ダブルスを制す者がTリーグを制す 卓球団体戦のキーは1番ダブルス | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:木下マイスター東京の丹羽孝希(左)、田添健汰ペア/提供:©T.LEAGUE

大会報道 ダブルスを制す者がTリーグを制す 卓球団体戦のキーは1番ダブルス

2020.03.09

文:石丸眼鏡

Tリーグのルールでは、ダブルス1試合・シングルス4試合の試合形式が採用されており、先に3勝したチームが勝利となる。中でも、ダブルスは第1試合に行われ、序盤のカギを握るポイントとして非常に重要だ。

データでみてみると、昨シーズンのTリーグでは、ダブルスで勝利を挙げたチームがその試合に勝ったケースがプレーオフを含めた全86試合のうち60試合存在した

今回は、2019-2020シーズンのTリーグでの同データを集計するとともに、各チームのダブルス勝率の年度別比較を実施した。

>>【Tリーグ】チームを支える“助っ人” 好成績の裏には外国人選手の勝利貢献

2019-2020シーズンのTリーグレギュラーシーズンを分析


写真:水谷/大島ペア(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部

2019-2020シーズンのTリーグはレギュラーシーズン全84試合が終了。昨シーズン同様、今シーズンでもダブルスの勝敗とチームの試合結果の関係性を集計してみた。

その結果、ダブルスで勝利したチームがその試合に勝ったのは、全84試合のうち61試合存在していることがわかった。確率にして72.6%、第1試合のダブルスの重要性は今季も健在のようだ

チーム別ダブルス勝率で紐解くTリーグ

森さくら/前田美優
写真:森さくら(左)・前田美優(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

続いては、チーム別のダブルス勝率をみてみよう。

まずは、今季2019-2020シーズンの各チームのダブルス成績を確認する。

男子

KM東京 13勝8敗 勝率61.9%

琉球 9勝12敗 勝率42.9%

T.T彩たま 11勝10敗 勝率52.4%

岡山 9勝12敗 勝率42.9%

女子

日本生命 12勝9敗 勝率57.1%

KA神奈川 8勝13敗 勝率38.0%

トップ 12勝9敗 勝率57.1%

ニッペM 10勝11敗 勝率47.6%

(上からシーズン順位順)

上記の結果を見ると、男女ともに優勝チームがリーグトップのダブルス勝率を叩き出していることがわかる。戦力が充実しているため、ダブルスにも強力な選手を配置できていることが一因だろうか。

昨シーズンのダブルス成績を分析してみた


写真:昨シーズン猛威を奮った岡山リベッツの森薗政崇(写真左)・上田仁ペア/撮影:ラリーズ編集部

では、昨シーズンの各チームのダブルス成績はどうだろうか。

男子

KM東京 9勝12敗 勝率42.9%(13勝8敗 勝率61.9%)

岡山 16勝5敗 勝率76.2%(9勝12敗 勝率42.9%)

T.T彩たま 12勝9敗 勝率57.1%(11勝10敗 勝率52.4%)

琉球 5勝16敗 勝率23.8%(9勝12敗 勝率42.9%)

()内は2ndシーズンのダブルス成績

女子

KA神奈川 14勝7敗 勝率66.7%(8勝13敗 勝率38.0%)

日本生命 16勝5敗 勝率76.2%(12勝9敗 勝率57.1%)

ニッペM 5勝16敗 勝率23.8%(10勝11敗 勝率47.6%)

トップ 7勝14敗 勝率33.3%(12勝9敗 勝率57.1%)

()内は2ndシーズンのダブルス成績

2シーズンを比較してみると、チーム毎のダブルス勝率に大きな変化があることがわかる。

特に変化が目立ったのは岡山リベッツだ。昨シーズンはKM東京に次ぐリーグ2位でプレーオフファイナルへと進出、初代王座にあと一歩と迫ったが、一転して今シーズンはリーグ最下位となった。

この岡山の不調を象徴しているのがダブルス成績だ。昨シーズンは16勝5敗という圧倒的な成績を残し、得意としていたダブルスだが、今シーズンは9勝12敗と負け越し。この差が最終的なリーグ順位に少なからず影響していることは一目瞭然だ。

昨シーズンとの違いという点では、上田仁の長期離脱が挙げられる。上田は昨シーズン、森薗政崇とのペアで15勝3敗という圧巻の成績を残し、ベストペア賞を受賞している。上田の不在により、ダブルスという強力な得点源を失った岡山は、苦戦を強いられることとなった。

東京五輪団体戦のダブルスにも注目


写真:女子団体戦で組むことが予想される石川佳純・平野美宇ペア/提供:ittfworld

東京五輪卓球競技の団体戦でも、第一試合はダブルスだ。

一発勝負のトーナメントで第一試合に勝利すれば、チームは一気に勢いづく。

男女ともに過去最高とも言われるメンバーを揃えた日本代表、打倒中国、そして悲願の金メダルへ向けて、そのカギはダブルスが握っているのかもしれない。

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