岡田広寿&琉弥親子「もう一度二人で東京選手権へ」ハンディキャップを抱えながらも目指す大舞台 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:岡田琉弥(左)、岡田広寿(右)/撮影:ラリーズ編集部

卓球×インタビュー 岡田広寿&琉弥親子「もう一度二人で東京選手権へ」ハンディキャップを抱えながらも目指す大舞台

2026.02.05

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

社会人チーム「IMPACT」で活動する父・岡田広寿、そして尾久八幡中学1年生の息子・岡田琉弥。

親子で卓球に向き合い、時に師弟として、時に同じステージを目指すパートナーとして歩んでいく二人。

成長期特有の課題や、障がいを抱えながらも前に進む姿勢、そして家族で積み上げてきた卓球人生について、二人に伺った。

卓球との出会い


写真:インタビューに応える岡田親子/撮影:ラリーズ編集部

――琉弥くんに卓球をさせようと思ったきっかけを教えてください。
岡田広寿さん:最初は小学1年生の時に、週1回ほど、楽しくやってもらえたらいいなという思いでした。当時僕は40歳になったばかりで、息子が小学校に上がった頃は、僕自身の卓球を優先してしまう時期もありました。

だからこそ、まずは週1回、楽しく続けてもらえればいいかなという思いでした。


写真:「ラリーが続くことや戦術を考えるのが楽しい」とのこと/撮影:ラリーズ編集部

――琉弥くんは、卓球を始めた頃のことは覚えていますか?
岡田琉弥さん:最初はお母さんが一緒に卓球教室に連れていってくれることが多かったです。いろんな卓球クラブに体験に行ったんですが、みんな丁寧に教えてくれたので楽しかったです。

コロナ禍での転機


写真:コロナ禍で親子で練習する時間が増えた/撮影:ラリーズ編集部

――琉弥くんの成長を感じたのはいつですか?
岡田広寿さん:2020年の3月に、コロナ禍で小学校が休校になりました。当時は僕もコーチ業の活動ができなかったんですが、親子で練習するなら問題ないと思ったので、「一緒にやろうか」となりました。

試合がないのは非常に残念でしたが、逆に琉弥と一緒に卓球をするいいきっかけになったと思います。


写真:お父さんの指導は褒めて伸ばす指導/撮影:ラリーズ編集部

――お父さんの指導は厳しかったですか?
岡田琉弥さん:厳しいときもありましたけど、ちゃんとアドバイスをしてくれます。悪いところはアドバイスしてくれて、できてるところは褒めてくれるので、ありがたいです。
岡田広寿さん:親子というのは感情的になりやすいんです。情が出てきますし、子どもも甘えてきます。幼少期の時というのは褒めて伸ばすのが一番効果的だなと試行錯誤して思いました。

東京選手権への道


写真:東京選手権出場時のネームプレート/撮影:ラリーズ編集部

――2023年の東京選手権について聞かせてください。
岡田広寿さん:2023年の東京選手権では、カブの部が新設されたんです。当時、琉弥は小学4年生でしたので、年齢的にチャンスでした。組み合わせは甘くはなかったですが、1勝すれば代表というところでしたので、もう声が枯れるほど応援しました。

試合が終わった後は裏で号泣しました。保育園の卒園式以来、子どものことで泣いたのはそのときだけですね。


写真:東京選手権の本戦は強敵ばかりで勝てなかった/撮影:ラリーズ編集部

――東京選手権の本戦はどうでしたか?
岡田琉弥さん:みんな強くて、僕だけ弱くて。でも一生懸命戦えたので、経験になったなと思いました。
――緊張はしましたか?
岡田琉弥さん:初めてだったので緊張はしました。
岡田広寿さん:緊張はかなりしていたと思います。予選リーグで3ゲームマッチでしたが、他県から予選を勝ち抜いた選手たちなので、技術の差は圧倒的にありました。

ですが、なんとか食らいつこう、1本でも多くというところで頑張りました。予選リーグは負けてしまいましたが、そこでできたことが本人にとっては大きな経験で、貴重な学びになったと思います。

障がいとの向き合い方


写真:障がいを抱えながらも頑張る/撮影:ラリーズ編集部

――琉弥くんのSGA性低身長症という病気について教えてください。
岡田広寿さん:琉弥は妊娠9か月で、2月25日に出生体重(1500g)帝王切開で産まれ、NICU(新生児集中治療室)に1ヶ月程入院していました。もし、順調に3000g前後で胎盤で育っていた場合は出産予定日は『4月10日』でした。本当の意味で早生まれなのです。1学年低い(早い)ので不利だと思っております。

SGA性低身長症で普通の子供よりも身長が10~13センチ低いんです。1学年は低く見られることが多いですね。そのせいで、少し高いボールやフォア前のボールが届きづらい部分はあります。

ですが、最近成長期に入って少し伸びてきているというところがあります。あと、軽度の自閉症とADHDがあるので、技術習得は苦労しています。


写真:繰り返し練習で技術を身に付ける/撮影:ラリーズ編集部

――技術を身につけるのにどのくらい時間がかかりますか?
岡田広寿さん:要領がいい子は10回、普通の子は15回ほどで習得できる技術が、琉弥の場合は20回ほどかかります。

逆に言うと、大変な思いをした分、勝ったときの喜びはひとしおというか。ウサギとカメの話をするときもあるんですが、努力すれば絶対報われると思っています。覚えるのに時間がかかるかもしれませんが、できたときの達成感は倍ですね。


写真:Rallysの大会にも参加してくれました/撮影:ラリーズ編集部

クラウドファンディングについて


写真:クラウドファンディングで資金を集める/撮影:ラリーズ編集部

――クラウドファンディングについて教えてください。
岡田広寿さん:2023年の4月、5月時期と、今年2025年の同じ4月ぐらいの時期から、クラウドファンディングを実施させていただきました。

一番の理由は、病気の治療費が月20万以上かかることでした。あとは、SGA性低身長症のことがを少しでも多くの人にでも知っていただきたいという想いもありました。

琉弥本人も「クラファンの子」と言われるかもしれません。ですが、僕は矢面に立って絶対見守ってあげたい。

岡田琉弥さん:僕も、これから頑張って強くなって恩返ししたいです。

STIGAのサポート

――STIGAのサポートはどうですか?
岡田広寿さん:STIGA様には本当に感謝しかないです。実績がなかったことについて、サポートいただけるというのは本当にありがたいことだなと思っています。この場をお借りして改めてSTIGAさんありがとうございます。

25年2月に大きな決断をしていただきました。

――STIGAの用具はどうですか?
岡田琉弥さん:本当に使いやすいですね。ちゃんと回転がかかったりして、ありがたいです。
岡田広寿さん:ユニフォームのデザインもかっこいいし、グリップも握りやすくて本当に使いやすいです。STIGAのデザイン、ラケットのサイバーシェイプもめちゃめちゃ売れてますし、斬新というか、すごくオリジナリティがあります。

ユニフォームもシンプルなデザインでかっこいいと思ってますし、ラバーもいっぱいあるんです。フォアがDNAハイブリッドH、バックがDNAハイブリッドMを長く使わせていただいて、回転もかけやすく、サーブも切れて、バランスの取れた性能に富んだラバーだなと思ってセレクトさせていただいています。

ラケットはカーボネードの90を使ってます。今ちょっと廃盤になってしまったんですけど、弾みも良くて、スマッシュとドライブがやりやすいということで、本人には本当に合ってるなと思っています。

尾久八幡中学校の環境


写真:中学校でも整った環境で練習ができる/撮影:ラリーズ編集部

――尾久八幡中学の卓球部はどうですか?
岡田広寿さん:まず、顧問の先生方は生徒のことをしっかりと見てくれていると感じました。練習環境もすごくしっかりしていますね。綺麗な武道場ですし、設備も整っています。

チームの雰囲気も含めて、経験者の方がアドバイスしてくれます。休日も公式試合を含めて、他校との練習試合を結構組んでいただいています。東京都、埼玉、千葉も含めて、こちらから行くこともありますし、来てもらうこともあります。入学時にXにも挙げたんですけど、私立中学なみの整った環境だなと思っています。

――中学校の環境はどうですか?
岡田琉弥さん:アドバイザーの先生は的確にアドバイスしてくれるし、褒めてくれたりもします。始めたての頃、みんなが優しく接してくれて、過ごしやすい環境でした。

これからの目標


写真:もう一度東京選手権に出場することを目指す/撮影:ラリーズ編集部

――今後の目標を教えてください。
岡田琉弥さん:毎日練習をして、東京の中体連の団体戦や個人戦でも上位を目指して、結果を残していきたいです。いつかは全国大会出場できるといいなと思います。
――お父さん目線での目標はありますか?
岡田広寿さん:町の大会でもいいので琉弥とダブルス組みたいですし、やっぱりもう一度東京選手権の代表になりたいです。

一番のチャンスは、僕が50代になったときです。琉弥がもし都内の高校に進学すれば、代表枠が多いジュニアの部で代表になるチャンスがあると思っています。親子で同じ舞台に立ちたいというのが一番の想いですね。

――戦績以外の目標はありますか?
岡田広寿さん:生涯的な目標としては、まず続けてもらうというのが一番です。卓球を続けていれば挨拶や礼儀は自然と身に着きます。そういった部分は社会人になっても役立つので、卓球を通じて一般常識を学んでいってほしいですね。

もちろん、常に予選で勝てればといいですが、本人が楽しく続けてもらえればこれ以上のことはありません。

これからも岡田親子を応援していただけたら幸いです。

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