"中国のレジェンド"劉国梁氏、新大会WTT議長に就任 卓球の商業化狙う | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:中国卓球協会会長・劉国梁(リュウグォリャン)氏/提供:ittfworld

卓球プレーヤー向け “中国のレジェンド”劉国梁氏、新大会WTT議長に就任 卓球の商業化狙う

2020.06.29

文:ラリーズ編集部

国際卓球連盟(ITTF)が今春明かした新たな大会構想WTT(World Table Tennis)。「卓球の商業化」を前面に押し出した大会構想で、2021年から従来の国際大会のあり方を抜本的に見直すことがITTFから発表されている。

そのWTT評議会のチェアマン(議長)に、中国卓球協会会長・劉国梁(リュウグォリャン)氏が就任することを29日、ITTFが発表した。

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そもそもWTT構想とは

3月3日のITTFの発表によると、現行のワールドツアーなどの個人戦大会は、2021年よりWTT構想のもと、新たな名称、新たな形式の大会に置き換えられる計画だという。


図:ITTF発表の新大会構想WTT/作成:ラリーズ編集部

まず、WTTのイベントは「グランドスマッシュ」と「WTTシリーズ」という2つに大きく分けられる。

「グランドスマッシュ」はプロ卓球の新しい頂点となる大会として、年間に最大4大会を実施。「WTTシリーズ」はチャンピオンズ(TIER1)、スターコンテンダーズ(TIER2)、コンテンダーズ(TIER3)の3ランクとその年間王者を決めるカップファイナルを合わせて、年間最大30大会が行われる計画だ。

「卓球の商業化」が念頭におかれ、上位大会(TIER1、TIER2、カップファイナル)の参加者を世界ランキング上位から選ぶことでスター選手を参加しやすくする。更にTIER1とカップファイナルの試合会場も劇場、バー、クラブ、小規模スタジアムなども選択肢に入れ、音楽やダンスも組み合わせた大会にしたいと発表しており、エンタメ性の向上を意識している。これらはスポンサーを集めやすくする方針と見て取れる。

劉国梁氏「世界をリードするスポーツの一つに卓球を」

今回、そのWTT評議会のチェアマンに劉国梁氏が就任した。劉国梁氏はアトランタ五輪や世界選手権で金メダルを獲得したキャリアを経て、現在は中国卓球協会会長として卓球王国・中国の躍進を支えている。

「卓球は私の人生を様々な形で豊かにしてくれましたし、私は長年このスポーツに人生を捧げてきました。そのため、WTT評議会を指揮し、世界をリードするスポーツの一つに卓球をするために貢献する機会を得られたことを大変誇りに思います」と今回の抜擢に対し意気込みを語った。


写真:リオ五輪で張継科にアドバイスする劉国梁(写真右)/提供:ittfworld

また、ITTF副会長のカリル・アル・モハナディ氏は「劉国梁氏は、誰もが認める卓球界のレジェンドです。私たちは彼をWTT評議会のチェアマンとして迎えられることを嬉しく思っています」と喜びをコメント。

ITTFのスティーブ・ディントンCEOも「WTTと卓球全体の成功のためには、最高位の人々が積極的に関与することが不可欠です。劉国梁氏は中国のみならず世界中の卓球界で最も影響力のある人物であり、WTT評議会のチェアマンとして完璧です。私たちは、卓球の世界的なプロモーションを行い、若い世代に魅力的な卓球を提供したいと考えています。スポーツ業界全体がパンデミックの影に隠れていますが、私たちは劉国梁氏がスポーツの未来に火をつけることを期待しています」と語っている。

ITTFによると、劉国梁氏をチェアマンとするWTT評議会は、イベント主催者、ITTF関係者、引退した選手や現役選手ら世界の卓球界の主要なステークホルダーで構成され、残りのメンバーはまもなく発表されるとのことだ。

>>ITTFが狙う「卓球の商業化」 テニスに倣うWTT構想とは