「強化も休息の時間も取れない状態」森薗政崇コーチが語る過密日程で選手を支える難しさ<卓球・チャイナスマッシュ2026> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:松島輝空(個人)と森薗政崇コーチ/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 「強化も休息の時間も取れない状態」森薗政崇コーチが語る過密日程で選手を支える難しさ<卓球・チャイナスマッシュ2026>

2026.10.12

この記事を書いた人
インタビューから報道記事、選手・用具紹介記事まで幅広く担当。2019年の全日本で見た出澤杏佳選手のプレーに衝撃を受けて以降、粒高バックハンドドライブの習得に心血を注いでいる。
戦型:右シェーク裏粒

<卓球・チャイナスマッシュ2026 日時:10月1日~11日 場所:北京(中国)>

11日、チャイナスマッシュ2026は最終日を迎え、男子シングルス決勝では松島輝空(個人)と林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)が対戦。

先に2ゲームを奪った松島だったが、林昀儒の緩急のあるラリーや畳み掛けるような連続攻撃が決まり、林昀儒が3ゲームを連取。後がなくなった松島だったが、冷静に攻撃を組み立てると、最終ゲームでは猛攻を見せてグランドスマッシュ2度目の優勝を掴み取った。

試合後、松島のベンチに入った森薗政崇コーチがインタビューに答えた。

森薗政崇コーチコメント

── 今大会を振り返っていただいていかがでしたか?

この大会中の10月5日に世界ランク1位になるのは僕らもずっと計算をして、それを目指してやってきていたので、チーム輝空として達成はすごく嬉しかったです。ただし、輝空も他のスタッフたちも、目指しているところは世界ランク1位じゃなくて、オリンピックの一番上、世界選手権の一番上。その目指すところは、みんなすごく一致しています。

そこが挑戦するべきすごく高い壁なので、(世界ランク1位になっても)気持ちが満足することなく、落ちることなくできているとは思います。でも、誰か一人でも気持ちが満足してしまっていたら、世界ランク1位になった直後の大会で悪い結果になってしまっていたら、やっぱり満足したように見えてしまって、自分たちも引け目を感じて、そこから上昇はもうないなと思っていました。

勝ち負けは置いておいて、ベストを尽くせるように大会の前から準備をしてきました。普段から映像研究は必死にやっているので、今回もそれを継続しただけなんですが、一切慢心することなくこの大会に挑めたのはすごく良かったと思います。

── 今大会はアジア競技大会直後で、スケジュール的にはハードだったかと思います。一方で、アジア競技大会の団体戦で金メダルを獲れたことも、今回の成績につながった部分はありますか?

もちろんそうですね。実は、今年の夏前のアジアユース選手権で、僕が個人的に初めて(監督として)団体戦で中国に勝ったんですよ。僕自身は選手のときには勝てなかったし、惜しい試合もいっぱいあったけど、ずっと勝てなくて。

でも、アジアユースで初めて中国勝つ経験ができて、「俺らもやっぱりできるんだ」と、勢いや自信がつきました。「やってきたことは間違いじゃなかった」、「少しずつだけど前に進んでいる」という確信を持ったので、チーム全体にその雰囲気が根付いてきたのかなと思います。

── 松島選手は大会中に体調が悪化した日もありました。当時はどういった状況でしたか?

熱自体はそこまで高くなく、ウイルス性のものでもありませんでした。ただ、どうしても今は大会が多すぎて。僕らスタッフもそうですが、選手も人です。どれだけすごい結果を残そうと、世界一になろうと、人なので。

自分の人生がありながら、自分の時間を一切取れずに、ただポイントに追われて試合に追われて、強化の時間も休息の時間も取れない状態が、実は今、日本だけではなく世界中で続いています。大会中に体調を崩すなんて、手洗い、うがい、食事、すべてを気をつけていても起こってしまうんですよ。

こればっかりは仕方ないですが、そういったときのメンタル維持のやり方、身体の動かし方も1年半ずっとチームで研究してきたので、それが今回は上手く出せたかなと思います。でも、僕たちは世界選手権の男子シングルスのメダルはまだ取れていない、オリンピックの頂も取れていない。そのなかで成長していかなければいけないので、選手を守るスタッフとしては、輝空が成長するための時間を確保するマネジメントもすごく重要です。

それが今、この世界のシステムの中だとどうしてもできていないのが実情なので、僕らも反省と後悔を繰り返しながら、もっと選手たちが強くなれる環境作りが必要かなと思っています。

── 常に試行錯誤を続けていくしかないということですね。

まさに。アジア競技大会終わってからも、身体は落ちているのでトレーニングを入れなければいけなくて、家に帰ってきた日にすぐトレーニングをしました。次の日は午前に短い練習をして、なるべく感覚を落とさないようにして。その間にみんなで食事に行って、中国を倒せたことを祝福して、いろいろな策を打って、すぐに今大会に入りました。これらすべて3日間の話です。

大会に来てからも田添(健汰)が常に一緒にいて、メンタルを支えてくれたり、生活の世話をしてくれたり。僕は研究しながら、一緒に練習しながら、トレーニングしながらと、やることが多すぎると。

本当にそのなかで、1年半前に(松島選手のコーチに)ついたときも、映像を見ていると試合を投げる印象があったし、まだまだ人としても選手としても未熟だったのが、「ここまで変われるか」というぐらい成長しました。輝空は元々賢いし、志が高いので、そこに気持ちや身体が追いついてきた感じですね。

男子シングルス決勝

林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)3-4 松島輝空(個人)〇
7-11 / 9-11 / 11-7 / 11-8 / 11-5 / 7-11 / 9-11

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