文:ラリーズ編集部
Tリーグセカンドシーズンを終え、プレーオフファイナルに進出するチームが決まった。
男子は木下マイスター東京(以下、KM東京)vs琉球アスティーダ(以下、琉球)、女子は木下アビエル神奈川vs日本生命レッドエルフとなった。
新型コロナウイルスの影響により、ファイナルの延期が発表されたが、今回は男子ファイナル進出チームのセカンドシーズン7試合の直接対決を振り返り、注目選手をピックアップしよう。
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絶対王者・KM東京、琉球に唯一の負け越しも戦力は充実
写真:張本智和(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
ファーストシーズン、張本智和、水谷隼らを抱え、圧倒的な力を見せつけ初代王者に輝いたKM東京は、セカンドシーズンも15勝6敗の好成績を残し1位でファイナルに進出した。
そんな絶対王者は、3位のT.T彩たまには5勝2敗、4位の岡山リベッツには7勝0敗と大きく勝ち越しているのに対し、2位の琉球には唯一3勝4敗と負け越している。
対琉球戦で飛び抜けた成績を残した選手はいなかったためキーマンをあげるのは難しいが、やはり日本選手トップランカーの張本智和、そして大黒柱・水谷隼に注目したい。
張本の今季の琉球戦の成績は、シングルスの1勝1敗。ベテランチョッパー、チュセヒョクに3-0で勝利する一方、台湾で長く活躍するジュアンには2-3で敗戦。2020年3月の世界ランキングは5位とその実力は折り紙付きであり、どの選手と対戦しても勝利が期待される。
写真:水谷隼(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
ビクトリーマッチ(以下VM)を含めたシングルスの成績は6勝6敗と、今季やや苦しんだ水谷の琉球戦の成績は1勝3敗。チュセヒョク相手に1勝1敗、そして木造勇人、有延大夢と若手二人に苦杯を喫した。
しかし、2020年のワールドツアーでの活躍や、先日の自身のTwitterでの「オリンピックは延期になりましたが最近の自分の仕上がり具合は絶賛上昇中です👍」とのコメントからも、状態は上向きであることが伺える。日本の大黒柱のファイナルでの戦いに注目したい。
他にも、東京五輪シングルス代表の丹羽孝希、Tリーグ前期MVPで今季琉球戦3勝(3敗)の侯英超(ホウエイチョウ)、そして2020年全日本王者にして、田添健汰と組むダブルスでも6勝2敗と大活躍した宇田幸矢など、戦力は飛び抜けて充実している。
琉球相手に3勝4敗と負け越しているとはいえ、選手が普段通りの実力を発揮すれば、セカンドシーズン王者も射程圏内だ。
逆転王者を狙う琉球側の鍵を握るのは
写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/提供:©T.LEAGUE
今季、T.T彩たまとの最終戦で劇的勝利を果たし、11勝10敗のレギュラーシーズン2位でファイナル進出を決めた琉球。
1位のKM東京にも4勝3敗と勝ち越しており、中でも直近の2月8日、張本、丹羽、水谷、宇田、田添健汰と超豪華メンバーを起用したKM東京に対して4-0のストレート勝ちを収めた試合は、卓球ファンに衝撃を与えた。
そんな琉球のファイナルでのキーマンは、やはり今季シングルス10勝5敗と見事な成績を残し、最終戦ではVMで勝利しチームをファイナルへと導いた、台湾卓球界のレジェンド・荘智淵(ジュアンジーユアン)だろう。
写真:荘智淵(琉球アスティーダ)/提供:©T.LEAGUE
KM東京戦では、シーズン初戦侯英超に敗れたものの、そこから張本を下すなどシングルス3勝をあげる活躍を見せ、木造と組んだダブルスでも、丹羽/田添健汰ペアに2-1で勝利をあげている。
特に、張本相手には、2020年のワールドツアードイツOP、カタールOPで2連勝しており、仮にファイナルでも両者が対戦し荘智淵が勝てば、琉球が優勝に大きく近づく。台湾のレジェンドが躍動するのか、要注目だ。
また、シングルスも非常に強力なKM東京が相手だからこそ、琉球は第1マッチのダブルスで勝利をあげたい。今季6勝2敗と大活躍したKM東京の宇田幸矢/田添健汰ペアだが、そのうちの1敗は琉球の吉村真晴/木造勇人ペアからだ。
他にも、水谷や侯英超を下した韓国のレジェンドチョッパー、朱世赫(チュセヒョク)や、シングルスで水谷、丹羽を破った木造、そして最終戦でリアム・ピッチフォード(T.T彩たま)を激戦の末下し、さらに今季水谷、侯英超にも勝利した経験をもつ有延ら、誰が殊勲賞に輝いてもおかしくない。
今季シングルス8勝6敗の好成績を残したキャプテン・吉村が、海外のレジェンドと日本の若手をまとめ上げ、一致団結して逆転優勝を狙う。
まとめ
KM東京-琉球
第1戦 3-1
第2戦 1-3
第3戦 1-3
第4戦 3-2
第5戦 1-3
第6戦 4-0
第7戦 0-4
レギュラーシーズンの両チームの直接対決の結果としては、琉球が4勝(うち1試合が4-0、3試合が3-1)、KM東京が3勝(うち1試合が4-0、1試合が3-1、1試合が3-2)となっている。一発勝負のファイナルだけに、圧巻の選手層をもつKM東京か、レジェンド、若手がチームを盛り立てる琉球か、どちらが勝ってもおかしくないだろう。
プレーオフファイナルは延期になったが、事態が収束し開催できる日を楽しみに待とう。