文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 1月23日(土)>
名古屋が今季初勝利 勝因は海外勢のプロ根性
写真:リン・イエ(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE
23日、卓球Tリーグは女子2試合が行われた。1試合目は4位のトップおとめピンポンズ名古屋が2位日本生命レッドエルフにマッチカウント3-2で勝利した。名古屋は12戦目にして嬉しい今季初勝利を挙げた。
名古屋は第1マッチのダブルスを落とすと、第2マッチでは出澤杏佳が東京五輪代表の平野美宇にストレート負け。このマッチカウント0-2の劣勢からサマラとリン・イエの海外勢が2人で3ポイントを叩き出し、勝負強さを見せて逆転した。
写真:平野美宇(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE
リン・イエは年末に母国のシンガポールに帰らずに日本に残って調整を続けた。またルーマニア出身のサマラは年末に母国に戻ったが1月8日に来日し、卓球が出来ない14日間の隔離期間はホテルにトレーニング器具を持ち込んでTリーグに向けた調整をしたという。両選手のプロフェッショナルな姿勢が名古屋を初勝利に導いた。
神奈川が2021年白星スタートで11勝目
写真:長﨑美柚(左)・浜本由惟(木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE
2試合目は、首位を走る木下アビエル神奈川が日本ペイントマレッツに3-2で勝利し、今季11勝目を挙げた。三連勝中だった日本ペイントは加藤美優と馮天薇のツインエースが確実にポイントを挙げたが、最後は神奈川の木原美悠がビクトリーマッチで勝負強さを見せた。
神奈川は全日本選手権優勝のエースの石川佳純を欠くも、若い戦力がチームを支える。ダブルスでは長﨑・浜本ペアが今季7戦7勝と抜群のコンビネーションを見せ、また木原は今季シングルスでリーグ2位の11勝を挙げている。
写真:馮天薇(日本ペイントマレッツ)/提供:©T.LEAGUE
一方の日本ペイントはロンドン五輪銅メダリストで東京五輪シンガポール代表の馮天薇(フォン・ティエンウェイ)の存在感が増している。三原孝博監督は「馮天薇がキャプテンとして、チームを引っ張ってくれている。みんなに声掛けしながら、試合中も加藤にアドバイスもしてくれていて、良いチームになってきている」と世界を知るベテランが自身の経験をチームに還元する姿を称賛した。
スコア詳細と試合後の監督、選手コメントは以下の通り。
エリザベタ・サマラ(名古屋)コメント
写真:エリザベタ・サマラ(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE
チーム初勝利を振り返って
今日が初めてチームで勝った日。チーム全員が団体戦に貢献してきた。ほんとにほんとに勝ちたいと思っていたので良かったです。まだまだ勝つつもり。
コロナ禍の来日と隔離期間の調整について
試合直前は「頭と手と足さえ動けば勝てる」とチームメイトと話していて、そこをすごく意識していた。
12月26日にルーマニアに戻り、短い休みを取って1月8日に日本に戻ってきた。(2週間の)隔離期間は、ホテルの部屋で身体が上手く使えるように、ゴムバンドやフィットネスに使うボール、簡単なウェイトトレーニングができるものを家から持ってきて準備してきた。
于梦雨(ユ・モンユ)戦での勝利について
どんなゲームになるかを予測して入れた。前回の対戦では、身体も上手く動かず、簡単に負けていたので、長いラリーを意識して、速いラリーが得意な于梦雨のことを意識して作戦を立てた。
平野美宇戦での勝利について
チームも私も勝ちたくて仕方がなかった。
1ゲームしかないので、可能なことをすべて出しきること、リスクを恐れずに強く立ち向かうことを意識した。(平野という)世界のトップのプレーヤーとの対戦だったが、始まってすぐに彼女があまりフィーリングが良くなさそうだと感じたのでこちらから攻めていった。私は于梦雨戦で上手く勝てて感覚も良かった。
藤川英雄監督(名古屋)コメント
写真:トップおとめピンポンズ名古屋・藤川監督/撮影:ラリーズ編集部
シーズン初勝利を振り返って
去年から厳しい戦いが続いていた。今日は全員がサマラ選手までバトンを繋いでくれていい流れになった。選手がみんな頑張ってくれていたが、あと1本というところで悔しい思いをしてきたので、それを覆す思いが1人1人にあったのかなと思う。
選手がいつ集合できたか
昨日です。サマラは早めに来日してくれて、2週間の自粛期間を経て試合に臨んでくれています。リンイエは年越しを日本で過ごして、試合に臨んでくれた。日本選手は全日本選手権の後、母体で調整してくれていた。
今シーズンについて
コロナの影響で思うようにできないことが多い。スケジュールがタイトになったり、選手が来れなくなったり、トレーナーを呼べないなどマイナスが多かった。でもそこは皆同じなので気持ちをリフレッシュしてやることが大事だし、シーズン21試合を終えて結果がどうだったかが大事。最後まで気を緩めないでやろうと思って今日もやっていた。
ビクトリーマッチにサマラを起用した理由
ラリーに強いのが特徴。上手く距離を取れてラリーに持って行けば勝算があると思った。
今後の意気込み
1月は残りあと2試合だが、こういった流れがいいときは選手の笑顔が見られたり、女子チーム特有の良い雰囲気が出る。2月からは、(新加入の)安藤みなみ選手を迎えてしっかり戦っていきたい。
木原美悠(木下アビエル神奈川)コメント
写真:木原美悠(木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE
ビクトリーマッチ勝利後の感想
サーブからの展開が良かった。今日は2試合出させて頂いて両方勝てたことは凄く嬉しい。
好調の要因と試合への臨み方
試合中はあんまり考えないんですけど、勝つことと相手に向かっていくことだけを意識している。(相手の追い上げに対して)プレッシャーはなかった。思い切って自分の実力を出したら勝てると思って臨んだ。自信はありました。
全日本選手権後の調整について
全日本が終わって次の日は休んで、その次の日からいつも通り練習した。全日本の調子のまま、Tリーグに臨めている。少し疲れは残っているが、後半戦が今日から始まってあと8試合、1試合1試合自分の実力を出したい。
日本生命レッドエルフ 2-3 ◯トップおとめピンポンズ名古屋
写真:今季初勝利のトップおとめピンポンズ名古屋/提供:©T.LEAGUE
○ユ・モンユ/チェン・ズーユ 2-0 鈴木李茄/山本笙子
11-9/11-9
◯平野美宇 3-0 出澤 杏佳
11-6/11-3/11-7
ユ・モンユ 1-3 ○エリザベタ・サマラ
11-6/8-11/9-11/9-11
森さくら 1-3 ○リン・イエ
10-11/11-10/10-11/5-11
平野美宇 0-1 ◯エリザベタ・サマラ
6-11
日本ペイントマレッツ 2-3 木下アビエル神奈川
写真:加藤美優(日本ペイントマレッツ)/提供:©T.LEAGUE
永尾尭子/フォン・ティエンウェイ 0-2 ○長﨑美柚/浜本由惟
9-11/9-11
サウェータブット スターシニー 1-3 ○木原美悠
11-6/2-11/10-11/10-11
○フォン・ティエンウェイ 3-0 木村香純
11-8/11-9/11-9
○加藤美優 3-1 長﨑美柚
11-7/11-9/4-11/11-9
加藤美優 0-1 ○木原美悠
6-11
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