【卓球】王楚欽、F・ルブランの欠場で急浮上した「日本人選手46年ぶり世界ランク1位」の可能性 松島輝空、張本智和が達成する条件を解説 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:松島輝空(個人)/提供:WTT

大会報道 【卓球】王楚欽、F・ルブランの欠場で急浮上した「日本人選手46年ぶり世界ランク1位」の可能性 松島輝空、張本智和が達成する条件を解説

2026.09.08

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インタビューから報道記事、選手・用具紹介記事まで幅広く担当。2019年の全日本で見た出澤杏佳選手のプレーに衝撃を受けて以降、粒高バックハンドドライブの習得に心血を注いでいる。
戦型:右シェーク裏粒

<卓球・WTTチャンピオンズマカオ2026 日時:9月8日〜13日 場所:マカオ(中国)>

4日、世界ランキング1位の王楚欽(ワンチューチン・中国)と、同2位のフェリックス・ルブラン(フランス)が、8日から開幕するWTTチャンピオンズマカオ2026(以下、WTTマカオ2026)の欠場を発表した。

これにより、一つの歴史的な現象が起こる可能性が、にわかに急浮上した。

「日本人選手、46年ぶりの世界ランキング1位」だ。

現時点での状況を整理


写真:張本智和(トヨタ自動車)/提供:WTT

卓球の世界ランキングは、選手が大会で獲得した有効なランキングポイントのうち、原則として上位8つの成績を合計して決定する。

9/8現在、世界ランキング1位に位置する王楚欽のポイントは「8857」で、同2位のルブランは「7479」。3位に位置する松島輝空(個人)が「6930」で、4位の張本智和(トヨタ自動車)が「6333」だ。

一見すると大きなポイント差が離れているように思われるが、卓球の世界ランキングポイントには「ポイント失効日」が決まっており、王楚欽とルブランは近日中に大きなポイント失効を予定している。

そして、それにより松島か張本のいずれかが世界ランキング1位になる可能性が非常に高まっている。

王楚欽は大幅減が確定

ここからは、より詳細にポイントの増減を解説する。

まずは、王楚欽。


画像:9/8時点での王楚欽の世界ランキングポイント(赤枠が失効、青枠が加算予定)/制作:ラリーズ編集部

WTTチャンピオンズマカオ2025(以下、WTTマカオ2025)優勝で獲得した1000ポイントは9/14に、チャイナスマッシュ2025で獲得した2000ポイントが10/5に失効する。

そして、この2つのポイントが失効した場合に代替されるポイントは、今年のWTTチャンピオンズ重慶の300ポイントと、WTTチャンピオンズモンペリエの0ポイント。

WTTマカオ2026を欠場する王楚欽が、10/5までに新たに世界ランキングポイントを獲得できる大会はないため、10/5発表の世界ランキングでは王楚欽は2700ポイントマイナスの「6157」になることが確定している。


写真:王楚欽(ワンチューチン・中国)/提供:WTT

仮にWTTマカオ2026で優勝できれば、1000ポイントを新たに獲得してマイナスの幅を抑えることができた。しかし、残念ながらその可能性は消滅した。

※9/20からのアジア競技大会に王楚欽は出場予定だが、王楚欽の世界ランキングには既にアジアカップ2026の500ポイントが加算されており(大陸ごとの大会のポイントは1大会分しか世界ランキングに加算できない)、今回のアジア競技大会で獲得できる最高ポイントが500ポイントであるため、王楚欽の世界ランキングポイントが増加することはない

ルブランも大幅減が確定

続いて、フェリックス・ルブラン。


画像:9/8時点でのフェリックス・ルブランの世界ランキングポイント(赤枠が失効、青枠が加算予定)/制作:ラリーズ編集部

ルブランのWTTマカオ2025のポイントは世界ランキングの対象外だが、チャイナスマッシュ2025の1400ポイントが世界ランキングの対象となっている。そして、その1400ポイントは王楚欽と同様に10/5に失効する。

代わって現在ランキング対象外となっているWTTチャンピオンズ横浜2026の300ポイントが加算されるため、ルブランは1100ポイント減の「6379」となる。

そして、ルブランも10/5までに新たに世界ランキングポイントを獲得できる大会には出場しない。唯一、15日から開幕するWTTスターコンテンダーアスタナにワイルドカードで参戦する可能性がわずかに残っているが、WTTマカオ2026をケガで欠場しているため、出場は現実的ではないだろう。


写真:フェリックス・ルブラン(フランス)/提供:WTT

先述の通り、現在の松島のポイントは「6930」で、張本のポイントは「6333」。両者ともに10/5までに失効するポイントはないため、この時点で松島はルブランと王楚欽の世界ランキングポイントを抜くことになる。

現時点では圧倒的に松島が有利

つまり、現時点では松島が10/5発表の世界ランキングで1位になる可能性が高いのだが、現在4位の張本にも逆転で1位になる可能性は残っている。

まずは、松島と張本の世界ランキングポイント内訳を確認する。


画像:9/8時点での松島輝空の世界ランキングポイント/制作:ラリーズ編集部


画像:9/8時点での張本智和の世界ランキングポイント/制作:ラリーズ編集部

両者がここから10/5までにポイントを加算できる大会は、WTTマカオ2026とアジア競技大会の2大会。そして、両者とも大陸大会は世界ランキングの対象外となっている。そのため、仮にアジア競技大会で優勝して500ポイントを獲得すれば、世界ランキングポイントは増加する。

そのうえで、張本が松島のポイントを上回るには、WTTマカオ2026で優勝して獲得できる580ポイント(優勝ポイント1000と最もポイントの低いWTTスターコンテンダーロンドンのポイント420の差)と、アジア競技大会で優勝して獲得できる50ポイント(優勝ポイント500とワールドカップ2026のポイント450の差)の合計630ポイントを獲得して、総合ポイントを「6963」にする必要がある。


写真:松島輝空(個人)/提供:WTT

だが、これは松島のポイントが増加しない前提の話だ。

松島の現在の最低ポイントはシンガポールスマッシュ2026の380ポイント。つまり、WTTマカオ2026で準決勝に進出して450ポイントを獲得した場合、70ポイントが加算されて総合ポイントは「7000」となり、張本の逆転の可能性はなくなる。

また、仮に松島がWTTマカオ2026で準々決勝以前で敗退しても、アジア競技大会で優勝した場合は120ポイント(優勝ポイント500とシンガポールスマッシュ2026の380ポイントの差)が加算され、総合ポイントは「7050」となって、同様の結果となる。

日本人選手が世界ランキング1位になる未来

このように、現時点では松島が世界ランキング1位になる可能性が非常に高いと言える。

松島が世界ランキング1位になれば、19歳5カ月6日での到達となり、2025年に19歳9カ月24日で世界1位となった林詩棟(リンシドン・中国)を抜いて史上最年少記録となる。

だが重要なことは、いずれの場合も「日本人選手が世界ランキング1位」になるということだ。


写真:“鉄人”と呼ばれたティモ・ボルは43歳で出場したパリ五輪で国際大会を引退した/提供:ITTF

1980年の小野誠治さん以降、卓球のシングルス世界ランキングで1位を獲得した日本人はいない。近年は中国勢が長らく1位を独占しており、非中国人選手が1位を獲得したのも、2018年3月のティモ・ボル(ドイツ)が最後。それだけ「世界ランキング1位」には重みがあるのだ。

しかし、その座に日本人が君臨する未来がすぐそこまで迫っている。

今日から開幕したWTTマカオ2026。世界ランキングの歴史を動かす可能性を秘めた、日本勢2人の戦いから目が離せない。