【卓球】宇田幸矢「WR30位以内に」 新王者の新たな門出 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:宇田幸矢(木下マイスター東京)/提供:Tリーグ

大会報道 【卓球】宇田幸矢「WR30位以内に」 新王者の新たな門出

2020.01.26

取材・文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)

25日、今年の全日本選手権男子シングルスを制した宇田幸矢(18)が、木下マイスター東京の一員としてTリーグに出場し、田添健汰と組んだダブルスで勝利を挙げた。宇田が全日本王者として初めてコートに立つ試合とあって注目が集まったが、試合後の報道陣の囲み取材では「自分の中でそこまで意識せずに試合に入れた」と堂々とコメントした。

過去に全日本選手権のダブルスを2度制している森薗政崇、三部航平ペア(岡山リベッツ)を2-0のストレートで下し、Tリーグでのダブルス5連勝でチームに貢献した。木下グループ総監督の邱建新氏も「宇田はダブルスが上手い。特にチキータが良くフォアもバックもパワーがある」と太鼓判を押す。

宇田はダブルスでの勝利について「最初の1試合目に比べるとコンビネーションがすごく良くなった。(田添とのペアの)強みはラリーになってからお互いオールフォアで動ききれるので最後、相手をパワーで圧倒出来るところ」と振り返るも、やや不完全燃焼のようにも見える。

それもそのはず。同じチームに張本智和、丹羽孝希、水谷隼の3人の東京五輪代表メンバーが揃っており、シングルスでの出場機会になかなか恵まれないからだ。

世界ランク30位以内が次なる目標


写真:宇田幸矢(左)・田添健汰(ともに木下マイスター東京)/提供:Tリーグ

それでも宇田は「今日は自分がダブルス1試合だったので、自分の役目としては必ず勝つぞと思って試合をしました」と“今自分が出来ること”にフォーカスし続ける。

このTリーグ2連戦を終えると次に控えているのは28日開幕のドイツオープンだ。現在世界ランキング54位の宇田は今年の目標を聞かれると「世界ランク30位以内には絶対入りたいと思っている。全日本優勝で満足せず、気持ちを切り替えてまたドイツオープンに臨みたい」と引き締まった表情でコメント。既に次なる明確な目標を見据えている。

一方で日本一を掴み取ったことへの自信は、ファンからの祝福メッセージとともに増してきているという。「(全日本優勝について)チームメイトもみんなおめでとうと。お祝いのメッセージも友達やファンの皆さんから沢山貰い自信になりました」。知人150人、ファン200人以上から「感動しました」「いい試合でした」といった祝福のメッセージが届き、twitterのフォロワーが2000人以上、instagramのフォロワーも1000人以上増えたと照れ臭そうにはにかんだ。

普段の過ごし方については「僕は卓球をやっていない時はなるべくリラックスし他状態で何事も取り組むようにしていて、卓球がメインなので卓球をやるときに一日の中で一番の集中力で出来るように意識します」とオンとオフの切り替えを大切にしていることを明かした。

左腕から繰り出されるダイナミックなプレーが魅力の“新チャンピオン”から、今後も目が離せない。