9月30日、T.T彩たまが記者会見を開き、深谷市在住の3歳、平鈴莉空（たいら・りりあ）ちゃんとの契約締結を明らかにした。会見には母である平（旧姓：樋浦）令子さんも同席し、記者からの質問に答えた。

異例の「3歳児の入団会見」だった。鈴莉空ちゃんは会見でも「たいら、りりあです。3歳です！」とハキハキと回答。身長93cm、12.5kgながら、大物ぶりを伺わせた。鈴莉空ちゃんの父の平亮太（正智深谷高卓球部監督）さんは早稲田大学卒業後、実業団へ所属しプロ選手へ転向、1989年の世界選手権日本代表に選ばれた経歴を持つ。一方の母・令子さんも強豪・四天王寺中・高から実業団の名門ミキハウスへ入団し、2007年、2009年の世界選手権日本代表に選抜されている。

そんな「卓球サラブレッド」の鈴莉空ちゃんは、「好きな食べ物は？」との質問に「バナナ！」と返答。練習は「楽しい」と答えた。

T.T彩たまの柏原哲郎代表取締役社長は「T.T彩たまでは来年にアンダー7というチームを作り、埼玉県からオリンピックチャンピオンを出す育成プログラムをスタートする」と鈴莉空ちゃんとの契約締結の意図を明らかにした。その言葉どおり、早くもコーチの就任も決まっている。中国超級リーグを経て日本生命、十六銀行でプレーした経験を持つ27歳の徐潔（ジュ・ジエ）コーチが鈴莉空ちゃんと二人三脚で一流プレーヤーを目指す。

なお鈴莉空ちゃんは9月から卓球を始めたばかりだそうで、令子さんも「まだ12回くらいです。まだ集中力がなくて…」と苦笑する一幕も。ただ、「卓球とグッと向き合う瞬間があるので、そこを逃さないように（練習する）。日々、変化しながら遊び8割卓球2割みたいな感じでやっています」と練習内容についてコメント。徐コーチも「性格が結構強い」と分析した。鈴莉空ちゃんの将来については「やっぱり私達2人ともアスリートなので、なんでも1番になってほしい。でもこればっかりはやってみないとわからない。これから本人がどれくらい卓球に向き合うかですね」と話した。

15時30分から始まった異例の「3歳児の入団会見」は、鈴莉空ちゃんがたくさんのカメラのフラッシュに緊張してしまったのか、10分ほどで終了。その後のフォトセッションではT.T彩たまに入団が決まっているアポロニアや吉村真晴らトップ選手に囲まれるようにセンターで笑顔を見せた。3歳時とは思えぬ堂々の初会見を終えた鈴莉空ちゃん、第二の福原愛の誕生となるか。否が応でも期待は高まる。