<卓球・ノジマTリーグ2024-2025シーズン(7thシーズン)男子開幕戦 日程:8月24日 場所:代々木第二体育館>
始まってみると、やはりTリーグの試合は面白い。
ノジマTリーグ2024-2025シーズンは男子開幕戦が行われ、昨季優勝の木下マイスター東京と昨季4位の静岡ジェードが対戦、4マッチのうち3マッチがフルゲームにもつれた激戦を、木下マイスター東京が制した。
観客1,419人が思い思いの声援を送り、パリ五輪の熱も感じさせながら今季の幕が上がった。
写真:Tリーグ2024−2025シーズン男子が開幕/撮影:ラリーズ編集部
木下の新ペアが躍動
写真:松島輝空/吉村和弘(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
第1試合のダブルスは、松島輝空/吉村和弘(木下マイスター東京)ペアと、昨季ベストペア賞の龍崎東寅/森薗政崇(静岡ジェード)が対戦。
6-6スタートの最終第3ゲームをスタートから4点連取した松島/吉村ペアが逃げ切り、貴重な第1マッチに勝利した。
リンユンジュがフルゲームを制す
写真:リンユンジュ(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
第2マッチは、チャイニーズタイペイのエース、昨季Tリーグ最多の16勝を挙げたリンユンジュ(木下マイスター東京)が登場。パリ五輪から間もないなかで、19日にチーム合流したというリンと、静岡ジェードの監督兼選手で昨季シングルスリーグ3位の11勝を挙げている森薗政崇が対戦した。
試合は森薗が2ゲームを先に連取して会場を盛り上げるも、そこから森薗のボールに合ってきたリンユンジュが3ゲーム連続で奪取して逆転勝利、世界ランク7位の貫禄を見せた。
森薗も、昨季に続き今季も、Tリーグに森薗旋風を巻き起こす予感を感じさせる、見事な戦いぶりだった。
写真:森薗政崇(静岡ジェード)/撮影:ラリーズ編集部
パリ五輪リザーブの松島が2点取り
第3マッチの松島輝空(木下マイスター東京)と松下大星(静岡ジェード)の試合も、フルゲームのデュースまでもつれ込む激戦となったが、8-10で先にマッチポイントを握られても冷静に得点を重ねた松島が、勝利をもぎ取った。
「チームに貢献できて嬉しい、今後も粘り強く自分のプレーをしたい」と試合後、松島は冷静に振り返った。
写真:松島輝空(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
静岡に新加入の英田が一矢報いる
写真:英田理志(静岡ジェード)/撮影:ラリーズ編集部
この時点で木下の勝利は確定したが、勝ち点を争う第4マッチには、昨季T.T彩たまで10勝を挙げながらも今季静岡に加入した英田理志(静岡ジェード)と、チームキャプテンを務める大島祐哉(木下マイスター東京)が登場。
写真:大島祐哉(木下マイスター東京)/撮影;ラリーズ編集部
大島の剛腕フォアドライブを、カットの回転差と攻撃で翻弄した英田が、ゲームカウント3-1で勝利した。
写真:英田理志(静岡ジェード)/撮影:ラリーズ編集部
試合は、木下マイスター東京が静岡ジェードにマッチカウント3-1で勝利した。
写真:木下マイスター東京/撮影:ラリーズ編集部
印象・開幕戦
毎年Tリーグ開幕戦を取材している人間として、今季の開幕戦は、試合と選手のプレーに集中できる環境だったように思う。
コスト削減という側面もあるだろうが、良く言えば、穏やかで温かい空気感の中で、観客もそれぞれのチーム独自の応援スタイルに慣れ、五輪とはまた違ったTリーグの試合の余白や、選手との距離の近さを存分に楽しんでいるように見えた。
写真:静岡ジェードの観客席/撮影:ラリーズ編集部
半面、運営面に厳しく言えば、パリ五輪後最初の卓球観戦に訪れた人たちに向けた丁寧さがあっても良かった。選手や技術、Tリーグそのものについて、例えばオープニングセレモニーの際に、もう少し噛み砕いて体感できる時間を設けても良かったのではないか。
運営が観客満足のすべてを試合内容の良さに頼ってしまうと、再現性に乏しく、リピーターに繋がらない。
「今日の試合環境は、選手にとってとても幸せな環境です」
試合後森薗が語っていた実感が、今季各チーム全25試合でそうあってほしいし、すべての観客にとって、今日の開幕戦のような興奮を体感した先に、Tリーグの語る未来がある。
写真:Tリーグ2024-2025シーズン男子開幕戦/撮影:ラリーズ編集部
ノジマTリーグ2024-2025シーズン 男子開幕戦
〇木下マイスター東京 3-1 静岡ジェード
〇松島輝空/吉村和弘 2-1 龍崎東寅/森薗政崇
〇リンユンジュ 3-2 森薗政崇
〇松島輝空 3-2 松下大星
大島祐哉 1-3 英田理志〇