写真:張本智和(トヨタ自動車)/撮影:ラリーズ編集部
大会報道 張本智和「感動はいらない。金メダル獲って過去の負けを清算する」悲願の金メダルかけて中国との決勝に挑む<世界卓球2026>
2026.05.10
文:ラリーズ編集部
<2026 ITTF世界卓球選手権ファイナルズ ロンドン大会(団体戦) 日程:4月28日~5月10日 場所:ロンドン(イギリス)>
9日、ITTF世界卓球選手権ファイナルズ ロンドン大会は12日目を迎え、ノックアウトステージ準決勝では日本とチャイニーズタイペイが対戦。
第1試合で張本智和(トヨタ自動車)が、エースの林昀儒(リンユンジュ)を破ると、続く第2試合で松島輝空(個人)、第3試合で戸上隼輔(井村屋グループ)が勝利を挙げ、日本が2016年以来10年ぶりの決勝進出を決めた。
試合後、男子日本代表の張本に話を聞いた。
張本智和(トヨタ自動車) コメント
── 決勝進出を決めていかがですか?
張本:世界選手権、アジア選手権、アジア競技大会、五輪など、主要大会で決勝に行くのは初めてで。今までは準決勝で中国やドイツに負けてきて、やっぱりここが一つの悲願でもあったので。
でも、本当に今回は一個上のレベルの目標ではなく、二個も三個も上の目標を目指せるチームだと思うので。もちろん一個メダルを取ったことは嬉しいですし、銀メダル以上が確定したことも嬉しいですが、今回は一歩ずつではなく、一気にぶち抜くときだと思うので、ここは通過点かなと。
── 林昀儒戦はどのような入りでどのようなプレーとなりましたか?
張本:昨日のチャイニーズタイペイのオーダーを見て、1番で勝って5番に回したいんだろうな、2番、3番、4番で一本取りたいんだろうなと思ったので、もちろん林昀儒選手と対戦する準備はしていました。
林昀儒選手には、W杯を含めなかったら3連勝ぐらいしていて。W杯はラリーを続ければ続けるほど不利なボールだったんですが、今回はラリーをいくら続けても大丈夫なボールなので十分に戦えたかなと。
もちろん、1ゲーム目は彼の得意の3球目、4球目攻撃についていけなかったですが、どんどん慣れてきて、彼の3球目攻撃が決まらなかったときに、一本でもラリーが増えれば僕に分があるので、そこを心がけていました。
最後は1点、2点の差ですが、そこにチャンスあると思いました。
── ポイントとなった2ゲーム目、タイムアウトを取ったときのことを聞かせてください。
張本:「まずは(ゲームカウント)1-1にしなきゃ」と。0-2だったらいくら分が良くてもきついと思っていたので。結果的には追いつかれましたが、タイムアウトを取って「このゲームを取るんだ」という気持ちを示したことが一番だなと思ったので。タイムアウトを取って追いつかれるのと、取らないで追いつかれるのとでは、覚悟が違うと思うので。
その姿勢が、その後の一本一本の重みになったのかなと。何かいい作戦というよりは、「絶対このゲームを取りきる」という姿勢を相手に見せられたことが大きかったです。
── 途中で林昀儒選手がサーブを変えてきて、その後張本選手も少しサーブを変えましたか?
張本:1ゲームのなかでサーブは何回も変えますし、先日も言ったように、格下の選手に対しては一種類のサーブ、一種類のコースで勝てるのが、このレベルになると何種類も使い分けないと勝てないと思うので。そこはドイツ戦ぐらいから徐々に強い相手に対しての戦術にシフトできているのかなと。
その点で、1ゲーム目はフォア前だけに出しているとか、レシーブも1つだけだったかなと思います。でも、そこも2ゲーム目から修正できました。
── 世界卓球では2018年のハルムスタッド大会で男子が久しぶりにメダルを逃してしまいました。当時から考えて銀メダルまで来たことは、どう思いますか?
張本:これまであまりいい団体戦を経験してこなかったので、そこに関しては自分でも自分に「可哀想だな」とは思います。
1回目の世界選手権から2点起用で、ずっとベンチにいてメダルを取るという経験もしたかったなと思いますが、やっぱりそれは自分の運命というか宿命として、「トップになりたければ、1回目からそうなんだ」と自分に言い聞かせてやってきたので、やっと少しは報われたかなと思います。
チームメイトの力が上がってきて、「やっと追いついてきてくれた」っていう感じです。僕はそこをずっと待っていたので。
今まで何度も悔しい負けを味わってきたんですが、金メダルが1枚あれば銅メダル5回、10回取ってきたことにも意味がありますし、そういう意味でも今回一気にぶち抜いて、金メダルを取って過去の清算をできればなと思います。
もう明日の決勝は銀と金。もちろん銀と金の差はいつも激しいですけど、いつも以上に銀と金の差が激しい。 明日になると思うので、それを絶対金取って掴んで離さないようにしたいと思います。
── 「中国だったらどう、フランスだったらどう」と、両チームのシミュレーションは頭の中にあるのでしょうか?
張本:どっちもやっぱりエースが強い国です。中国は王楚欽、フランスはフェリックス・。どちらに対しても、今までの過去の成績で僕は負け越しているので、やっぱり4番が勝負になると思います。
あとは今まで同様、前半は当たり前に取る。それはもう、林詩棟だろうがアレクシスだろうがコトンだろうが当たり前のことで。やっぱり日本の強みは相手の2番よりもこっちの2番が強いことだと思うので。
ただ、あくまで僕は期待することはないと思います。それは監督や本人が頑張ることで、僕はいつでも自分が2点を取る気持ちで臨んでいます。
もちろん信頼はしてるんですが、試合中はそんなに松島や戸上のことを考える必要はないと思います。ただひたすら、自分の試合に集中する。それを三人ができれば。(マッチカウント)3-0で勝てると思いますし、3-0で勝つしかないと思います。もちろん2-1、2-2になったら頑張りますが、3-0で勝てるチームですし、勝たなきゃいけないと思うので。
明日は感動もいらないですし、2-2の5番とかもいらないので、本当にもう勝てるときに一気に行くしかないです。お互いそういうオーダーだと思うので、それはもうやりきるしかないと思います。
男子ノックアウトステージ準決勝
〇日本 3-0 チャイニーズタイペイ
〇張本智和 3-1 林昀儒
5-11 / 11-9 / 12-10 / 12-10
〇松島輝空 3-0 馮翊新
11-8 / 11-8 / 11-4
〇戸上隼輔 3-0 郭冠宏
11-8 / 11-9 / 11-5
張本智和 – 馮翊新
松島輝空 – 林昀儒
世界卓球2026 男子日本代表
張本智和(トヨタ自動車)
松島輝空(個人)
宇田幸矢(協和キリン)
戸上隼輔(井村屋グループ)
篠塚大登(東都観光バス)








