新コーチとのタッグで"インハイ3冠の呪縛"から解放 鈴木颯、大学最後の1年は「がむしゃらに泥臭く」<全日本卓球2026> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:鈴木颯(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 新コーチとのタッグで“インハイ3冠の呪縛”から解放 鈴木颯、大学最後の1年は「がむしゃらに泥臭く」<全日本卓球2026>

2026.01.22

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

<天皇杯・皇后杯 2026年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2026年1月20~25日 場所:東京体育館(東京)>

1月22日、男子シングルス4回戦が行われた。

1回戦から勝ち上がった2022年インターハイ3冠王の鈴木颯(愛知工業大)は、第1シードの松島輝空(木下グループ)と対戦。

各ゲーム競り合いに持ち込むもゲームカウント0-4で敗れた。

試合後に鈴木に話を聞くと、“インハイ3冠の呪縛”から解き放たれたことや、ベンチに入った岡田崚(イルマソフト)とのタッグについて語ってくれた。

インハイ3冠の呪縛


写真:松島輝空(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

――第1シードの松島輝空選手との4回戦はどうでしたか?
鈴木颯:試合をするのは3年ぶりくらいでした。もちろんSNSでも輝空の活躍は見ていたんで、どこまで食らいついていけるかなと試合前は思っていました。

ただ、そのマインドの時点でちょっと勝ちはなかったかなと終わってみて思いました。1、2ゲーム目は競りましたけど、相手のほうが最後まで勝つための戦術を立てていた気がします。

もちろん自分も勝つためにやっていましたけど、特に競った場面では自分がやりたいことをどうしても優先してしまいました。


写真:鈴木颯(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

鈴木颯:でも自分のプレーも悪くなかったし、準備も相当してきたんで、やることはやったかなという感じです。

特に大学生なってからはやりきれずに終わる試合が多くて、全日本でもスーパーシードまで行けてませんでした。

久々にスーパーシードのところまで勝ち上がって、3年ぶりに輝空とやらせてもらって良い経験になりました。実はこれまで負けたことがなかったんですが、3年間で大きく差をつけられてしまいました。次は勝ちたいですね。


写真:鈴木颯(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

――確かにインターハイで3冠して大学に進学してから、大きな結果が出ずにもがき苦しんでいるような印象でした。
鈴木颯:大学入ってからは、自分を向上させるというよりも、3冠を獲ったことで「その地位を維持したい」という気持ちの方がいつの間にか大きくなっていました。それがこの2年間の練習や試合に出てたかなと思っています。負けた後はいつもやりきれなかったなという試合ばかりでした。

岡田(崚)さんにコーチに付いてもらったり、自分の卓球も少し変えたりして、2026年一発目が全日本でしたけど、悪くないスタートだったんじゃないかなと思います。

4年生となる今年は自信を持ってできると思ってます。

岡田崚コーチからの新たな視点での指摘「下がった方がいい」


写真:鈴木颯の試合を見守る岡田崚(イルマソフト)/撮影:ラリーズ編集部

――岡田さんのコーチングでどう変わったんでしょうか?
鈴木颯:自分では気づかなかったんすけど、大学に入ってからは「形にこだわりすぎていた」部分がありました。

試合の時もがむしゃらに泥臭く点を取りに行くプレーが減って、いつの間にか両ハンドを使って綺麗なプレーをしようという思いが強くなっていました。そういう部分を岡田さん目線で指摘してくださいました。

「3冠王という地位を維持したい」という守りの気持ちが、自然とプレーに出てたんだなと今振り返ると思います。

――つまりかっこいいスマートな卓球を追い求めて負けるより、泥臭くねじ込んで勝つというようなマインドチェンジがあったということでしょうか?
鈴木颯:そうですね。泥臭くもっと動いて振ってしっかり攻めきったほうがいいという気づかせてもらった感じです。


写真:鈴木颯(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

――岡田さんは独特の理論や卓球観があると思いますが、そこは鈴木選手にマッチした感じでしょうか?
鈴木颯:そうですね。意外な練習法もあったりして、自分はそういう練習は嫌いじゃないですし、相性が良いかなと思っています。


写真:鈴木颯(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

――印象的な指導などはありますか?
鈴木颯:今までは「前でプレーしたほうがいい」と色々な方に教わってきていたところを、最初に岡田さんに練習を見てもらったときには「プレースタイル的にもっと下がってやったほうがいい。自分からわざわざ不得意なところでプレーしているように見える」と言われました。

「下がったほうがいい」と言われたのは初めてだったので印象的でした。


写真:自身も全日本に出場し今大会プレーした岡田崚(イルマソフト)/撮影:ラリーズ編集部

松島輝空の強さ

――松島選手の「強さ」はどういうところに感じましたか?
鈴木颯:最後の方にしっかり落ち着いて、僕が攻めたボールを捕らえられたり、1本返してくるプレーが多くありました。

立場的に自分は、1本攻めたらもう1本攻めに行きたくなっちゃうんですけど、実はそれはミスを誘われていた…というプレーがとても多かったです。

自分も冷静にはできていたと思うんですが、プレー的には輝空の方が落ち着いていたり、自分の方が攻め急がされていたり。そういうのが大事な場面で多かったです。

――反省点としてはどういう部分でしょうか?
鈴木颯:8オール、9オールとかまでは行くんですけど、最後こっちが相手に「攻めさせる」勇気はちょっと弱かったかなと。

こっちが攻めてもなかなか点数は取れないんですけど、「相手に攻めさせる」というのは、なかなか自分にはできなかったです。

試合開始直後に顔を見ていると結構緊張してるような感じもしたので、「チャンスあるかな」とは思ってたんですが実力が上でした。


写真:松島輝空(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

――鈴木選手も通常の大学の試合などでは、相手に攻めさせることは余裕を持ってできると思うんですが、松島選手となるとどこが違うんでしょうか?
鈴木颯:そもそもやろうと思ってもできないという部分もあります。ラリーになっちゃえば意外と五分五分だったりするんですけど、サービスがやっぱりすごかったですね。特にロングサーブが。普通の人の何倍もロングを出してくるので。

自分は台上の細かい技術から、甘く返ってきたのを打つのが得意なんですけど、あそこまでにロングを出されると厳しくなりました。

サーブから3球目、5球目、レシーブから2球目、4球目の組み立てがすごかったなと思います。

全日学優勝から全日本ランクへ

――大学最後の1年の目標は?
鈴木颯:まず全日学ですね。最後なので全日学で優勝したいです。

優勝すれば全日本でスーパーシードも貰えると思うので、そうしたら全日本ランクが近づいてくると思うので、そんな感じでやっていけたらいいかなと思ってます。

鈴木颯(愛知工業大)の試合結果

1回戦

鈴木颯(愛知工業大) 3-1 田中統也(びわこ成蹊スポーツ大)
10-12/11-6/11-5/11-9

2回戦

鈴木颯(愛知工業大) 3-0 柴田優星(STライトニング)
11-6/11-5/11-2

3回戦

鈴木颯(愛知工業大) 3-1 小野泰和(中央大)
5-11/11-6/11-3/11-8

4回戦

鈴木颯(愛知工業大) 0-4 松島輝空(木下グループ)
9-11/14-16/8-11/6-11

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