文:ラリーズ編集部
卓球の低年齢化が進む中、遅咲きで全国大会を目指す選手に送る本企画。第5回のテーマは、基本の徹底についてだ。
今回も中学から卓球を始めた卓球歴3年の宗萌美さん(千葉商科大学附属高校1年生)をモデルに、プロコーチの原田隆雅氏(礼武卓球道場)が指導する様子をご紹介する。
原田氏は企画開始から2ヶ月が経過した今も、基本の徹底指導に重きを置く。その深い理由と意図をご紹介する。
原田隆雅(はらだたかまさ)。現役時代は福岡の名門柳川高校から同志社大学、実業団のリコーで活躍後、葛西(東京都江戸川区)に礼武卓球道場を設立。プロ卓球コーチとしてジュニアから大人まで幅広い世代を指導。テレビCMの卓球シーン監修なども手掛ける。
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このページの目次
2ヶ月経過、それでも基本技術を徹底修正する理由
宗さんはフォアはドライブ、バックは異質ラバー(アタック8)で攻撃していくプレースタイルだ。
高校3年生での全国大会出場を目指すにあたり、今は「フォアドライブの強化」と「バックハンドの基礎フォーム修正」を課題としている。
全国大会を目指すには、サーブや異質ラバーでの変化プレーなどの小細工やテクニックから入るのではなく、フォアとバックの基本打法を習得するのが王道だと原田氏は考える。
基本練習でも「明確な課題」を持つ
宗さんの課題はフォア、バックそれぞれ明確だ。
フォアはラケットを下げないことと、詰まりやすいミドルをスムーズに処理すること。
バックは異質ラバーの特徴を活かすためにラケット面を固め(原田氏は「ロックオン」と表現)、上からボールを潰すようにインパクトすることを課題としている。
このように、基本練習においても明確な課題を持ち、じっくりと時間をかけて取り組むことで、将来全国で活躍するための土台作りを行っているのだ。
フォアハンド連打の練習シーン(7:55〜)
また、現在の大きな課題として、フォアもバックも「ラケットの端に当たりすぎる」という課題がある。ラケットの芯(スイートスポット)を捉えられないと、打球後の軌道が安定せずにミスが多くなってしまうので注意が必要だ。日々の基本練習の中でラケットの中央付近でボールを捉える意識をしていくことが大切になる。
こういった「ちょっとした意識」の積み重ねが、将来大成するかどうかの成否を分けるので、日々の1球1球を大切に扱うことが重要だ。
今回のまとめ
図:まとめ/作成:ラリーズ編集部