文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月20日(土)アリーナ立川立飛>
卓球Tリーグ男子では20日、2位の木下マイスター東京(以下、KM東京)が4位のT.T彩たま(以下、彩たま)をマッチカウント3-2で下した。
首位を狙うKM東京は、薄氷の勝利で21日の最終戦の結果次第でレギュラーシーズン1位への望みを繋いだ。
エースの張本智和が2勝
写真:松島輝空(写真左)・田添健汰(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
レギュラーシーズン1位を目指すKM東京の、試合前の勝ち点は41。首位の琉球アスティーダとの勝ち点差は6となっていた。首位に立つためには、残り2試合で勝ち点6以上、つまり2連勝が求められていた。
KM東京は、1番のダブルスで松島輝空/田添健汰が敗れるも、2番で大島祐哉が勝利し、迎えた第3マッチ、張本智和が登場した。
写真:松平健太(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
テクニシャンの松平健太(T.T彩たま)を相手に、ゲームカウント3-0で張本が勝利した。しかし、第4マッチで水谷隼(木下マイスター東京)が英田理志(T.T彩たま)に苦杯を喫し、ビクトリーマッチで再び張本が登場した。
水谷を下し勢いに乗る英田を相手に、「1球1球粘って頑張りました」と張本が見事逆転勝利を収め、チームを勝ち星をもたらした。
張本は前日、英田にゲームカウント0-3で敗れており、「ビクトリーは正直行きたくなかった。昨日、英田選手にやられていたので。でも、監督から『お前ならできる』と言われ、その監督の言葉と、自分を信じていきました」と覚悟を決めて臨んでいたことを試合後に明かした。
試合後の張本、邱建新監督のコメントは以下の通り。
張本智和、試合後のコメント
写真:張本智和/提供:©T.LEAGUE
今の気持ちは
今日は勝つことがリーグ優勝の道だったので、明日に繋げられて嬉しいです。
昨日自分の連勝が止まって悔しかったんですが、今日新たな気持ちで臨んで、チームが勝てて嬉しいです。
自身のパフォーマンスはどうか
最高が100だとして、良いときは80、90%くらいまで来ている。悪いときは昨日みたいに40,50%に戻るときもあるが、今までは悪いときは20,30%になっていたので、ブレ幅がなくなってきた。
最近試合続きだが、どのような心境か
Tリーグ後半戦は、昨日の1敗以外はすべて勝つことができて、良い感じになっている。
昨日久しぶりに負けたときは最初受け入れられないところもあったが、内容的にも完敗だったので、しっかり反省した。反省できるのも試合があるからこそなので、今日に繋げようと思っていました。
練習のときの当たり前のように打ててるボールも、試合だとミスが怖くて打てないことがある。どういうボールが打てて、どういうボールが打てないか、というのがわかることが、試合の良いところだと思います。
昨日の敗戦後、邱監督とお父さんと長く話していた
全日本以降は負けていなかったので、何が原因で負けたのか、1ゲーム毎に違う理由があったので、ひとつひとつ話し合っていました。
ビクトリーマッチの英田戦は、昨日の反省をどう生かしたのか
写真:張本智和(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
昨日は自分で打ちすぎてミスが増えて、要所で相手に打たれて崩れてしまった。今日は粘りながら打つことだったり、相手に打たれてもしようがないと思いながらプレーしました。チェンジコートしてから何本かいいボールがあって勝つことができました。
(英田は)他のカットマンよりカットする機会は少ないんですが、ただその中でもカットの質は、他のカットマンの選手に比べて切れている。攻撃力も、自分たち攻撃選手と変わらない決定力がある。
今日も良い作戦というのはなくて、1ゲームなのでただ粘って、打てるボール打って、相手より1本多く取ろうという気持ちでした。
カットマン選手には珍しく、チキータも持っている選手なので、自分がサーブのときは(相手を)攻撃マンだと思って、ラリーの中でカットするならカットマン、臨機応変にするしかない。
ビクトリーマッチは4−7から巻き返した
相手にノータッチで完璧に取られた後、簡単にサービスエースを取れたことで、流れが変わったのかなと。相手がそのまま良いプレーをしていたらどうしようもなかったが、相手の凡ミスもありましたし、そこから自分がうまく流れを掴むことができました。
でもまだ英田選手には分が悪いと思っているので、次は5ゲームマッチでリベンジしたいと思っています。
これで個人14勝。リーグ優勝と最多勝の掛かった明日の試合になるが
前半戦1勝2敗からここまで来れると思わなかったです。ここまで来れたら、明日1勝して単独で最多勝取りたいです。自分が戦う試合は全部勝って、最多勝というよりはリーグ1位を目指して明日、頑張りたい。シーズン最終戦なので、ストレート勝ちでシーズン優勝目指して頑張ります。
Tリーグ後半戦の手応え
全日本は及川選手に負けましたが、ここ最近負けているのが、当時の木下マイスター東京の選手で、やり慣れている相手との対戦が課題だと思っています。
初見や久しぶりの相手には通用するのかなと思っています。ただ、昨日の英田選手のように、やってなくても最初から慣れてくる選手に対しては課題がある。
無理しないこと。全日本では無理した結果、もっと消極的になってしまった。打てないボールは打てないし、打つボールはしっかり入れに行くことができれば、相手より威力はあると思うので、そこで戦えるのかなと思います。
ファイナルに向けての意気込み
ファイナル1試合しかない。相手チームは強い選手がたくさんいるので、自分は自分の場所で1点とって、あとはチームのみんなを応援して、チームワークで勝つしかないのかなと思ってます。
WTT、久しぶりの国際大会はどんな試合にしたいか
せっかく五輪前のこういう大会があるので、結果を求めるというよりは自分の今のプレーを思う存分出し切って、その結果どうなるかを試したいなと思ってます。
邱建新監督(木下マイスター東京)のコメント
写真:邱建新監督(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
試合総括
今日ダブルス負けた時点で、最後に持ち込まれるだろうと思っていました。大島選手が活躍してくれて良かった。張本選手は2点取るのが当然と思っていました。
英田選手と張本選手の試合について
昨日は9-3リードから負けたので、今日は勝てると思って送り出した。
張本にひと言送るとすると
五輪頑張ってほしい。
明日に向けて
明日の試合も勝ちたいんですが、いちばん大事なのは26日のプレーオフです。
木下マイスター東京 3-2 T.T彩たま
写真:勝利した木下マイスター東京/提供:©T.LEAGUE
田添健汰/松島輝空 0-2 〇曽根翔/篠塚大登
8-11/8-11
〇大島祐哉 3-1 神巧也
11-1/11-5/10-11/11-6
〇張本智和 3-0 松平健太
11-10/11-8/11-5
水谷隼 2-3 〇英田理志
7-11/8-11/11-10/11-8/10-12
〇張本智和 1-0 英田理志
11-9
張本智和インタビュー
写真:張本智和(木下グループ)/提供:長田洋平/アフロスポーツ
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