卓球プレーヤー向け 【検証】「あなたは何時間ムダにしてる?」球拾いのタイムロスを徹底比較
2021.07.20
文:織部隆宏コーチのYouTube ITS三鷹卓球チャンネルより
ボールを沢山使うと卓球の練習効率はどのぐらい良くなるのでしょうか?
本企画では、理論派卓球コーチの織部隆宏氏(ITS三鷹)による実験の模様をお届けします。
【織部隆宏(おりべたかひろ)】1990年生まれ。東京都出身。早稲田大学卓球部OB。野村證券を経て、現在は卓球界のレジェンド故・荻村伊智朗氏がプロデュースした会員制卓球クラブ「ITS三鷹」でプロ卓球コーチとして活動。若き理論派指導者として知られる。
このページの目次
1球vs10球 球拾いのタイムロスを徹底比較
織部:今回は「ボールを沢山用意するとどれだけ時間効率がよくなるのか」ここにフォーカスしてお話していきます。
実験では、3つのパターンでどれだけ練習時間が変わるのか。それが年間でどれぐらいの差を生むのかを見て頂きたいと思います。
(条件1)広いコートで1球を使用 ※多くの部活動のボール拾いの環境に近い
(条件2)狭いコートで1球を使用
(条件3)狭いコートで10球を使用
この3つの条件で、3分間の課題練習(下回転サーブ→3球目ドライブ→フォア2本バック2本のフットワーク)を行った際に、球拾いにかかった時間を計測しました。
【実験結果】球拾いをどれだけ短縮できるのか?
実験結果の解説シーン 4:43〜
織部:それぞれ、球拾いにどのぐらいかかったのか、結果は以下の通りでした。
(条件1)広いコートで1球 → 47.42秒
(条件2)狭いコートで1球 → 42.32秒
(条件3)狭いコートで10球 → 30.39秒
3分間の比較実験の結果、狭いコートで多くボールを使用する場合には、広いコートで1球練習する場合に比べて約17秒の時間短縮になりました。
17秒と聞くと差が小さく感じられたんじゃないかと思います。一方でよくよく考えてみて下さい。これはたった3分の中での17秒です。
これが1年間続くとどのぐらいの差になるのでしょうか?
仮にあなたが1日2時間の練習を週5日、1年間(50週)行うとします。
その場合には17秒×120分/3分×5日×50週=170000秒。すなわち年間で約48時間も球拾い時間に差が出てきます。
これは1日2時間の練習をする人にとっては24日間分に相当します。つまり約1ヶ月の練習量と同じだけ、球拾いによるタイムロスが多く生まれてしまうことになります。
人は3日で変われると言われている中で、1ヶ月の差はどれだけ大きいか。ちょっと恐ろしいことですね。
自分1人で強くなるなら、色んな選択肢があると思います。
ラケットやラバーを買う。試合を見に行く。試合に出るなど。
でもチームみんなで強くなろうという場合には、ボールを沢山用意する。それによって練習が沢山できる。そういう環境を用意した方が有利に働くかもしれません。
フル動画(ITS三鷹卓球クラブチャンネル)はコチラ
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