プロ転向後3試合で単複5勝 安藤みなみに敵将も脱帽「スマッシュは驚異」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE

大会報道 プロ転向後3試合で単複5勝 安藤みなみに敵将も脱帽「スマッシュは驚異」

2021.02.11

文:ラリーズ編集部

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月11日(木)池田市五月山体育館>

11日、卓球Tリーグ女子で4位のトップおとめピンポンズ名古屋(以下、トップ名古屋)が、3位の日本ペイントマレッツ(以下、ニッペ)にマッチカウント3-1で勝利し、連敗を2でストップさせた。

安藤が大車輪の活躍

2月6日以来のニッペとの試合に臨んだ、トップ名古屋。1番のダブルスでは鈴木李茄/安藤みなみペア(トップ名古屋)とサウェータブット・スターシニー/馮天薇(フォンティエンウェイ)ペア(ニッペ)が対戦。前回と全く同じ組み合わせとなったこの試合は、鈴木/安藤ペアが2-1で勝利した。


写真:鈴木李茄(写真左)と安藤みなみ/提供:©T.LEAGUE

続く2番シングルスも勝って勢いに乗りたいトップ名古屋だったが、ここは相手のエースである加藤美優(ニッペ)に地力の強さを見せられ、リン・イエ(トップ名古屋)が敗れてしまう。


写真:加藤美優/提供:©T.LEAGUE

しかし、3番シングルスには再び安藤が出場し、小塩遥菜(ニッペ)に3-1で勝利。そして、この日2勝目を挙げた安藤の活躍に応えるかのように、4番シングルスではハン・イン(トップ名古屋)が気迫のこもったプレーで馮天薇(フォンティエンウェイ)に完封勝ち。マッチカウント3-1でトップ名古屋が勝利した。

安藤みなみ、試合後のコメント


写真:鈴木李茄(写真左)と安藤みなみ/提供:©T.LEAGUE

今日の試合を振り返ってみて

1番のダブルスは、接戦で最後緊張してしまったが、鈴木さんがしっかり私を引っ張っていってくれた。私もそれに着いていって勝つことができたので、そのままの勢いでシングルスに繋げられた。

Tリーグで戦うことをどう思うか

シーズン途中からの参戦で、トップ名古屋は4位という順位ですが、私が入って少しでもチームに貢献できればという気持ちで試合に臨んでいます。

ファンへメッセージを

残り4試合、たくさんの方々が応援してくれている中、後悔しないように感謝の気持ちを持ってプレーしたい。

藤川英雄監督(トップおとめピンポンズ名古屋)コメント


写真:アドバイスを送る藤川英雄監督(写真左から2番目・トップおとめピンポンズ名古屋)/撮影:ラリーズ編集部

試合を総括すると

1番から最後まで激戦が想像されたが、そのような内容になった。特に1番のダブルスが大きかった。ハンイン選手も2月のTリーグ復帰してから勝ち星がついてなかったので、勝ち星がついてホッとしていると思います。

安藤みなみの戦いぶりについて

安藤選手の加入は非常に大きい。ダブルスもシングルスも計算できる。前半戦よりもオーダーに工夫できる。計算できる選手ですし、最後まで頑張りが抜けない選手。最後まで頑張って自分を鼓舞してチームに勝利をもたらそうと動き回ってくれて助かっています。

海外選手について

サマラ選手は、ヨーロッパの五輪個人戦予選があるのでそれに備えるために帰った。1月の試合は本来来ない予定だったが、サマラ選手の“漢気”というか、そういうもので2試合来てくれた。

(他に来れていない)台湾と韓国の選手はコロナで渡航禁止。日本に来れない。うちのSランクの選手(鄭怡静)が来れなかったのはもどかしさがあった。コロナでスケジュールが変わったり、無観客になったり、全チーム同じだがうちにとってはダメージ大きかった。

安藤と鈴木のペアで3勝目、かなり息も合っているように見えるが

鈴木選手と安藤選手は(専修大学での)学生時代から組んでいた。組んでる年数を(当時専修大学監督であった)私もずっと後ろで見てきた。信頼している。

相手選手のボールに早く慣れる、コース取りをインプットする、そういうところが徐々にできている。

隔離もある中、今季の海外選手の戦いを振り返ってどうか

今季海外の選手は、無理して来ていただいて、2週間隔離をして、慣れない日本の生活。プラスのストレスがどんどん溜まっている。

母国で練習してる相手がいなかったりで二重のストレス。一番は体調の管理。日本食を美味しいとは言ってくれるが連続だと慣れなかったり、寝るときはホテル住まいなので、枕が合わなかったりで積もり積もったストレスは計り知れない。

名古屋に拠点があるが、十分な練習環境は取れていないので、短時間集中型での調整になり、すごく難しかったんじゃないかと思っている。

三原監督(日本ペイントマレッツ) コメント


写真:三原孝博監督(日本ペイントマレッツ)/撮影:ラリーズ編集部

試合を総括すると

トップ名古屋さんとは第6戦目。我々も4-0、3-1で勝ちに行くオーダーだった。

名古屋さんの方が勢いがあるというか、名古屋さんのベンチを見ても大きく見えた。そんな印象。加藤が1点を取ったが、ダブルスが負けたのと、馮天薇が苦手なカットマンと当たったことが敗因だった。

相手の安藤選手が良かった面もあるが、ダブルスの敗因は

ダメだったところは実はなくて、良い感じにはなってきた。ただ、あと1本がとれなかった。この1本を補うために何が必要なのかは2人と話し合わないといけない。どういう練習をしないといけないかを細かく、ペアリングも良くなってきたのでそういう話もできる。

安藤選手のサービスと歯切れのいいスマッシュを目の当たりにすると驚異。プロ転向して本気度も伺えるし、その気持ちのままプレーしていると強い印象でした。

馮天薇についてどう思うか

自分が勝たないといけないという使命感でモチベーションを上げ続けてプレーすることを本人は比重を置いている。確かに疲労はあるものの、自分が負けたらチームが負けという気持ちでプレーしてくれることは感謝したい。

シングルス、ダブルスと最年長の馮天薇が出てくれていることはどうしても疲労は溜まって、良いプレーができない部分もある。でもそういったプレーを見て、他の選手が自分たちも頑張らないといけないと思うような鑑になってくれている。そういう面でも感謝しないといけない。

今季は海外勢がコロナで来れなかったことも痛手か

馮、加藤に頼りっぱなしになっちゃっている。どこかで違う選手が活躍して…とは思ってしまう。シャン・シャオナが長くいてくれたらとは思ったが、仕方がないこと。勝つべき人が勝って、チームが勝つというのがチーム戦のチームワーク。まだ2試合あるので頑張りたい。

加藤美優は15勝で現在リーグ1位。この1年どこがどう成長したか

気持ちの面で、自分が勝たなきゃチームが勝てない。自分が絶対勝たなきゃ、というのが昨シーズン。

今シーズンはそういうことは思いすぎないで、お客さんに見られたときに“加藤美優本当に強いんだよ”というプレーを見せられるような形で臨んでいる。本人の気持ちの変化で幅広いプレーが出ている。本来の強さがちゃんと出ている。

技術的にはピカイチ。サーブレシーブも良いし、バック対バックでも負けないし、ラリーでも良い勝負ができる。持っている力が出ている。全日本選手権では(怪我もあって)良い成績が出なかったが、そこまでやってきたことが今になって出ている。

トップおとめピンポンズ名古屋 3-1 日本ペイントマレッツ


写真:勝利したトップ名古屋メンバー(写真)/提供:©T.LEAGUE

〇鈴木李茄/安藤みなみ 2-1 サウェータブット・スターシニー/馮天薇
11-7/5-11/13-11

リン・イエ 1-3 〇加藤美優
8-11/7-11/11-4/9-11

〇安藤みなみ 3-0 小塩遥菜
11-5/11-4/11-5

〇ハン・イン 3-0 馮天薇
11-4/11-7/11-6

安藤みなみインタビュー


写真:安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)/撮影:田口沙織

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