文:ラリーズ編集部
15日、Tリーグの男子チーム・T.T彩たまが1stシーズンの事業報告および、2ndシーズンの事業説明に関する記者会見を行った。
1stシーズンの振り返り
写真:柏原哲郎社長/撮影:ラリーズ編集部
T.T彩たま株式会社代表取締役社長の柏原哲郎氏による挨拶の後、執行役員監督の坂本竜介監督から1stシーズンの戦績報告が行われた。
「1番の欠点となったのはシングルスの勝利数。ダブルスの勝利数は岡山に次ぐ2位だった」とシーズンを振り返る。中でも、日本選手がシングルスで勝ち星をあげられなかったことを反省点にあげた。
反省点をクリアするにあたって、リアム・ピッチフォード(イングランド・4月度世界ランキング15位)の獲得を既に発表しており、来季への期待感も示した。ピッチフォードは、昨年だけでも張本智和(同4位)に2勝をあげており、ティモ・ボル(ドイツ・同5位)や馬龍(中国・同11位)、水谷隼(同13位)といったトップ選手にも勝利を収めている。
ピッチフォードを中心にシングルスの勝ち星を重ねながら、日本選手も勝利をあげる好循環を狙う。
また、専務取締役の為重洋一郎氏からは、後援会・個人も含めて165社・49名にもなったスポンサー獲得の振り返りが行われた。
モアガドの獲得を発表
1stシーズンの振り返りに続き、坂本監督から2ndシーズンのチーム方針が発表された。
「サプライズです」との宣言の後、トルルス・モアガド(スウェーデン・同153位)との契約が合意にいたっている旨が発表された。モアガドは2017年世界ジュニアで準優勝した欧州の17歳の新星である。
坂本監督自身がスウェーデンリーグでプレーしていた際に、当時8歳のモアガドを指導したことがあったという。その縁で、モアガド側から坂本監督に連絡があり、契約の話が進んでいるとのことだ。
モアガドは昨年のユースオリンピックで張本にも勝っており、ヨーロッパのトップ5に入ってくることが期待されている。
「自分自身が高校生の頃に、坂本(竜介)、岸川(聖也)、水谷(隼)の3人がドイツで育てていただいた。そのように、いつかヨーロッパの若い選手が日本で強くなる仕組みを作りたいと思っていた」と述べるように、坂本監督のかねてからの望みが叶う形になる。
写真:トルルス・モアガド/撮影:ittf world
その他選手情報
岸川聖也とは1stシーズンでは選手兼コーチとして契約していたが、2ndシーズンはコーチ兼選手として契約することを発表した。岸川はコーチをメインとしながら、選手への技術や勝ち方の指導、ジュニアの強化を担う。
また、ティアゴ・アポロニア、高木和卓は契約満了を迎えたことも発表した。
現在契約が決まっているのは、ピッチフォード、モアガド、黄鎮廷、神巧也、岸川聖也コーチ兼選手の5名。2ndシーズンの優勝に向けて、体制構築を進める。
2ndシーズンの事業計画
事業計画面では、先月に開始したT.T彩たまアカデミーの概要や、5月11日にT.T彩たま主催の大会を行う旨を説明。高体連や中体連との講習会の取り組みについても報告された。
さらに、ジュニア強化の一環として小学5年生の渡部民人(10歳)との契約も発表。近い将来の日本男子を担う選手として早期の支援を決定した。
また、5月6日に横浜文化体育館で行われる「世界選手権横浜大会開催記念 第10回ホープス・カブ・バンビ・オープン卓球大会」に木方菜々美(4歳・T.T彩たま所属)が所属選手として初出場することも明らかにした。
21日から始まる世界選手権にも、T.T彩たま関係選手としては5名(吉村真晴、チョンヨンシク、黄、ピッチフォード、アポロニア)が出場する。関係選手による世界での活躍からも目が離せない。