世界一ハイレベルなTリーグとは【松下浩二の「卓球超観戦術」#4】 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:松下浩二氏/提供:©T.LEAGUE

卓球プレーヤー向け 世界一ハイレベルなTリーグとは【松下浩二の「卓球超観戦術」#4】

2020.11.01

卓球界のレジェンド・松下浩二氏が、卓球観戦のための書籍を発売した。
その名も「卓球超観戦術」。
張本智和の強さの理由や、「なぜ日本は強くなったのか」という多くの人が抱く疑問まで、幅広く網羅された内容の中から、印象的な部分を全4回連載でお届けする。

>>日本の卓球はなぜ強くなったのか?【松下浩二の「卓球超観戦術」#3】

Tリーグとは何か

新型コロナウイルス感染症の影響で試合が延期になっておりますが、卓球のプロリーグ、Tリーグは2020年3シーズン目を迎えました。

チーム数は開幕当初から男女各4チームで、ホーム&アウェイ方式で団体戦を行います。1番がダブルス、2〜4番はシングルスのいわゆる「4単1複」の形式。試合が盛り上がるよう、「最終ゲームは6―6からスタート」「最後の5番(ビクトリーマッチ)は1ゲーム制」など独自のルールがあります。

また常にハイレベルな対戦が見られるよう、「世界ランク上位の選手が何試合以上出なければならない」など、チーム構成や選手の出場に関しても規定を設けています。北海道から沖縄まで全国各地で試合が行われ、試合数は男女計84試合。リーグ戦の1位と2位のチームがプレーオフファイナルに進出し、両チームが優勝決定戦を行い、年間王者が決まります。


写真:Tリーグファーストシーズン開幕戦/撮影:ラリーズ編集部

世界一のレベルのTリーグ

そんなTリーグの一番の魅力は「世界一」といえるレベルの高さでしょう。錚々たるメンバーがおり、日本代表の水谷隼選手、張本智和選手、丹羽孝希選手、石川佳純選手、平野美宇選手、早田ひな選手、そして海外の代表選手など、世界ランキング50位以上の選手の多くがこのリーグに参戦しています。


写真:Tリーグで熱戦を繰り広げる張本智和/提供:©T.LEAGUE

そして、そのようなレベルの高い選手の試合を生で見られるのです。Tリーグがスタートする前、世界レベルのプレーを国内で観戦する機会はほとんどなく、国際大会だと年一回開催されるワールドツアー・ジャパンオープンだけでした。Tリーグが全国各地で行われるようになったことで、世界レベルの試合を見る機会はかなり増えました。


写真:石川佳純/提供:©T.LEAGUE

目の前で観戦できる臨場感

さらに、ハイレベルなゲームを目の前で観戦できるのがTリーグのすごいところで、一番近いところだとコートのすぐ横に席があり、迫力、臨場感は相当なものです。

多くの人に楽しんでもらうため、試合の見せ方にも気を使っています。卓球台は一台のみにして、照明なども工夫し、様々な演出によって、見やすく、盛り上がれるようにしました。卓球を知らない人に「卓球って面白い!」といってもらえるようなリーグにすることが目標です。


写真:台のすぐ近くで観戦できるTリーグ/提供:©T.LEAGUE

私は現役時代にスウェーデン、ドイツ、フランス、中国と4ヶ国のリーグでプレーしているので、その経験も活かしていますし、日本国内で他のスポーツもたくさん勉強しました。野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール。中でもバスケットボールは、規模や観客と選手の距離感などが似ているのですごく参考になりました。

1階席なら選手にサインをもらえることも

Tリーグでは、試合が終わって退場する時に多くの選手がファンサービスをしてくれるので、タイミングが良ければ選手のサインをもらうことも可能です。ただし、2階席の人は1階のフロア席に降りられないので、サインが欲しい人は1階席のチケットを購入してください。そして色紙&マジックもお忘れなく(新型コロナウイルス感染症の影響により、当面の間はリモートマッチになります)。


写真:試合後サインに応じる張本智和/撮影:ラリーズ編集部

2シーズンを経て、各チーム、選手に熱狂的なファン、応援団もついてくれ、さらなる盛り上がりを見せています。卓球を知っている人はもちろんですが、卓球を知らない人でも楽しめますので、本書で卓球に興味を持ってくれた人はぜひ会場に足を運んでみてください。

松下浩二氏プロフィール

1967年8月28日生まれの愛知県出身。日本卓球界初のプロ選手として国内で活躍し、その後、海外にも視野を広げ日本人初となるドイツ・ブンデスリーガ、フランスリーグ、中国超級リーグでプレーをした。バルセロナ五輪から4度のオリンピックに出場。現役時代はカット主戦型として粘り強く戦った。現役引退後は日本初のプロリーグ化を目指して尽力、2018年に「Tリーグ」を創設し、初代Tリーグチェアマンとなる。2020年7月をもってTリーグチェアマンを退任、Tリーグアンバサダーに就任した。10月1日より卓球メーカーの(株)VICTAS代表取締役社長に就任。

松下浩二の「卓球超観戦術」の一部抜粋はこちら

>>特集・松下浩二の「卓球超観戦術」

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>>『卓球超観戦術 0.3秒間のラリーから戦術を読み解く』