文:ラリーズ編集部
今回は、Rallys公式Instagramで読者の皆様から募集した「2024年の最も印象に残った試合」の中から、得票数の多かった5試合をランキング形式で紹介します。
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第5位:パリ五輪 男子団体準決勝 アントン・ケルベリ vs 張本智和
写真:アントン・ケルベリ(スウェーデン)/提供:ITTFWorld
勝てば銀メダル以上が確定する試合で、日本代表は1番のダブルスと2番の張本智和(智和企画)が立て続けに勝利し、早々に王手をかけた。
しかし、3番で戸上隼輔(井村屋グループ)がクリスティアン・カールソン(スウェーデン)に敗れると、続く4番でも篠塚大登(愛知工業大)がトルルス・モーレゴード(スウェーデン)に敗戦。マッチカウント2-2となったラストの5番で、張本はアントン・ケルベリ(スウェーデン)と対戦した。
試合は張本が第1、第2ゲームを連取し、日本優勢の空気が流れていたが、第3ゲームからケルベリが息を吹き返し、3ゲーム連取で逆転勝利。スウェーデンが大逆転勝利を果たし、決勝進出を決めた。
読者コメント
「まさかの逆転に、敵ながら拍手を送ってしまった」
「ケルベリのメンタルがすごすぎた」
「2番でモーレゴードを倒していた張本の敗戦に、驚きを隠せなかった」
試合結果
〇アントン・ケルベリ(スウェーデン)3-2 張本智和(智和企画)
5-11/5-11/11-7/11-7/11-9
第4位:全日本卓球選手権 男子シングルス決勝 戸上隼輔 vs 張本智和
写真:張本智和(智和企画)/撮影:ラリーズ編集部
パリ五輪代表選考会やWTTなど、これまで幾度となく対戦してきたこのカード。このときの全日本選手権はパリ五輪選考ポイントがかかった最後の大会ということもあり、パリ五輪を目指す各選手は死に物狂いで勝利を目指していたが、張本と戸上はそれらの選手を打ち破って決勝に勝ち上がっていた。
試合は、序盤こそ戸上優勢で進むが、中盤以降は「シーソーゲーム」と呼ぶのに相応しい展開となり、ほんのわずかなきっかけで流れが変わってしまう状況であった。それでも、戸上がゲームカウント3-1で王手をかけたときは戸上に軍配が上がると思われたが、張本は驚異の粘りで2ゲームを取り返して最終ゲームに突入。
そして、最終第7ゲームは戸上が先にチャンピオンシップポイントを握るも、張本が追いついてデュースへ。デュース後も何度も戸上にチャンピオンシップポイントを握られるも張本は耐え抜き、そして最後は15-14と張本がチャンピオンシップポイントを握り、渾身のフォアドライブを打ちこんで勝利を掴んだ。
張本は試合全体を通して8度もチャンピオンシップポイントを握られながら勝利を掴み、6年ぶり2度目の全日本選手権制覇を果たした。
読者コメント
「試合展開すごすぎて言葉が出なかった」
「ここ数年の全日本決勝のなかでは、間違いなく一番の試合!」
「パリ五輪代表の二人の対決というのもアツかった」
試合結果
〇張本智和(智和企画)4-3 戸上隼輔(明治大)
8-11/12-10/9-11/8-11/11-9/14-12/16-14
第3位:パリ五輪 女子シングルス銅メダル決定戦 早田ひな vs 申裕斌
写真:早田ひな(日本生命)/提供:ITTFWorld
勝てば銅メダルを獲得できる試合だったが、試合前から早田ひな(日本生命)は利き腕である左腕を痛めていることが伝えられていた。棄権も視野に入る中、早田は痛み止めの注射を打って試合に出る決断を下した。
ラケットを振る利き腕を痛めていたため、早田はベストパフォーマンスを発揮できたとは言い難い。しかし、最後まで懸命に戦い抜き、3度のデュースにもつれる接戦を制して早田は銅メダルを獲得。大会を通しては女子団体の銀メダルと合わせて2個のメダル獲得を果たした。
読者コメント
「ケガしている状況で最後まで戦い抜いた姿に感動した」
「試合後のひなちゃんの涙を見て泣いた」
「本当に価値のある銅メダル!」
試合結果
〇早田ひな(日本生命)4-2 申裕斌(シンユビン・韓国)
9-11/13-11/12-10/11-7/10-12/11-7
第2位:WTTファイナルズ福岡 男子シングルス準決勝 張本智和 vs 林詩棟
写真:張本智和(智和企画)/提供:ITTFWorld
同年のアジア選手権男子シングルス決勝でも対戦していた両者の戦いは、第1、第2ゲームを林詩棟、第3、第4ゲームを張本が奪う互角の展開となる。その後も互いに1ゲームずつ取り合い、迎えた最終第7ゲームも点を取り合う展開が続いた。
ラストは林詩棟が10-9と先にマッチポイントを握るも、張本が1点を返してデュースにもちこみ、デュースから2連続ポイントで取り返して勝利。決勝進出を果たした。
決勝では王楚欽(ワンチューチン・中国)に敗れた張本だったが、この大会の結果によって世界ランキングを一気に3位まで上げることに成功した。
読者コメント
「あの状況で勝ち切る張本、強すぎ!」
「初めて生観戦した試合だったので、本当に感動しました」
「張本君が最初から最後までかっこよかった」
試合結果
〇張本智和(智和企画)4-3 林詩棟(リンシドン・中国)
6-11/3-11/11-8/11-8/10-12/11-5/12-10
第1位:パリ五輪 男子シングルス準々決勝 樊振東 vs 張本智和
写真:樊振東(ファンジェンドン・中国)/提供:ITTFWorld
中国代表と日本代表のエース対決が、準々決勝で早くも実現した。これまで幾度となく対戦してきた両者だったが、この試合では張本が事前に入念に対策を講じてきたことが功を奏し、第1ゲームを11-2、第2ゲームを11-9で奪取。最高のスタートを切った。
しかし、第3ゲームから樊振東が張本の戦術に対応しはじめ、徐々に流れを引き戻される。それでも張本は第5ゲームを奪って先に勝利に王手をかけるも、第6、第7ゲームは樊振東優勢の展開で進み、最後は11-7で樊振東が勝利。王楚欽が敗れ、“卓球帝国”中国の選手として絶対に負けられない状況だった樊振東が、劇的な勝利を収めた。
読者コメント
「張本が先に2ゲームを取ったときはめちゃくちゃ興奮した! マジで惜しかった…」
「樊振東の意地がすごかった」
「パリ五輪のなかで間違いなくベストゲーム」
試合結果
〇樊振東(ファンジェンドン・中国)4-3 張本智和(智和企画)
2-11/9-11/11-4/11-7/4-11/11-7/11-7