幼少期から将来を嘱望されていた徳田幹太(早稲田大学2年・野田学園高校出身)がついにTリーグに参戦する。
徳田は、10月末に行われた2024年全日本大学総合卓球選手権大会(個人の部)で5回戦から4試合連続4-3勝ちと、1日で28ゲームを戦い抜き表彰台の頂点へと駆け上がった。劇的な優勝から3日後、徳田の元にTリーグ・金沢ポートから契約のオファーが届いた。
「徳田は大学で伸び悩んでいる」。
そんな声を一掃する目覚ましい活躍を見せ、大学生日本一となり、自らの結果でTリーグチームを振り向かせた。
今回のインタビューでは、金沢ポートの印象や全日学優勝の軌跡、アスリートとしての今後の展望を語ってもらった。
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金沢ポートの印象は「ユニフォームがかっこいい」「熱いチーム」
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
昨年、金沢ポートが立ち上がった際、「金沢ポートのユニフォームがかっこいい」とおっしゃってましたよね?
写真:金沢ポート2023-2024シーズンホームマッチの様子/撮影:ラリーズ編集部
写真:熱いガッツポーズを見せる吉田雅己(金沢ポート)/撮影:岡山リベッツ/T.LEAGUE/アフロ
入りたかったチームだったので、嬉しい気持ちでいっぱいでした。
でも、自分はオファーされる側なので、自分の力ではどうしようもない部分もあり、目標にするのは違うなと感じていました。
そのため、全日学優勝を個人の目標にしてプレーしていました。
写真:見事全日学優勝を果たした徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
来年のワールドユニバーシティゲームズの代表に確定して、大学生の日本代表としてプレーする権利を得られたり、金沢ポートからオファーをいただいたり、選手としてのステージを1つ上がれたと感じています。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
自分の中では、卓球選手として今年が勝負の1年だと思っているので、1チームで良いからオファーをくれないかなと願っていました。
人生を変えた“徳田幹太・魂の28ゲーム”
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
全日学の優勝で人生を変えましたね。
ただ、ベスト8に入るためには、これまでほとんど勝ったことがない同級生の鈴木颯選手(愛知工業大学/琉球アスティーダ)を倒さないといけない組み合わせでした。
写真:インターハイ3冠王の鈴木颯(愛知工業大学)/撮影:ラリーズ編集部
そこで「優勝を目指せるぞ」ともう一段階ギアが上がりました。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
でも、ここで負けたらベスト8に入ったとしても今までと一緒だし、「練習をあれだけやり込んできたんだから大丈夫」とプラスな考えしかなかったので、不思議と負ける気はしていなかったです。
むしろ「ここで勝って自分の世界を広げるんだ」とポジティブな気持ちで戦えていました。
写真:三浦裕大(筑波大学)に大逆転勝利してガッツポーズする徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
結果が出ていなかったので仕方ないですが、言われるたびに何苦楚魂というか見返してやるという気持ちで練習してきて、この夏は自分をとことん追い込みました。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
だから5回戦、準々決勝、準決勝と勝っても全然満足することはなく、優勝しか見ていなかったです。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
やっと自分の卓球の理想形ができてきた
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
ただ、全国でシングルスベスト8にも入れていなかったので、結果だけ見るとそう言われても仕方ないとは感じていました。
特にメンタルが1番安定してきていますね。
どんな状況でも簡単に崩れなくなってきましたし、どの大会でも自分のプレーができている試合が多いです。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
高校の時はガンガン振っていく“これぞ野田学園”というような超攻撃的なスタイルでしたが、大学に入ってからは安定感は増した分、攻撃的な部分が鳴りを潜めているのではないかと…。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
戦術と技術が上手くマッチして、やっと自分の卓球の理想形ができてきたという感じはしましたね。
モットーは「どんな人にも憧れられる選手に」
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
徳田選手もそういう戦いぶりだと思いますが、何か試合への臨み方で意識していることはありますか?
ありがたいことに、野田学園のときから「写真撮ってください」とか「サインください」とか声をかけてくださるファンの方々がいます。
自分を応援してくれる人がいるのだから、試合を諦めることは絶対にしないし、最後までガッツを出して戦うというのは決めています。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
また、西東監督は、「徳田選手には遠慮せず貪欲に先輩たちから学んで成長してほしい」ともおっしゃられていました。
張禹珍選手に関しては、近くでプレーを見られるだけでもありがたいので、世界トップのプレーを見て、自分の成長に繋げたいです。
でも、遠慮していてはもったいないので、いっぱい聞きに行きたいと思います!
ご自身としてはこの金沢ポートとの契約をきっかけにどうなっていきたいですか?
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
いつチャンスが来ても掴み取れるように準備しておきますし、試合に出られたらリーグ戦のように1点ごとにジャンプしてガッツポーズするくらい闘志を出してチームを盛り上げていきます!
写真:ベンチに熱いガッツポーズを見せる徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
もちろん嬉しいんですけど、自分はこれだけ頑張ってきているんだから、「覚醒」ではなく「実力」と言われるように頑張っていきたいと思っています。
写真:徳田幹太(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部
学生卓球界に希望を与える存在に
私も、野田学園高校時代の爆発力あるプレーや試合での立ち振る舞いを見て、徳田幹太に魅了された1人だ。
高校3年生のときにインタビューさせてもらい、小学2年で日本一になるも小学4年で心臓手術を経験して一時は成績が落ちたこと、それでも小学6年でHNT合宿で1位になるまで成長したことなどを伺い、努力して這い上がれる心の強い選手だなと感じていた。
早稲田大学進学後は、1年生の全日学でダブルス優勝もシングルスはベスト32で終わってしまう。しかし、そこからリベンジを誓って腕を磨き、今年優勝を勝ち取った。
そういうストーリーも徳田を応援したくなる要素の1つだ。
絶対に最後まで諦めない姿勢は、見てる人々を勇気づけるだろうし、自らの努力でチャンスを掴んだ徳田が活躍すれば、学生卓球界の選手たちにも希望を与えることになる。
Tリーグの舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、デビュー戦が待ち遠しい。
徳田幹太にオファーした経緯を西東監督にインタビュー
>>「獲得候補にすら入ってなかった」徳田幹太に金沢ポートが複数年契約でオファーしたワケ
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