文:ラリーズ編集部
年間を通して各地で行われるワールドツアー。その成績上位者による年間王者決定戦がITTFワールドツアー・グランドファイナルだ。2019年大会では女子ダブルスで日本の長﨑美柚/木原美悠が優勝を果たしている。今回はそのグランドファイナルについて、その出場条件や歴代優勝者を振り返ろう。
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グランドファイナルの出場条件(2020年大会の場合)
年末に行われるグランドファイナルでは男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの計5種目で年間王者が争われる。
まず、参加のために必要なワールドツアーの年間参加回数として
・シングルス:5大会以上(ワールドツアー・プラチナ1大会以上を含む)
・ダブルス:同一ペアで4大会以上
これらがグランドファイナル参加の最低条件となる。これらを満たした選手の中で、成績優秀者がグランドファイナルの参加資格を得る。
ワールドツアー・スタンディングスとは
ワールドツアーの年間成績を順位付けするのがワールドツアー・スタンディングスだ。各大会ごとに、順位に応じた合計ポイントが決まっており、ワールドツアーのなかでも格付けが高いプラチナ大会では、通常のワールドツアーよりも獲得ポイントが多くなる。選手たちはそれらの合計獲得ポイントによって順位付けされる。
各種目の参加人数
男女シングルスには、それぞれ16名の選手が出場する。ワールドツアー・スタンディングスにおける上位15名がグランドファイナルに推薦され、加えて男女1名ずつの開催国枠も用意されている。
各ダブルス種目には、それぞれ8組のペアが出場する。こちらもワールドツアー・スタンディングスにおける上位7組が推薦され、開催国枠も1組ずつ用意されている。
過去5年間の各種目優勝者一覧
写真:2018年大会男子シングルスで優勝した張本智和/提供:ittfworld
グランドファイナルは1996年に第1回が行われ、20年以上の歴史をもつ。ここでは、過去5年間の各種目優勝者を振り返ろう。
男子シングルス
2015年 馬龍(中国)
2016年 馬龍
2017年 樊振東(中国)
2018年 張本智和(日本)
2019年 樊振東
中国が強さを見せ、特に馬龍は08年、09年、11年でも優勝しており、通算5度の優勝を誇る。そのなか、18年には張本智和が当時15歳にして優勝を果たして世界を驚かせた。さらに水谷隼は10年と14年で優勝を果たしている。
女子シングルス
2015年 丁寧(中国)
2016年 朱雨玲(中国)
2017年 陳夢(中国)
2018年 陳夢
2019年 陳夢
中国の強さが際立ち、19年には陳夢が3連覇を達成している。また、11年から13年にかけては劉詩雯(中国)が同じく3連覇を果たした。14年大会では石川佳純が優勝し、中国出身以外の選手で初の優勝を果たした。
男子ダブルス
2015年 森薗政崇/大島祐哉(日本)
2016年 鄭栄植/李尚洙(韓国)
2017年 森薗政崇/大島祐哉
2018年 張禹珍/林鐘勲(韓国)
2019年 樊振東/許昕(中国)
日本の森薗/大島は15年と17年で優勝。16年大会でも決勝に進出しており、3年連続の決勝進出を果たした。韓国勢が16年、18年で優勝しており、韓国勢の強さが目立つ種目だ。
女子ダブルス
2015年 丁寧/朱雨玲(中国)
2016年 浜本由惟/早田ひな(日本)
2017年 朱雨玲/陳夢(中国)
2018年 伊藤美誠/早田ひな(日本)
2019年 木原美悠/長﨑美柚(日本)
女子ダブルスでは16年、18年、19年で日本勢が頂点に輝いている。19年大会では木原/長﨑の10代ペアが躍進。準決勝では中国の孫穎莎/王曼昱を破る活躍で、見事に優勝を果たした。
混合ダブルス
2018年 黄鎮廷/杜凱琹(中国香港)
2019年 許昕/劉詩雯(中国)
混合ダブルスは2018年からの開催となる。2019年大会では水谷隼/伊藤美誠が決勝に進出し、一時はゲームカウント2-0としたが、中国ペアに逆転負けを喫して準優勝に終わっている。