【初心者必見】流しのやり方とコツ|卓球基本技術レッスン | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ 【初心者必見】流しのやり方とコツ|卓球基本技術レッスン

2018.12.03

この記事を書いた人
初級者、中級者向けに基本技術の説明から、戦術論や卓球コラムまでを執筆。社会人になってから5回全国に出場し、全日本卓球選手権(マスターズの部・男子30代以上の部)ではベスト64。まさに“頭で勝つ!”を体現中。
戦型:右ペン表裏

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」

このシリーズでは初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明と、そのやり方についてお話していく。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。(特に記述がない限り、右利きの選手を想定している)

流しとは

流しとは台上技術の一つだ。主にレシーブの際に使われることが多い。野球などでも「流し打ち」という技術があるが、流すというのは、バットやラケットのスイングする向きとは反対方向にボールを飛ばすような打ち方だ。
フォアハンドで「流し」をするという場面では、ラケットは自分から見て左方向に動かすけれども、ボールは右方向に飛んでいく、ということになる。シュートドライブといった技術も同じような感じだ。「フォア側に打つと見せかけておいて、バック側に打つ」という形になるので、こういった技術を総じて「逆モーション」と呼んだりもする。
写真:ラリーズ編集部

基本的に卓球は相手コートの台で2バウンドする「短い」台上の攻防からラリーが始まることが多い。今回紹介する「流し」も、前回までに紹介したストップ、ツッツキ、フリックらと同じ台上技術の一つではあるが、難易度としてはやや上がるかもしれない。

基本的にペン・シェーク共にフォアハンドで流しをすることが多い。バックハンドでももちろん可能だが、シェークだとやや難しくなるので、今回はフォアハンドに限定してお話ししたい。

流しのメリット

流しのメリットは、なんといっても「相手の逆を突きやすい」という点だ。逆モーションというくらいなので、そこが最大の特徴だ。フォアに打ちますよというそぶりでバックに打つ。松平健太選手、あるいはワルドナー選手などは、巧みな流しで相手の待ちを揺さぶるプレーを非常に得意としている。このプレー一発で決めるのではなく、相手の予測の逆を突いて有利な展開にし、次球を攻め込む、といった考え方が良いだろう。

また、流しは「横回転のサーブに対しての、回転に合わせたレシーブ」としても非常に効果的だ。回転しているボールに対しての処理は、大きく分けると「回転に逆らう」か「回転に合わせる(あるいは利用する)」のどちらかが考えられる。例えば下回転のボールに対して、回転に逆らう技術はドライブ、回転に合わせる技術はツッツキとなる。

同様に横回転のボールに対して、逆らう技術はフリックやチキータ、回転に合わせるとなると流し、ということになる。初心者の方には難しいかもしれないが、こういった概念があることも頭の片隅に入れておくと、今後役に立つだろう。

流しのやり方

では実際のやり方についてだ。ここではバック前に順横回転(右回転)のサーブを出された状況を想定する。まずここで、フォアハンドで流しをしたいので、「レシーブから回り込む」ということをする。左足が前になる状態で、中途半端にならないよう、しっかりとネット付近まで回り込もう。そして、ラケットのヘッドがちょうど真横から少し右上を向くようにセットし、ラケット面は卓球台と垂直気味に出す。そこからボールのバウンド頂点のタイミングで、手首は動かさずにそのままの角度で、ボールを右から左に、撫でるように擦ってあげよう。イメージとしては、脇を締めて窓拭きをするような感じだ。そのまま相手バック側へ、曲がっていく形でボールが飛んでいけば上手く流せている。
写真:ラリーズ編集部

流しのコツ

ここでのコツは、大きくスイングし過ぎないことだ。流しという技術だが、体も流れてしまっていては安定しないし、いいボールが出せない。あくまでコンパクトに振ることを心掛ける。体の右側から振り始めて、体の真ん中、おへその先あたりで「ピタッ」と止めるようにしてみよう。その止まる瞬間付近で打球出来れば、キレのあるボールが出せる。おへその前でピタッと止めることを意識しよう。

流しのデメリット

デメリットとしては、単純に流しという技術を出せる局面かどうかの判断が難しいという点にある。横回転と一口に言っても、下回転が混じっていたり、上回転が混じっていたりと、相手のサーブは想像以上に複雑になるので、それらを瞬時に見極めて、適切なラケット角度で流しを行うことは初心者にはかなり困難だろう。

まずは例えば、ダブルスでは下回転かナックルのシンプルなサーブが出されることが多いので、そういった場面で「ナックルが来たら流しをする」というように決めて挑戦してみるのもいいかもしれない。

まとめ

今回はやや難易度の高い、流しという技術についてお伝えした。特殊な技術ではあるが、使いこなすことが出来れば、相手の逆を突き、次の返球のコースを限定させることが出来るので、非常に強力な武器となることは間違いない。ぜひ一度挑戦してみて欲しい。

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