写真:西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 金沢ポート・西東輝監督「次は必ずシャーレを掲げる」3シーズン目で悲願のプレーオフ進出も木下に惜敗<卓球・Tリーグ2025-2026>
2026.03.28
文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2025-2026シーズン(8thシーズン)プレーオフ男子ファイナル 日程:3月27日 場所:代々木第二体育館(東京都)>
27日、ノジマTリーグ2025-2026シーズン(8thシーズン)プレーオフ男子ファイナルが行われ、木下マイスター東京が優勝に輝いた。
試合後、敗れた金沢ポートの西東輝監督が会見に出席した。
西東輝監督(金沢ポート)会見コメント
―― 今の試合を振り返って
残念な結果に終わってしまいましたが、卓球の聖地と呼ばれる代々木体育館に呼んでいただき、観客の皆さんの大歓声のなか、応援合戦も非常に活況で、とても素晴らしい環境で試合をさせていただいたことを光栄に感じております。
―― 決勝のオーダーの意図は
写真:西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
いわゆる「当てられ方」という部分で、多くの卓球ファンの方にもわかりやすい構造だったと思います。
谷垣は(1月の全日本選手権で)川上流星選手を倒していますし、田中は世界選手権の選考会で川上選手に0-3で負けています。一方で、田中はリンユンジュ選手や松島輝空選手との対戦経験が非常に多く、比較的分がいい。そのため、川上選手が田中に当てられるだろうということは予想していました。
また、チャウジンがリンユンジュに苦戦していること、全日本チャンピオンの松島選手は国際大会でチャウジンに負けていること、9月のTリーグで谷垣が松島選手に負けていることから、それぞれ当てられるだろうと。
写真:田中佑汰(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
当てられることがわかっているなかで、こちらがコントロールできるのは試合の順番です。田中対川上を2番で実現させるか、3番か、4番か、というのが今回の焦点でした。ダブルスは正直、死に物狂いで取りにいかなければならないと思っていたので、3番で川上選手の勢いを止めるより、試合がまだ何も決まっていない2番で川上選手にプレッシャーをかけようと。そういった狙いで2番に田中対川上を持ってきたというのが、今回のオーダーの意図です。
ダブルスについては、3月にイムジョンフン/𠮷田雅己という金沢の最強ダブルスですらリンユンジュ/ヤンアンペアに完敗していたので、個の力が長けているチャウジンを起用しました。
―― この1年を振り返って
写真:西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
正直、1年目は全敗でもいいから「応援していただけるチームを作ろう」という気持ちで挑んで、結果は6位でした。そのシーズンの途中に震災を体験して、周りでも家がなくなった、家族を失った、車がなくなったという方がたくさんいるなかで、応援されるチームよりも、「こちらが石川を勇気づけるチームになりたい」と思うようになりました。そのため、2年目からは勝つチームへとシフトチェンジしました。
ただ、チャンウジンと𠮷田雅己を獲得しただけではTリーグの壁を越えられず、5位という結果に終わりました。ですので、3年目の今シーズンは「何が何でも、最低でもプレーオフに行かなければ監督として力がない」ということで、監督を辞任する覚悟をシーズン前に決めていました。そのために、チームのオーナーである春日さんにわがままを言って、選手を補強し、勝てる布陣を組んでいただきました。
なので、私としては今シーズンは優勝以上に、「何が何でも勝って、石川を勇気づけたい」という気持ちを持っていました。そういった意味では、プレーオフファイナルまで来れてホッとしている気持ちのほうが強いかもしれません。
写真:川上流星(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
ただ、木下さんは何が何でも優勝を狙っていた。その差が、最後に出たかなと感じています。
―― 木下の「何が何でも優勝」という姿勢を感じた場面はあったか
連続失点が少ないところです。シーズン中だと、踏ん張りが効かずに流れで失点するパターンも(木下は)多かったんですが、今日は点差があっても執念で追い上げてくるような場面も続きました。
―― 今日の応援の雰囲気について
写真:金沢ポートの応援団/撮影:ラリーズ編集部
金沢ポートは応援団長の川村を中心に、1年目から作り上げてきた応援団なので、ここはどこにも負けないという自信があります。選手をスカウトする際にも、世界中の選手から「金沢ポートの応援はすごいらしいね」と言われることが多くて。
負けても負けても卓球の素晴らしさを伝えられるエンタメとして、見て面白いと思ってもらえるような応援を作っていこうと頑張ってきた3年間の積み重ねだと思っています。応援団には本当に感謝しています。
―― 来季以降の目標について
写真:西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
すでに私の頭のなかでは来季の選手契約や試合スケジュール、宿泊先のホテル手配など、もう来季に向けた戦いは始まっています。プレーオフが始まる前からすでに来季のことを考えていたので、試合が終わったから休むという感覚はまったくなく、明日から来季の優勝に向けて準備を始めます。
本当は見たくなかったんですが、優勝したチームがシャーレを掲げる場面や監督インタビューのシーンを目に焼き付けてきました。プレーオフ進出を目標にしていたチームでは優勝できないことを痛感しましたので、「次は必ずあの舞台に立つ」という気持ちを持って、来季は本気で日本一を取りにいくチームを作ります。
―― 試合後には涙を流されているシーンもあったが
写真:西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
悔し涙を流したくなかったのでずっと我慢していたんですが、一番最初に涙腺が崩壊したのはチャンウジンと話したときです。彼は私にとって心の支えであり、松島選手やリンユンジュ選手を倒せる本当のスーパースターだと思っていたので、シーズンを戦ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えました。そのときに彼が「このチームが好きだ」「金沢ポートに呼んでくれてありがとう」というような言葉を英語で言ってくれて。
それでも涙をこらえようとしていたのですが、ベンチ横に座られていたスポンサーの方が「3年間でよくここまでのチームを作ったね」「優勝するまで応援するよ」とねぎらいの言葉をかけてくださって。負け続けていた1年目から応援し続けてくださっていた方々にそう言っていただけたことが本当に嬉しかったです。
また、春日オーナーの会社である、ポート社の社員の方々が100人、新宿の本社から仕事終わりに駆けつけてくださって、試合後に「アキラ」コールをしてくださったんです。卓球に直接関係のない立場でありながら、金沢ポートを自分たちの会社が応援するチームとして真剣に応援してくださっているその温かさを感じたときに、涙を抑えることができませんでした。ポート社の社員の皆さんが頑張ってくださっているからこそ、私たちはここまで戦えています。本当に感謝の涙でした。






