスティーダ 各マッチの解説
1番:田添健汰/大島祐哉 1-2 江宏傑/張一博
KM東京からは田添健汰と大島祐哉が、琉球からは江宏傑(ジャン ホン ジェ)と張一博が登場。田添と大島はTリーグになって初のペア結成である。一方、琉球の江は福原愛の夫でダブルスの上手い選手。台の厳しいところへボールをポンポン打っていく技巧派だ。
第1ゲームは琉球が取った。相手が取りにくくなるよう、江も張も台に近いところでバックハンドを多用したことが功を奏している。また、江がつないで張が決めに行くというパターンも成功。劣勢の田添&大島は、2人がもっとバックハンドでポイントをあげるなどの作戦が必要である。
その後、ゲームカウント1-1から第3ゲームへ突入し、江と張がいいプレーを見せて琉球が勝利を挙げた。特に後半、台上で炸裂した張のフォアハンドは特筆ものだった。
2番:張本智和 1-3 有延大夢
KM東京からは張本智和が、琉球からは有延大夢が登場。この2人は昨年10月27日に対戦しており、そのときは3-0で張本が勝利している。ところが、この日は序盤から有延がガッチリとペースを握った。有延のサーブの威力に張本は迷いが出てしまっている。受け身にならず、攻めの気持ちを保たないと厳しくなる一方なのだが。
とにかく、有延のドライブが冴えているのだ。振り切っているので、張本からすると予想以上にボールが速く感じるのだろう。第2ゲームは張本が取ったものの、有延はペースを握って離さない。すると、次第に張本は苛立ちが隠せなくなり、ミスが目立つように。有延の揺さぶりにも引っかかり、どうも攻めあぐねているようなのだ。
時に、呆然とする場面さえある張本。こういう姿を見せると、相手は俄然勇気づいて攻め込んでくる。有延を調子づかせてしまったようだ。
第4ゲームに入ると、いよいよ有延の手が付けられなくなってきた。6連続得点を挙げ、もはや何でも入るといった状態の有延。特に、徹底したYGサーブが張本のペースを乱している。
結果、一球一球魂が乗り移ったような凄みあるボールを放つ有延が張本を下した。
●覚醒した有延大夢が張本を圧倒! もう何でも入りそうだ
3番:侯英超 0-3 荘智淵
KM東京からは侯英超(ホウ エイチョウ)が、琉球からは荘智淵(ジュアン ジー ユアン)が登場。38歳の侯と37歳の荘によるベテラン対決である。
例によって一球一球変化する侯のボールだが、荘はそれをうまく拾っている。侯の打ってくるカウンタードライブを完璧に止めたり、一枚上のプレーを見せる荘。「カットの攻略法はこうやるんだ」というお手本のような試合運びである。
結果、3ゲーム連取のストレート勝ちで荘がこのゲームを取った。この日の琉球は全選手が気持ちを見せたプレーを見せている。
4番:大島祐哉 1-3 陳建安
KM東京からは1番のダブルスに出た大島祐哉が、琉球からは陳建安(チェン ジエン アン)が登場。
第1ゲームは大島が取った。完璧なプレーを数多く見せた大島は、流れを陳に渡さない。逆に、陳は少し攻めあぐんでいるように見える。
第2ゲームは第1ゲームから修正してきた陳が取り返した。サーブからの3球目攻撃の手数が多くなった陳。形勢が第1ゲームと全く反対である。
続いての第3ゲームも、陳は変わらずガンガン行く。琉球は前の3人が勝っており、陳は気持ちを受け取っているよう。琉球の強い気持ちにKM東京の選手が押される展開が今日は続いている。反対に、大島のサーブに陳はすでに慣れてしまったようだ。このままデュースへ突入し、大島も積極的な姿勢を見せたものの、最後は陳にうまくバックを突かれ、このゲームも陳が取った。そして、続く第4ゲームも取って陳の勝利! 琉球は4-0のストレート勝ちだ。
全試合を振り返ると、有延が張本を破った2番から琉球が流れをグッと引き寄せた感がある。これぞ、団体戦の恐ろしさ。KM東京は岡山戦に続き、またしても0-4のストレート負けだ。
2/18木下マイスター東京 0-4 琉球アスティーダ
田添健汰/大島祐哉 1-2 ◯江宏傑/張一博
11-13/11-6/8-11
張本智和 1-3 ◯有延大夢
10-12/11-8/9-11/6-11
侯英超 0-3 ◯荘智淵
10-12/7-11/5-11
大島祐哉 1-3 ◯陳建安
11-4/4-11/12-14/9-11