卓球技術・コツ 【卓球技術】対下回転バックドライブのポイントは“角度” 威力を上げてミスも減らすコツ
2021.03.24
文:吉田和也コーチのYouTube 神戸TCチャンネルより
「対下回転バックドライブ」は卓球の試合で良く使う技術の1つです。しかし、フォアドライブと比べて威力が出ないことやネットミスが多くなることに悩んでいる卓球プレーヤーも多いのではないでしょうか。
兵庫県伊丹市にある卓球場・神戸TCスタジオのオーナー吉田和也さんが、コツを紹介します。
「これができると試合が変わる!脱中級者講座」の第2回は、対下回転バックドライブのコツを吉田さんの技術指導を通して詳しく見てみましょう。
【吉田和也(よしだ かずや)】近畿大学附属福山高校から近畿大学を経て、現在は神戸TCスタジオのオーナーを務める。インターハイや全日本選手権、国体代表の経験も持ち、関西の強豪・近畿大では、関西学生選手権ダブルス優勝を果たす。社会人になってからも全日本選手権ミックスダブルスベスト16、全日本クラブ選手権団体2位など、全国でも実績を残している。右シェーク裏裏。変化のわかりづらい“七色の”巻き込みサービスが武器。(写真提供:本人)
このページの目次
「下から上に持ち上げないといけない」は間違い
吉田和也(以下、吉田):ツッツキに対するバックドライブのネットミスが多いと悩んでいるプレーヤーに向けて、考え方を紹介していきます。
ツッツキ、つまり下回転をバックドライブするとき、ラケットを下から上に振ったり、膝を曲げ伸ばししたりして打たないといけないとイメージしてる人が多いと思います。
ネットミスをすると、「もっと下から上に持ち上げよう」「グッと膝を曲げて勢いよく伸ばして持ち上げよう」と考える人が多いです。「“ツッツキが重いから”より体の力を使って持ち上げないといけない」という相談を良く受けます。
考え方のポイントは「角度」
吉田:でも、ここで冷静に考えてみてください。
下回転に対してツッツキをするときに重いと感じますか?
感じませんよね。
ツッツキは重くないのに、ドライブは重そうにしている。何が違うかというと「角度」です。
下回転に対して、ラケット面の角度が下を向いている状態だと、当てるだけだとボールは落ちてしまいます。この状態、つまりそもそも当てるだけでは入らない角度でバックドライブを振ろうと思うから、膝や体で頑張って持ち上げないといけなくなります。
また、試合になると、時間的にも精神的にも余裕がなくなり、大きく振れないことが多いです。面を被せた角度だとしっかり振れたときにしか入らないのもミスが増える原因です。
正解の角度を作り、そこから回転をかけるだけ
吉田:下回転に対してツッツキは頑張らなくても入る。つまりそのボールに対して正解の角度が作れているということです。
この“正解の角度”でボールに触れれば、重く感じないことに気づいてください。当てるだけでも返せると思います。
下回転に対してもラケット面を垂直ぐらいの角度で対応できるボールも多く、そこから回転をかければバックドライブになります。
これなら下から上に振るのではなく、手の位置を台より高くキープしながらドライブを打てます。
【動画】実際のバックドライブの様子 8:47~
手元で微調整し、下半身で威力を出す
吉田:さらに、角度を作る打ち方の場合、下半身の力はボールを持ち上げるためではなく、威力を出すために使えます。逆に下半身で持ち上げる人は、結果的にオーバーミスをしてしまうことが多いです。
ボールを上げる上げないの調整は手元で行い、強く打つ力は足や体で行いましょう。
そもそもネットは15.25cmしかありません。つまり、ネットミスの後は16cm未満の調整になってきます。もしネットの半分の位置に当たれば、8センチほどの調整。この微調整を下半身で行うのはかなり難しいです。
対下回転バックドライブの考え方 まとめ
吉田:普段打っている下回転のボールは、ドライブだと重く感じるがツッツキだとそうでもない。そんな考え方もあるんだなと知ってもらい、自分がやりやすい打ち方を探してもらえればと思います。
角度が合うことによって、力みや余分な動作が減ってきます。ラケット面の角度をまっすぐからちょっと上くらいにして下回転を打ってみると、必要ない力みが抜けていくかもしれません。
これが、私の考える下回転に対するバックドライブでネットミスをしないためのポイントです。考え方はいろいろあるので、一例としてこのやり方を試してもらい、ネットミスが少なくなったなど参考にしてもらえればと幸いです。