卓球技術・コツ ロングサーブに対するレシーブの3つのポイント|頭で勝つ!卓球戦術
2021.04.01
戦型:右ペン表裏
卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」
今回のテーマは、ロングサーブのレシーブのコツだ。
私も過去の記事で何度も言っているように、ロングサーブは非常に有効な武器である。
台上の強力な技術であるチキータを封じることができ、レシーブの球種が限定されるので3球目が待ちやすいといったメリットがあり、特に初中級者のレベルではおすすめしたい技である。
では逆にそれをされたときはどう対処すればいいのかについて考えてみよう。今回もいつもと同様に戦術的な観点で、試合全体を通して相手がショートサーブとロングサーブを匠みに織り交ぜてくることを想定して、待ち方や対処法について考えていこう。
このページの目次
ロングサーブのレシーブのコツ①ロングサーブか否かの判断を早める
ロングサーブはショートサーブのときと軌道も球速も違うので、当然サーバーの出し方も変わってくる。
上級者と言われるレベルになると、ほとんどショートサーブと同じようなモーションでロングサーブを出してくるので、判断が難しい。しかしやはり、ボールが来るまでのところである程度判断できるポイントはあるので、そこはしっかりと抑えるようにしょう。
ロングとショートではまず身体の使い方が違う。ロングサーブはよりボールに勢いを加える必要があるため、ショートサーブのときよりも、ややバックスイングが大きくなる傾向にある。そこを見逃してはいけない。
またショートサーブよりも狙うポイントが狭く、針の穴を通すような技術が必要だ。そのためサーブを出す前から、「力み」を感じられる場合があるので、それを察知するのだ。目線だったり雰囲気だったりで、なんとなく「ロングが来そうだ」ということがわかることは十分にある。
そういうものを感じ取ることができたなら、少し台から距離を取っておくとか、回り込みやすいように足の位置を調整するといったことをやってみると良いだろう。相手が流れを変えようとしたがっているときや、タイムアウト明けなどもロングサーブが来やすいタイミングだ。
また相手がサーブを出す瞬間は、第一バウンドの位置をチェックしよう。ロングサーブが来るときは、ボールの第一バウンドは必ず台のエンドラインギリギリのはずだ。そこにボールが着地した時点で、ロングだと判断をすることができる。
ボールがネットを超えてからようやくロングだと判断しているようでは遅いのだ。ボールが相手のラケットから離れて、台に着いてすぐの判断ができてこそ、そのあとのレシーブで余裕を持って対処することができるのだ。
ロングサーブのレシーブのコツ②コンパクトな振りでまず入れることを重視
ではロングサーブだと判断したときに、大切なのは何か。言うまでもなくまずは「入れる」ことだ。簡単にレシーブミスをするのは、相手を楽にさせてしまうので何よりもいけない。
そしてもし早めにロングだと分かったとしても、無理に打ち抜く必要はない。ロングサーブの対処にあたっては、溜めを作る為の時間的余裕も空間的余裕もないはずなので、なるべくコンパクトなスイングで、鋭く返球することを心がけてみよう。相手の球威を利用しながらミート気味に当てつつ少し回転をかける、といった感じだ。
このときにもし余裕があるのならば、なるべくストレートのコースへ返球したい。相手としては、こちらの意表を突いてのロングサーブという意図であることが多いので、クロス待ちをしているはずだ。その待ちを外すためにはストレート、あるいは難しければミドル寄りへ返球することが有効だろう。ただそれも、クロスで確実に「入れる」ことができるのが前提である。
初級者や中級者の場合は、入れるべきボールでも「強打できる」と思ってしまいがちである。本人はチャンスボールと思っているが、実際はそうではない、というケースが往々にしてある。
このロングサーブの場合もそうである。特にフォア側へ来たロングサーブなどは顕著で、強く打ちたい気持ちが前に出過ぎるあまり豪快なスイングになり、結果ミス、とうことがよく見られる。仮に入ることがあっても確率は50%かそれ以下だろう。であればしっかりと入れることに注力して、4球目を丁寧にブロックをすることを考えた方がよっぽどいい選択と言えるだろう。
ただもちろん、どう見ても甘いロングサーブであれば、戸惑うことなく打ちにいくべきだ。ロングサーブは、どうしてもショートサーブよりもミスが出やすい分、バウンドが高いぼてぼてのボールだったりすることがよくある。その場合は思い切ってフルスイングしても良いだろう。
これで得点できるのが理想だが、ミスをしてしまっても構わない。大切なのは、「甘ければ一発で打ち抜きますよ」という意思を相手に伝えることである。そうすることで抑止力になり、相手としては安易にロングが出せなくなる。
そうなれば、ほぼ全てショートサーブ待ちでよくなるので、レシーブがかなり楽になる。時にはハッタリもうまく使いながら、相手の選択肢を削っていくことは非常に有効だ。試合が長引けば長引くほど相手の手札がなくなっていき、こちらが有利になっていくのだ。
ロングサーブのレシーブのコツ③レシーブしたあとの備えを意識
最後にまたこれも当たり前なのだが、ロングサーブをレシーブしたのなら、台から距離を取って4球目を待つということが大切だ。
あなたがロングボールで返球しているのなら、当然次もロングボールで返ってくるはずだ。それに備えて意識的に足を動かす必要がある。しかし頭では分かっていても、実際にはできていない選手も多い。
ロングサーブを処理したのなら、元の位置よりも必ず半歩あるいは一歩下がって構える。さらにもし相手のフォアへ返球したのなら、クロスへの返球が多いと予測してフォア側へ一歩動かした位置に足を運ぶのだ。
このあたりはもう頭で理解するよりも、反復練習で身体で覚える方が早いはずだ。練習相手をする際など、常日頃から意識して身に付ける必要がある。
まとめ
今回はロングサーブのレシーブについて解説をしてみた。最近はどんどんロングサーブの重要性が増してきている。
特にフォア前とバック深くのロングサーブは、どんな選手に対しても有効な攻め手の一つである。これがうまく対処できなければ、最後までこの2択で攻められて一向にレシーブからの得点ができないという状況になりかねない。
ぜひこれを機にロングサーブへの処理を磨いて、弱点をなくしていくように心がけよう。
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