文:ラリーズ編集部
4日、ITTF(国際卓球連盟)が「ティモ・ボルに引退予定はない」というタイトルで、“ドイツの皇帝”ボルの引退に関する記事を掲載した。これはオリンピックチャンネル(オリンピック公式の動画サイト)に公開された、ボルへのインタビュー動画を取り上げたものだ。
現在ボルは38歳、来年の東京五輪では39歳となるが、先日行われたチェコオープンではベスト4など、その強さは未だ衰え知らず。36歳の時には世界ランク1位に返り咲くなど、むしろ歳を重ねるにつれ強さが増してるのではないかと感じさせるほどだ。
ボルが自身の引退について語る
写真:チェコオープンのティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld
しかし、いつかボルにも引退の日はやってくる。
ボルは自身の引退に関するインタビューを受け「私は引退を恐れています。なぜなら私は卓球が大好きで、辞めてしまう日のことを考えられないからです。4歳のときに卓球を始めましたが、今までの人生で卓球の他には何もしてきていません。いつの日か終わりが来ることは知っていますが、その日は非常に感情的になってしまうでしょう」と自身の胸中を告白した。
ボルが語る“中国の壁”
写真:チェコオープンのティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld
ボルはさらにインタビューで、卓球界最強の中国についても語っている。
まずは今年の世界選手権でスウェーデンのマティアス・ファルクが決勝に進出するなど、中国の力が弱まってきたのではないか、という指摘について「それは中国による上位独占が終わる兆候ではなく、むしろ全体の競争が激しくなったということでしょう。するとより多くのサプライズが見られるので、スポーツにとっては良いことです」と中国の力が低下したわけではないと話した。
またその中国について「中国は長年にわたって上位を独占していますが、私は勝つためにベストを尽くしてきました。しかし中国には、1人、2人でなく、4、5人は強い選手がいるため、倒すのは本当に難しいです。また中国の中には常に1人、並外れた力を持つ選手がいるのです」と自身が対峙してきた中国の強さを語った。
その長いキャリアの中で、多くの中国選手を破ってきたボル。2019年9月現在の世界ランクは7位と、今でもそのプレーは中国トップ選手に引けを取らない。“衰え知らず”のボルは、いつまでその姿を見せてくれるのだろうか。